動かなくて相談したいときに事前に確認する項目(はんだづけ編)
まずは購入先に問い合わせてみましょう。一番詳しいはずです
海外ストアに拙い英語で問い合わせても、ほとんどのケースは24時間以内にすごいいい感じの返答が返ってきます
ただし英語は最低限として 必要です。海外のストアを利用する場合はその点は考慮しましょう
関係者がいるかもしれませんが、ここはアフターセールスサポートでもテクニカルサポートでもありません
あくまで相談なので、あなたが自発的に動いて情報を整理する必要があります
第三者は提示された情報から推測をして「これは確認してみた?してないなら確認してみて」というだけです
調査も情報をまとめるのも解決するのも自分自身にしかできません
情報が一意に得られるようにまとめましょう
このページは主に組み立て時のトラブルを想定しています。
ソフトウェア周り(キーマップやキーボード定義)に関するトラブル
スプリットキーボードに関するトラブル
現在の構成
相談の準備
ここらへんの道具あると解決早いよ/解決しないよ
ここらへん整理しないと問題と現状が伝わらないよ
相談の心構え
「相手も人間だ、忘れるな」みたいなやつ
よくある質問・よくあるトラブルとその原因
顧客が本当に必要としていたもの
TODO
「よくあるトラブル/よくある質問」を分離する
三行(+α)
やったことはできる限り記録する
相談時にやったことをミスも含めて共有する
問題(もしくはその可能性)は細かく分割して調査・選択肢を絞っていく
解決したら問題箇所と対応箇所をまとめて報告する
参考文献
技術系メーリングリストで質問するときのパターン・ランゲージ
技術的なお問い合わせに関するガイドライン
大学の恩師に教わった、「なにがわからないか、わからない」ときの質問のしかた。
「質問は、二台目の掃除機を買いにいくつもりでしろ」
工具等
相談する前になければ買うもの
ない場合は相談しても「買ってからもう一度来てください」となります。
テスタ/デジタルマルチメーター
回路が正しく接続されているかをチェックする
「こことここが繋がっているか確認してください」はテスタなしに確認できない
あると確認が絶対早いもの
今キーボードで使っているものではないUSBケーブル
今使っているUSBケーブルが故障の原因かどうかをチェックするのが目的
充電専用不可
他のデバイスで利用可能だとわかっていることが望ましい
今キーボードで使っているものではないTRRSケーブル
今使っているTRRSケーブルが故障の原因かどうかをチェックするのが目的
他のデバイスで利用可能だとわかっていることが望ましい
フラックス
はんだ吸い取り線
はんだ吸い取り器
ジャンパ線(短絡用)
予備軍
予備のpromicro
予備のスイッチ
予備のLED(SK6812 mini)
電子工作用ワイヤー(AWG28くらい細いやつとかポリウレタン線とか)
別のPC
書き出すべき項目
絶対書くこと
どんな問題が発生したのか
何ができたら解決なのか
どうしたらその問題は発生した/発生するのか
何を確認したか
スプリットキーボードの場合、左右を接続せずにPCへ繋いだときに正しく動作しているか
どこまで組み立てたか
可能であれば写真や動画を添付する
dropboxやgoogle driveの共有機能を使う
youtubeを使う
目視が一番早い
こんな感じに書けばいいんじゃないかの例
キーボード名と、キーボードのビルドガイドへのリンク
キーボード増えすぎて全部はわからん
群雄割拠してて同じ語句でも中身違ってたりする(主にLED)
組み立て状況(組み立て中/組み立て直後 or 日常使い中)
問題の具体的な内容
曖昧に書くと手戻りが発生する
具体的に書くと「そのケースだとここが怪しいので〇〇してみてください」とすぐに返答がくる
🙅♀️ 伝わらない例
「いくつか入力できないキーがあります」
「LEDが途中から光りません」
「光らないLEDがあります」
👍 伝わる例
「入力できないキーがあります。1QAZの列全てとYUIOPの行全て、それとNが入力できません」
