無線中継塔の不思議「筑波山はエッフェル塔」プロジェクト
昨日(2024/7/3)朝、500交信に到達した #狭山の朝練 常連の水戸市 JO1局、日々のCondx変化があるもののほぼ毎朝交信できる。狭山市から水戸市を繋ぐ直線上の筑波山が見通しを遮るにもかかわらず、交信の障害となるはずの山岳が、逆に交信を可能にする「山岳回折伝搬」。筑波山はエッフェル塔だ。 https://scrapbox.io/files/668689c41f0604001c6cad1e.jpeg
私のアンテナ(GP・12mH)で、「山岳回折伝搬」を実感できる山岳が筑波山(標高877m)だ。「狭山市↔筑波山↔水戸市」この山岳回折伝搬には、解明できない謎がある。筑波山を超えてくる信号、なぜか「1本の線」上にしか到達しないのか。単なる山岳回折伝搬ではないのではないか。
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山岳回折伝搬というなら、山頂の形状に合わせ幅広く信号が到達するのなら理解できる。しかし水戸市からの信号は、まるで航空路のように「1本の線」上にしか到達しない。そこで、筑波山女体山への登山道(標高 850m)脇にある「無線中継所の反射ではないか」と仮説を立てた。
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言っておくが山岳回折伝搬を知らない訳ではない。2年半にわたる、狭山市と水戸市との筑波山越しの交信で「単なる山岳回折伝搬ではないのでは」という疑問を持った。この2地点を結ぶ「謎の433M回線」は、筑波山女体山への登山道の無線中継塔が「中継」しているようにしか思えないのだ。
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単なる山岳回折伝搬というより、筑波山女体山への登山道(標高 850m)脇にある「無線中継所の反射ではないか」と仮説を立てた。狭山市から筑波山までは75km、「ただの山岳回折伝搬だよ」「無線中継塔なんて針にも満たないものだよ」と、切り捨てずにこの仮説を検証してみたい。
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女体山山頂への尾根筋の登山道の標高 840m付近で、「狭山市⇆水戸市」のバスと交差する。この電波塔、これが回折するのだろうか・・・
男体山から女体山の間に立ち並ぶ電波塔が見える。狭山市からもこのように見えるだろう。左側に男体山(871m)、右側に女体山(877m)。
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「無線中継所の反射である」と推察する理由
「1本の線」のようにしか到達しない、不自然な入感エリア
狭山市の手前の白岡市太田新井(森田自動車付近)でもこの直線上で入感したが、筑波山からは45kmの位置、回折効果を得るためには近すぎる。
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狭山市から先の入間市でも、この直線上にしか入感しなかった。
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「無線中継所の反射ではない」に対しての推察・・・
「山岳回折(男体山と女体山の間)ではないのか」に対して・・・
水戸市 JO1局から筑波山山頂までは32kmしかなく、回折効果を受けるには近すぎる。
仮に回折だとすると、狭山市の周辺局とも交信できるはずだ。
当局(JN1GGZ)から東4kmの所沢各局が入感しない。
「山岳反射(男体山・女体山の側面)ではないのか」に対して・・・
仮に反射だとすると、狭山市の周辺局とも交信できるはずだ。
「堂平山(埼玉県ときがわ町)などの山岳反射ではないのか」に対して・・・ 水戸市 JO1局はときがわ町の堂平山移動局とは、やっと交信できる位でしか入感しないとのこと。 仮に堂平山他、秩父の山々の反射だとすると、「1本の線」上にしか到達しなことを説明できない。
狭山市より西の、日高市・毛呂山町・越生町とは未交信とのこと。
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「そんなことはない。中継塔は小さすぎる」と誰からも言われるが、この直線の延長上の水戸市各所に、430Mハンディ機で交信できるポイントがあるのはなぜなのか。とはいえ、それほど確信を持っている訳でもなく、「1本の航空路」のような入感状況から推察した。この仮説の検証を「遊び」としたいのだ。
水戸市との初めての交信は2021年12月だった。信号は弱いながらも明瞭度は高い。「水戸市移動」とのこと。狭山市から水戸市は100kmを超える。それも筑波山の向こう側だ。車での50w送信かと尋ねたところ「大塚池公園の周遊道路を散歩していたら聞こえたので応答した。ハンディ機5wにロッドアンテナ」と。
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回折現象を英語では「ナイフエッジエフェクト(Knife-edge effect)」と表現する。山岳回折伝搬は、山頂などの尖ったところにぶつかった電波は、ぶつかった地点が新たな「発信源」となり、山の影となる部分にも回り込む。いわば、もうひとりの小さな私が、山頂に移動運用しているようなものだという。
