食道癌取扱い規約(第12版)第11版からの変更点(病理)
129頁から140頁になった+3800円から4000円になった
第11版では無かった(省略された?)第2部の目次が追加された
第11版のp.56~111については目次が無かった
第2部8の担当者のこだわりを■に感じる
略語表のLaserの位置(並び順)が修正された
https://gyazo.com/b893c8840894d1c1f97f5badd6caacb6
略語表に以下が追加された
A
BA
br
EI
GI
HH
IO
Jz
LR
Ly
Ly/V
NBI
P
RR
SIN
V
第1部
続発性は他臓器よりの転移、放射線治療などの二次性発癌は原発性として扱うと規定された
手術所見sTNMが消滅した → fに含める(c、p、f:fは省略可)
内視鏡治療所見eが消滅した → fに含める
チェックリスト
癌根治度Rにpがつかなくなった
病理学的根治度評価Cur A~Cがなくなった?
外科切除例チェックリストにその他記入する項目として以下の記載が追加された
他臓器からの転移ならびに癌浸潤
癌以外の併存腫瘍:平滑筋腫など
その他:Barrett食道、アカラシアなどの背景病変
内視鏡切除例チェックリストから肉眼的評価が削除された
脈管侵襲評価が+/-から0/1に変更された
脈管侵襲が大文字に、Rからpがとれた、病理学的根治度Curがきえた
原発巣の評価
占居部位の定義の変更
胸部下部食道:
食道胃接合部領域:
下肺静脈目安にMtとLtを境界する方法が追記された
壁深達度
壁深達度について注釈が大幅に追記され、一部修正された(10頁)
食道腺癌pT1b-SM1/SM2の境界は500μmと明記された
脈管侵襲(16頁)
nananana.icon 領域横断的がん取扱い規約との整合性を図るようにした
脈管侵襲をLyとVの大文字表記に合わせて変更し1a~1c分類を採用した。
内視鏡治療の場合は0/1で記載する
LVIは使用せず、使用する場合はLy/Vを脈管侵襲として使用する
免疫組織学染色の記載が消えた
染色を追加した場合はv1(EVG)などと記載する旨が消えた
遠隔臓器のがん性リンパ管症をM1とする記載が消えた
外科的肉眼所見記載
リンパ節転移の記載:N分類
N分類を転移個数による分類とし、TNM分類と整合性をとることとした
領域リンパ節を修正した
術前治療が標準となった時代に合わせた新たなステージング分類を策定した
食道胃接合部癌の定義と記載をおこなった
Aeをなくし、Jz(食道胃接合部領域)を規定した
領域リンパ節を策定した
胸部食道癌全体に対する領域リンパ節を設定した
pN0・1~4が0・1~3の4段階分類となった
鎖骨上リンパ節は遠隔リンパ節とし、M1aとして区別する(他の遠隔転移はM1b)
106pre、106tbR、112aoPは遠隔転移M1bとする
胃壁内転移は遠隔臓器転移(20頁)
Squamous intraepithelial neoplasiaを再評価した
説明文が変更された
食道胃接合部癌の評価項目が整備された
腫瘍部位の他に以下が設定された
腫瘍食道浸潤EI
腫瘍胃浸潤GI
Barrett食道の有無BE
食道裂孔ヘルニアの有無HH
記載例:Jz(SCC)、T2N2M0、EG-1cm、EI:3cm、GI:1cm、BE(+)、HH(-)
Barrett粘膜の定義から連続性の記載が消えた
LSBEの定義から全周性が消えて一部でよくなった
nananana.icon 食道癌日本規約ではリンパ節名称の右をRと定義しているが、同規約内で癌遺残度Rを定義しており、やや紛らわしい。R1は顕微鏡的癌胃残腫瘍ありのため、病理診断上に併記される。実際には101R、R0などと使われるため問題無い。
nananana.icon 病理所見の記載順が定義されている
長径はこの部分での記載のみcm表記(臨床所見表記の例も同様)となっている。他では、長径および短径をmmで評価すべきとされている。
nananana.icon 前治療の診断への反映は食道癌日本規約ではそれぞれを記号の前に付けることになっている。
yTNMなどのyはもちいない
化学療法はCT-など、CRT-、RT-、Laser-を付記する。
どこに付けるかは明記されておらず、一応yの詳細表記としてStageにつけるとおもわれるが、
前述の病理所見記載順では治療効果判定のGradeに付記されている
pT2はGrade表記よりも前に記載されるが、そこには付記されていない
第11版ではCRT-sT3の表記が存在したが消滅した
組織分類に
類基底細胞扁平上皮癌
疣状扁平上皮癌
神経内分泌細胞腫瘍 G3が追加された(39頁)
平滑筋腫と平滑筋肉腫
内視鏡治療例のがん胃残度について判定基準が変更された
(参考)
食道癌取扱い規約第11版 金原出版社
食道癌取扱い規約第12版 金原出版社
病理と臨床 2022 Vol.40 No.12 速報解説!「食道癌取扱い規約 第12版」改訂ポイント
https://pathology.or.jp/images/kiyaku_digest.gif
https://gyazo.com/7892c236eab082387b4c0a0dc3af01ab
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