万物理論
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概要
ハードSFの名作。初期イーガンの集大成となる大作。
おすすめポイント
アイデア盛りだくさん、哲学と理学の融合、これぞSF!
メインとなるアイデアは”万物理論”なのですが、それを彩るアイデアの数々が、ざっと数えても7,8作は長篇を書けそうなほど。それだけ多くのアイデアを、イーガンは舞台設定のためだけに使ってしまうのです。(なんて贅沢!)
初期イーガンの特徴である、理学的視点と哲学的視点が結びつく様を、じっくり、とことん楽しめる作品です。
第1部で披露されるアイデアの数々はほぼ完全に舞台設定のためだけの衒学的なものなので、最悪飛ばしてしまっても大丈夫です。また、途中で出てくる宇宙論や数学に関する議論、特に明らかに難解すぎる議論は完全にブラフなので飛ばしても何ら問題ありません。(測度論やアインシュタイン計量のところなど、実は非常にふわっとしたことしか言っていません)理解しなければならない部分は、きちんとイーガンが分かりやすく説明してくれますのでそこだけおさえて下さいね。
最後の最後まできちんと読み切れば、期待を大きく上回るものすごく面白い展開が待っていると約束します。
私の大好きな作品です。
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