治療効果の組織学的判定基準
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! 原発性肝癌、胆道癌、甲状腺癌、腎癌、副腎癌、子宮体癌、子宮頸癌、悪性軟部腫瘍の規約には存在しない
! 生存しうるviableな癌細胞を数えるか、壊死変性した癌細胞を数えるかで判定方法が2分される。
! 大体が以下の1/3、2/3をカットオフとするGrade判定を行うが、胃癌ではGrade2を細分類、肺癌や膵癌、原発性骨腫瘍ではカットオフが10%刻みである。卵巣癌ではスコア分類が存在する。
! 肺癌は1/3刻みのカットオフ判定に加えて、0~100まで10刻みのスケール判定も併記する。
! 乳癌では浸潤癌のみで判定し、乳管内成分は判定に影響しない。また、軽度・高度の変化で評価を分ける。
! 腎盂・尿管・膀胱癌では、残存するviableな腫瘍細胞の有無のみで判定する。
! 前立腺癌では、判定不能Grade Xが定義されており、50%を大きなカットオフとしてGrade 0-3と細分類で判定する。
! Grade0-3の4段階とGrade1-4の4段階の2パターンが存在する
! 以上と未満の使い方が微妙に異なり、10%以下、10%未満、50%以下、50%未満がいずれもカットオフ値として存在する。
nananana.icon 治療効果判定は以下のどれかで表現される
X・viableな腫瘍細胞100%(無効)/100%(変性あり)/90/80/70/60/50/40/30/20/10/10%未満(少数)/non-viableな癌細胞群のみ/痕跡のみ/癌細胞無し
一般的な癌取扱い規約治療効果判定
Grade 0:無効
Grade 1:やや有効
Grade 1a:2/3以上が生存しうる
Grade 1b:2/3未満1/3以上が生存しうる
Grade 2:かなり有効 1/3未満が生存しうる
! 胃癌では2を細分類する
Grade 2a:1/3未満1/10以上
Grade 2b:1/10未満で完全に消失していない場合
Grade 3:著効 ほぼすべてが崩壊~痕跡のみ+すべてが崩壊
前立腺癌の内分泌および化学療法の治療効果の病理組織学的判定基準
Grade X:判定不可能
Grade 0:病巣全体に残存
Grade 0a:変性無し
Grade 0a:変性あり
Grade 1:non-viableな癌細胞が全癌巣面積の1/2未満
Grade 2:non-viableな癌細胞が全癌巣面積の1/2以上
Grade 3:non-viableな癌細胞群のみ
Grade 3a:non-viableな癌細胞群のみ
Grade 3b:癌細胞無し
乳房内病変の治療効果判定
! 乳癌では浸潤癌のみで判定し、乳管内成分は判定に影響しない。また、軽度・高度の変化で評価を分ける。
! 乳管内成分は残存の有無を記載するにとどめるため、DCIS残存でもGrade 3がありうる。
Grade 0:無効
Grade 1:やや有効
Grade 1a:
浸潤癌組織に軽度の変化のみ
1/3未満の浸潤癌組織に高度の変化あり (=2/3以上が生存しうる)
Grade 1b:
1/3以上2/3未満の浸潤癌組織に高度の変化が認められる (=2/3未満1/3以上が生存しうる)
Grade 2:かなり有効
Grade 2a:
2/3以上の浸潤癌組織に高度の変化が認められる (=1/3未満1/10以上)
Grade 2b:
完全奏効に非常に近いがごく少量が残存 (=1/10未満で完全に消失していない場合)
Grade 3:著効 すべてが崩壊~痕跡のみ
原発性肺腫瘍の治療効果の組織学的判定基準
nananana.icon 10%刻みで判定する
Ef.0:無効 100%(残存:癌細胞はすべて生存しうる)
Ef.1a:2/3以上が生存 90・80・70%
Ef.1b:1/3以上・2/3未満が生存 60・50・40%
Ef.2:1/3未満が生存 30・20・10%
Ef.3:著効 0%(癌細胞残存無し)
nananana.icon 記載例 Ef.2 (30%) ← 規約診断時は一般的に項目を" , "でつなぐため、割合併記時は()で囲む
効果判定例
https://gyazo.com/7f5a18aec09f43b332acf7b73d30fd99
nananana.icon 比率は癌組織に対する生存し得る癌細胞の量的表現とするが、面積比で判定する。
生存しうる癌細胞:核が明瞭で、濃縮や崩壊のないもの・細胞質が保たれているもの
癌組織:生存しうる癌細胞+生存し得ない癌細胞+壊死巣、炎症細胞浸潤巣、線維化巣など
膵癌治療効果判定
nananana.icon 日本規約分類、Evans分類、CAP分類の3パターンがあり、CAP分類では数の大小が逆になる。すべてGradeであらわす。
Grade 1a (Evans Grade Ⅰ, CAP Grade 3):90%以上
Grade 1b (Evans Grade Ⅱa, CAP Grade 3):90%未満50%以上
Grade 2 (Evans Grade Ⅱb, CAP Grade 2):50%未満10%以上
Grade 3 (Evans Grade Ⅲ, CAP Grade 1):10%未満
Grade 4 (Evans Grade Ⅳ, CAP Grade 0):生存しうる癌細胞なし
原発性骨腫瘍の組織学的治療効果判定(日本規約第3版)最大割面で評価すること
Grade 1:viable tumor cellが50%を超える。
Grade 2:10%を超え50%以下
Grade 3:10%以下
Grade 4:全く認めない
卵巣癌組織学的治療効果判定(化学療法反応性スコア)
スコア1:治療効果なしあるいはごく軽度の治療効果
viableな腫瘍細胞の集塊が残存し、線維炎症性変化は少数の病巣でわずかに認めるのみ (=90%以上)
スコア2:部分的な治療効果 (=90%未満10%以上)
病巣は広範に退縮している
スコア3:完全あるいはほぼ感染な治療効果
大部分が退縮し、腫瘍細胞は孤在性~小集塊(2mm未満)をみるのみ。もしくは残存無し。(=10%以下、生存しうる癌細胞なし)
腎盂・尿管・膀胱癌組織学的治療効果
残存するviableな腫瘍細胞の有無のみで判定する。
残存するviableな腫瘍細胞あり
残存するviableな腫瘍細胞なし
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