膵癌取扱い規約(第8版)第7版からの変更点(病理)
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nananana.icon それほど変更はない
腹腔細胞診
腹腔細胞診陽性CY1を遠隔転移ありM1扱いにした
CYX:腹腔細胞診をおこなっていない
CY1ならばM1であり、癌遺残度はR1である
異型細胞で癌細胞と判別できない場合はCY0にとどめる
膵周囲リンパ節転移
癌のリンパ節への直接浸潤はUICCの指針によりリンパ節転移としてカウントする
非直接浸潤リンパ節と直接浸潤リンパ節の個数を併記することが推奨される
! 日本規約第8版では領域リンパ節は膵頭部(膵鉤部含む)・膵体部・膵尾部に分類する
! 両領域に主病変が広がる場合は、主な領域を採用する
! 第8版では、胆道癌同様に12a/p/bの亜分類(上下)が採用された
膵周囲リンパ節転移
pNX:
pN0:
pN1a:
pN1b:
pM1(LYM):
膵臓領域リンパ節
14番リンパ節の扱いが不明瞭化した(今後の検討課題)
! 領域リンパ節14が14tと14opに再分類され、14opは常に領域リンパ節ではなくなった(が、M1ともしない)
! 14番リンパ節の十二指腸水平部下縁より遠位のリンパ節は領域リンパ節外のため、M1扱いとする
! pMXの場合は画像診断でM0とM1を決定する
これにより病期分類が常に可能になる
M0であればP0、H0は記載しなくて良い(自明なので)
CAP分類2021/ICCR分類2020
CAPがスコア表記になった(2021)
Score 0 Complete response 生存細胞無し
Score 1 near complete response 個細胞、まれに数個の癌細胞集団あり
Score 2 partial response 癌が明らかに減少
Score 3 poor or no response 多くの癌細胞が残存
教育講演1 膵細胞診の現状と展望について nananana.icon 規約採用前講演
平林 健一 (富山大学学術研究部医学系病理診断学講座)
CY1
! AJCC 8thやNCCNではCY1はM1であるが、日本規約ではM0扱いとなる
! CY1では2010年以降の論文では予後がわるいことが多い
! 日本規約第8版からはCY=M1となる予定 → なった
! 検体取扱い方法の標準化をめざす
胃癌:疑陽性はCY0
大腸癌:Ⅰ陰性、Ⅲ疑陽性、Ⅴ陽性→Ⅴ陽性のみCY1
肺癌(胸水):E(-)陰性、E(+/-)疑陽性、E(+)陽性→E(+)をpM1aとする
(参考)
* 病理と臨床 2023Vol.41 No.9 速報解説! 「膵癌取扱い規約第8版」改訂ポイント
* 膵臓36;220~225,2021 膵腫瘍の病理学的分類と診断基準
* 膵癌取扱い規約第8版
* 日消誌 114 巻 (2017) 4 号 膵癌取扱い規約改訂第7版―大幅改訂のコンセプトと新規項目の解説― 伊佐地 秀司
* 膵癌取扱い規約, 第7版「増補版」, 日本膵臓学会編, 金原出版, 東京, 2020
* 膵癌取扱い規約, 第7版, 日本膵臓学会編, 金原出版, 東京, 2016
* 膵癌取扱い規約, 第6版, 日本膵臓学会編, 金原出版, 東京, 2009
* UICC: TNM Classification of Malignant Tumours, 8th ed, Brierley JD, Gospodarowicz MK, Wittekind C eds, Wiley Blackwell, 2017
* UICC: TNM Classification of Malignant Tumours, 7th ed, Sobin LH, Gospodarowicz MK, Wittekind C eds, Wiley Blackwell, 2009
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