筑波山による山岳回折伝搬、私の場所から水戸市大塚池は、女体山山頂のやや西、標高850m地点を通過する。ほとんど山頂を通過すると知った時、この奇跡のような偶然に感謝した。狭山市内でも私の場所から離れると、通過地点の標高が下がってしまう。7L2AXYに尋ねると「非常に弱く交信困難」と。
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「狭山と水戸は相性がいいですね。筑波山の山岳回折ですね」2021年12月から始まった水戸市局との筑波山超えの交信は丸2年を経過し継続中だ。日々の伝搬状況は変化する。季節や天候、山頂付近の状況も影響する。時折、私以外の埼玉県の局も聞こえることがあるという。この黄色のライン上にいる時には。
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2022年10月、水戸市大塚池脇の20ele八木スタック局と交信した際、「不思議だ。埼玉の局は筑波山の影となり、アンテナは日光男体山に向ける。だがGGZさんはダイレクトが一番強い」と。「狭山と水戸は相性がいいですね。筑波山の山岳回折ですね」で終わらせていた筑波山山岳回折に、疑問を持ち始めた。
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狭山市から水戸市へ向かう電波が通過する地点は、コマ展望台から女体山山頂へと向かう登山道の脇にある、標高850m地点にある無線中継塔だ。水戸市側ではもう1局が加わり、狭山市から水戸市への伝搬状況を探索し始めると、この中継塔と一直線上に重なる時、ハンディ機でも交信ができることがわかった。
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標高850mの環境を耐え抜く頑丈な無線中継塔、75km離れた狭山市からでは針よりも細い。伝搬に影響を与えるはずがないことくらい私は知っている。けれども2年以上、水戸市各局との300以上の交信から感じた、言葉で説明できない体感的な感触がある。回折というより何かの反射、それも金属面による反射を。
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7L2AXY_所沢市とJN1GGZ_狭山市とは、南北に7.5km離れている。我々2局の水戸市での最良点を水戸市各局が探索し発見してくれた。水戸ICを挟み東西に3km離れた地点だ。それぞれの地点からの筑波山通過点は、標高850mのこの無線中継塔。この無線中継塔と一直線上に重なる時、ハンディ機でも交信ができる。
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筑波山の無線中継塔は「430Mも中継」するか・・・この仮説を証明したいのではない。仮説の検証を「遊び」としたい。「そんなはずはない。ただの山岳回折」とたくさんの意見をもらったが、自ら検証してくれた人はいなかった。言葉だけでなく体を動かして実験してくれる方、これを「遊び」にしませんか。
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電波は、直進するのに困難な山などの障害物があるなら、その先に進むことはできないはずなのに、到底進むことを断念してしまう障害物があるからこそ、その先へと到達可能になるという。「それが山岳回折伝搬」と説明するのでなく、その現象が指し示すことを生き方、人生に対する態度に応用したい。
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交信の障害となるはずの山岳なのに、逆に山岳があることにより交信を可能にするという。筑波山はエッフェル塔だ。多くの無線家がその塔を目指す。筑波山(Mt.Tsukuba)の挑戦的な示唆に、私も応答したい。 https://scrapbox.io/files/652b0bcb0824cc001cfeadbe.jpeg
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電波と通信の研究雑記帳(池上文夫)
電波と通信の研究雑記帳(池上文夫)、2ページ目の「思い出深い出来事」をぜひお読みください!
「超短波(60MHz)での関東平野の地形影響の実験の際、奇妙な現象に遭遇した。山の背後では当然電界が低いと予想したが・・・
・・・驚いたことに筑波山・加波山の背後では山のない所より電界が20dBも高く安定している」 この実験は1948年。75年前に先駆者たちも我々と同じ疑問を持ち、研究を深め解明していったの知り感動しました。
実験所「大井」とあるのは、現 ふじみ野市です。なぜか筑波山へは狭山市方向(236°)から、恩恵をもっとも受けられます。信号は山頂で拡散するのではなく、航空路のように一定の幅を保ち、75km離れた狭山市に到達するのです。
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