折りたたみ北京
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郝景芳作/ケン・リュウ中英訳・大谷真弓英日訳(『折りたたみ北京』収録版)、及川茜訳(『郝景芳短篇集』収録版、「北京 折りたたみの都市」)
ハヤカワ文庫SF・短篇集『折りたたみ北京 現代中国SFアンソロジー』収録
https://www.hayakawa-online.co.jp/shop/g/g0000012253/
白水社 EX LIBLIS『郝景芳短篇集』収録
https://www.hakusuisha.co.jp/book/b437640.html
概要
ヒューゴー賞受賞作。
題名通り、ルービックキューブ状に折りたたまれる三層構造の超過密都市北京を舞台とした作品。
おすすめポイント
印象と内容のギャップの激しい社会派SF。
題名と設定から香り立つ馬鹿SF感に反して、本作の内容は非常に真面目な社会批判の要素を含んでいます。
三層に分かれた北京では、社会階級に応じて住む階層もまた異なります。さらに言えば、住む場所が異なるだけでなく、”折りたたみ”に伴う各階層の交代に応じて、住む時間すらも異なるのです。三層の北京のある一層が展開されている間、ほかの二層の住民は強制的に睡眠して格納されているのです。
現代中国の抱える社会問題を、著者の専門分野である経済学の学識も交えながらマクロに分析し、きちんと虚構に落とし込んでいるのが非常に面白い作品です。
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