『ニクラス・ルーマンの索引カード箱とコンピューター』
ルーマンのやり方
索引ボックス
カードの種類
メモ用紙
文献目録
キーワードのリスト
その他
II ルーマンの索引カード箱
ルーマンは膨大な索引カードの所有者として有 名であり,総数は 9 万枚にも及ぶ. 6 つの索引カ ード箱があり,それぞれに 4 つの引き出しがつい ている.大きく 2 つに分けられ,1951年から1962 年の間につくられた ZK 1 と1963年から1996年につ くられた ZK 2 とに分けられる.後期のものは,21 の引き出しから成り,1~11の整理番号をつけられ ている.後期のカードの総数は 6 万6000枚にも上 る.見出しは 1 万6000,キーワードのリストは約 300ある(Schmidt 2013: 85).
1951年から1962 年の間につくられた ZK1
1963年から1996年につくられた ZK2
カードの種類は,メモ用紙,文献目録,キーワードのリスト,その他の 4 つに分けられる.カードの大半はメモであり,本の情報や引用などが自由に書き込まれている.ZK 1 には文献がおよそ2000タイトル書き込まれており,ZK 2 には 1 万5000タイトルある.文献が書かれているカードの裏にはたいていそれらにまつわるメモが書かれている(Schmidt 2013/2014: 169-171)
メモ用紙
文献目録
キーワードのリスト
その他
III コミュニケーションパートナーとしての索引カード箱
IV ルーマンの索引カード箱とコンピューター
1 .索引カード箱論に見られるコンピューター システム
2. 線形性
3. デジタル性
Was bedeutet ‚digital‘ ? ‚Digital‘ ist prozessual zu begreifen, somit als ‚Digitalisierung‘ zu verstehen: Ein Kontinuum wird in disjunkte Einzelelemente zerlegt, die dann nach arbiträr gesetzten Regeln kombinierbar und rekombinierbar sind. Schriften-insbesondere alphanumerische Schriften-bilden Prototypen des Digitalen.(Krämer 2018: 9)
「デジタル」とはなにか?「デジタル」はプロセ スとして把握されるべきであり,したがって「デ ジタル化」として理解されなければならない. ある連続するものが分離した個々の要素に解体 されるが,それらの要素は任意に定められた規 則にしたがって組み合わせ可能であり,もう一 度分解して組み合わせることも可能である.書 かれた文字,とりわけアルファベット文字・数 字が,デジタルなもののプロトタイプを形成す る.(山﨑訳) ref: P157
ルーマンのサイバネティクス的なシステムには, チリの生物学者であるウンベルト・マトゥラーナ(1928-2021)とフランシスコ・ヴァレラ(1946- 2001)が生み出したオートポイエーシス概念の影 響が見られる.オートポイエーシスとは,有機体が自分自身を作り上げるプロセスであり,自らを 再生産し続けることによって,有機体のなかで自 律的なネットワークが生まれる(Luhmann 1997: 65).そのプロセスは外部から独立しており,独自 のシステムを作り上げる.ルーマンはこれを踏ま え,自己を再生産し続けるフィードバックシステ ムを持つ社会システムという考えを生み出した. ルーマンは,同様に自律したシステムとして,索 引カード箱の参照システムを捉えていたと考えら れる.カード箱のなかでカード同士が互いに自動 的に結びつき合い,独立した世界が生まれるので ある. オートポイエーシス
第二の自己という言葉が出てくる
セカンドブレインの話に関係しそう
The Issue of the Constitution in Luhmann’s Card Index System: Reading the Traces.
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