評価経済ではないもの
「信用」は買ったり、稼いだりするものではない。
経済を「お金を出して何かを買う活動」という狭い意味でしか捉えられないなら、「評価経済」という言葉を、信用をお金で買う活動だと認識してしまうかもしれないが、モースの『贈与論』が示すように、貨幣経済以外にも交換経済といったものがあり、その延長線上に「評価経済」が位置づけられる。 つまり、ある共同体や社会における「評価・信用」が、市場における貨幣と同じように機能することが評価経済であって、評価をお金で買っているならば、それは単なる貨幣経済である。しかも、買ったものが他の市場に流通させられないという意味で、ひどく不自由な交換をしていることになる。