限りなき夏
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概要
現代の英国を代表するSF作家、プリーストの代表作のひとつ。時間SFの名作。
主人公は、ある夏の日、意中の娘とはじめてデートをしている最中に何者かに”凍結”させられてしまいます。”凍結”させられた人は、誰からも感じられず、身動きも思考も固まったまま、すなわち空間的に固定されたまま、ただ時間が過ぎていくだけの状態になっているのです。
気づけば主人公は30年も後の時代にいて、一緒に”凍結”させられた娘は凍ったままで、自分しか娘を感じることはできないのでした......。
おすすめポイント
届きそうで届かない、遠いあの夏。
主人公は物語の中でたびたび凍ったままの娘に会いに行くのですが、姿は感じられても、体は互いにすり抜けるばかり。空間的には同じところにいるはずなのに、同じ時間を共有することができません。自分は日に日に年を取っていくのに、あの娘はあの遠い夏に凍ったまま......。無力感とノスタルジア、そして夏の暑さ。決して色褪せない作品です。
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