適当な写真を使って「写真の〇で囲んだスイッチが入力できませんでした」
実際に光らせた写真を投稿して「現在消灯してるLEDがどうしても光りません」
実際に光らせた写真に書き込みをして「この範囲は正常に動作しています。この部分は光りません。この部分は光っていますが設定変更が反映されません」
問題が発生するタイミング
大体以下の3ケース
常に発生する
特定の条件で発生する
たまに発生する(狙って再現不可)
発生例
(左右分割式の場合)TRRSでつないだ時に発生する
起動直後は問題ないが、n分程度経過すると発生する
ケースをしていないときは問題ないが、ケースを取り付けると発生する
LEDを取り付けたら動かなくなった
補足
文章の粒度を下げて箇条書きが望ましい
「何が問題か」「何を確認したのか」を抜き出すコストが重い
見落としが生まれる
うまく問題を整理するとそれだけで解決してしまうこともある
説明に困ったら写真や動画を使う
youtubeやonedrive・dropboxなどのファイル共有機能を活用しよう
長文の説明よりも、部品の状況がわかる写真で一発で解決することがある
「一目瞭然」
相談にあたっての心構えの話
画面の向こうにも人間がいます
相談をする前
同じような問題にぶつかったことがある人が「暇なときに」「想像の範囲内で」回答をしているということを忘れない
相談者は回答者のエスパーコストを最小限にするために、エスパー範囲を絞り込む努力をする。回答者の手元には現物はない。
エスパー範囲を絞り込めば絞り込むほど求めていた回答がくる確率があがるし、回答速度も上がる
可能な限り説明は文章と合わせて写真や動画あげて
写真ならdropboxとかonedriveの共有リンクでURL貼れるはず
動画だったらyoutubeにあげて限定公開でリンク共有
「うーん一通り試したけど動かない...なんだろう...」が一枚の写真から「あっここ繋がってますね。はんだとってみてください」「動きました!」と一瞬で解決したケースあり
解決しなかった場合
問題が特定できたならそれはそれで一つ解決
問題が特定できなかったとしても誰も悪くない(根本的な基板や部品の不良じゃなければ)
基本的には自分の責任で自分でやって失敗の悲しみも成功の喜びも一人で受け取るべき
解決した場合
長いお礼文よりも簡潔なお礼と「真の問題はどこで何をすることで解決できたか」のフィードバックが喜ばれる
基板設計時の配慮が不十分で発生した問題だったのか
組み立て説明に紛らわしい箇所や間違いがあって発生した問題だったのか
前提知識が不足していた(知っていたら間違えなかった)問題だったのか
適切な道具があったら発生しない問題だったのか
同じようなことで失敗してそうな相談を見かけたら速やかに声をかけてあげて欲しい
勇気出して相談したのに返答がないと不安になる
網羅していないとしても「こういう場合はこうできた。それ以外はわからない」と責任範囲を絞れば知っている範囲での回答ができる
以下よくある質問系
OSのキーボードの認識のしかた
日本語か英語か
記号の解釈が異なる(タイプライターペアリングとロジカルペアリング)
入力を受け付けないキーが存在する(半角全角、無変換、変換、カタカナひらがな、ろなど)
QMKのキーコード定義は英語寄りなので、日本語キーボードとして認識されている場合は定義したキーコードと異なる記号が出力されるキーがある
アルファベットは打てるのに「記号がおかしい!」と思ったらまず最初に確認する
キーボードがOSから認識されているか
デバイスマネージャーを開いてどう認識されているかを確認する
1. キーボードとして認識されている
2. キーボード以外として認識されている
1. 不明なデバイス
2. Arduino Leonardoなどマイコンとして認識されている
ファームウェアの書き込みに失敗していることを疑う
3. PCに認識されていない
点灯していない場合、ケーブル不良か、部品の向きや位置の間違い・はんだブリッジなどにより基板上で電源がショートしている可能性が高い
Pro Microが壊れている場合もある
充電専用のUSBケーブルの場合や断線のケースがある
マグネット式の場合は向きがあるケースがある
3. 分離式の場合、それぞれに直接USBケーブル刺した場合に認識されるか
どちらも単独であれば認識されるなら、TRRS周りの異常の疑い
分割キーボードの場合
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一部のキーが入力できない
行/列単位で入力できない場合
配置が選択できる変則フットプリントでショートがあったケースあり
行や列の一部キーだけが入力できない場合
キースイッチ自体か、スイッチから繋がっているダイオードのはんだ付け不良が疑われる
LED 場合分け
バックライト
スイッチと一緒にはんだ付けする砲丸型LED
裏側から基板の穴に無理やりはんだ付けするマイコン内蔵RGBLED SK6812mini
アンダーグロー
テープLEDを引き出して貼り付けるタイプ
バックライトに使うのと同じSK6812miniを使うタイプ
大体トラブルになるのはSK6812miniを直接はんだ付けする場合である
SK6812miniのトラブル
テスター/デジタルマルチメーターがないと何もできないので必ず調達しておくこと
そもそも1つも光らない
rules.mk で RGBLIGHT_ENABLE = yes になっているか確認する
途中から光らない
前提知識:バックライトLEDは数珠繋ぎ連結されていて、リレーのようにLEDからLEDへ光る情報を送っている。そのため、途中のLEDが壊れていると光らないLED/光り続けてしまうLEDが発生する
光らないLEDだけ壊れているケース
光らないLEDの手前のLEDが壊れているケース
以下、VCCとGNDは接続されている前提
最初の光らないLEDのDINに、その前の光るLEDのDOUTを繋げたときに光る場合は最初の光らないLEDのはんだ付け不良
最初の光らないLEDのDINに、光るLEDのうち一番最後のLEDのDOUTを繋げたときに光らないが、2番目に光らないLEDのDINと光るLEDのうち一番最後のLEDのDOUTを繋げたときに光ったら、最初の光らないLEDが壊れているので要交換
行ごとにLEDの向きが異なっているケースがある
ex.Helix
向きを間違えた場合、電源とGNDが短絡してそもそもキーボードとして機能しなくなる
途中のひとつだけ光らない(後に連続するLEDは光る)
LEDは数珠繋ぎに接続されているため、出力の状況によっては問題の箇所が光らないLEDに限らない。例えば光らないLEDに問題はなくても、その直前のLEDの出力に問題があるとうまく光らないことがある。
このときの確認方法としては、まず光らないLEDのはんだを確認し、他LEDとの導通を確認する。それらに問題がない場合、ジャンパで光らないLEDを飛ばして接続してみて光れば光らないLEDに問題があり、それでも光らない場合は直前のLEDが問題の可能性がある。
... -> LED1(光る) -> LED2(光る) -> LED3(光らない) -> LED4(光る) -> ...
上記のような状態のとき、次の順番でチェックする。
LED3のはんだ付けに問題がないかチェック
LED3のVCC, GNDが他のLEDの同じ端子と導通があるかチェック
LED3のDINとLED2のDOUTと導通があるかチェック
ここまでに問題がない場合、LED2のDOUTに問題があるか、LED3に問題がある。LED1のDOUTをLED3のDINに繋ぎ、LED3が光る場合、LED2に問題がある。
光らない場合、LED2の出力が中途半端に送られている可能性がある。LED2のはんだを全部吸い取って導通をなくしてから、LED1のDOUTをLED3のDINにジャンパしてみて、LED3が光ればLED2に問題があり、光らなければLED3に問題がある。
この時、LED3が光らずにLED4が光ることがあり、その場合はLED3の出力だけ中途半端にされている状態になっていると考えられる。
問題のあったLEDを取り替える。