913-小説・物語
913.6 近代:明治以後
短篇集。人生全部レコメンドされる「この商品を買っている人が買っている商品を買っている人は」、個人の人生ヲチスレのログ「亀ヶ谷典久の動向を見守るスレpart2836」あたりが好き。 GIF動画の人物に自我が発生する「GIF FILE」はSCPでありそう。読んだ人みんなそう思ってそう。 癖の強いエロ漫画をノベライズした風。パワーワードが飛び出すし強烈な登場人物が出てくる。 oct24.icon吸血鬼にはそれぞれ止まった心臓を動かせる運命の相手がいて、ヴェルギルの場合それがクヴァルドだということと、ヴェルギルの過去(人間だった頃)に迫る物語の展開が噛み合っててよかった。
序盤のヴェルギルは吸血鬼らしい耽美な外見で想像してたが、話が進むほど血の通った人間の面が見えてくる。
oct24.icon陰のあるきれいな攻めと主人公気質でガタイいい受けはあんまり通ってないんですが、おいしくいただきました。
oct24.iconヴェルギル受けが読めたので満足しました。
oct24.icon文章がすっきりして読みやすくなった気がする?
oct24.icon断片的に知ってはいたがちゃんと読んでなかったので読んだ。こんな話だったのか。
連続殺人だし一日ひとりくらいのペースで死んでくんだろうと思ってたら全然そんなことはなく、何か月も膠着状態が続いたりして、結構のんびりしていた。
oct24.icon文章が合わなくて読むのにものすごく時間がかかった……。
難しいとか意味の取りづらい文章は少ないが、単純な言い回しが繰り返し使われるのがつらい。
oct24.iconスパイものだし軍人さんがいっぱい出るんだからバカスカ死ぬと思っていたが、そんなことはなかった。そこそこ死にはするけどそこは重要じゃないというか、結城中佐の教えが「死ぬな、殺すな」なので……。
スパイというと任務と個人の間で板挟みを想像しがちだけど、ここに出てくるスパイの皆さんはほとんどそういう葛藤をしない性質の持ち主なので気を遣わずに読めた。
スパイの皆さんは出てくるたびに名前も経歴も変わるので、覚えなくていいのが助かった。
受けの振る舞いが実年齢に対して幼すぎて心配になった。意外と自分に倫理観があると分かった。
あらすじから受けは普通の大学生かと思ってたら、スーパー受け様でおったまげた。 法学部で主席、男を惑わす容姿をもち、殺人も躊躇しない。強い。
ここまでハイスペックなら、卒業させて普通に働かせた方がヤクザ的に捗ったんじゃなかろうか。 様式美というやつもありますので、この辺あれこれいうのも野暮だと分かってはいるが……。 受けが普通に殺されかけるのが逆に新鮮。BL小説の悪いモブに受けが強姦(未遂)されないとは! 記憶喪失の原因が気になって、恋愛描写に集中できない。 受けは記憶がないときの攻めとの関係のほうを気にして、不自然に触れられないため逆に意識してしまう。
受けが意識しないだけで、最初に記憶を失った原因を明らかにするための布石は序盤から敷かれている。
九龍妖魔學園紀の章タイトルの元ネタを読んだことないので読むことにした。 もとは1980年頃書かれた話だが、2013年の作者が読み返して「楽観的すぎるのではないか」と思うようになったというのがちょっと悲しい。2022年のいち読者からすれば、2013年の著者の感想は否定できないのがまた。
スランプに陥った駆け出し映画監督が、夏の間故郷で休養する話。
本編1ページ目(数行プロローグがあって、その次)から脱字にぶつかったが、そこを乗り越えたら面白かった。
粗削りで心配になるところもあったけど、最後にきっちり盛り上げてくれたので読後感がよい。
受けの実家が突然暗黒メガコーポと化したのは、話の都合でスケールが大きくなったように感じた。
地元で威光があって兄の件では無理を通せてしまったからこそ、弟についても(実際に主人公のキャリアを潰すとかはできないまでも)強硬な姿勢になっている……くらいでよかったのでは。
兄が車で通りがかるシーンとか、春原と受けが知り合うシーンに取ってつけた感がある。
ある家族の祖母、嫁、孫娘2人の視点から、お金と家族にまつわるできごとを描く。
一家と血縁関係になく、定職に就かず家庭も持つつもりがない男性視点の話もある。
ある人からはしっかりして見える人でも、その人の主観になると他の悩みを抱えてたりする。
母がお金のやりくりに関する本だと勘違いして買った。読んだら面白かったといって勧められた。
普段なら絶対手に取らないタイプの本なので、読めてよかったとは思う。
母からは今後の人生設計の参考にしてほしい意図を感じたが、具体的な参考にはならない。
「仕事が終わった!」という書き出しのすがすがしさが好き。 あとがきによれば、作者が専業作家になって初めての連載で、サラリーマン生活との決別と作家として進む決意が発露したのかもしれない、とのこと。
事情は全然知らなかったけどグッときたってことは、作者の込めた念は意外と読者に察知されるものなのかなあ。
レンタルビデオ店に慣れてなくてあらぬ方向に向かっちゃう火村先生がかわいい。 ヘルレイザー3のパッケージを「こわそうやろう」と見せてあげるアリスもかわいい。
助手の志摩ユリエも濱地健三郎の年齢を知らないらしい。ということは、算定基礎届の提出とか年末調整とかは濱地がやっているのか? 生年月日が割れる事務を助手に一切任せないのは難易度高そう。
王子として育った主人公を嫁入りさせるギミックでしかないので、この目的には合わなかったかも。
文章は読みやすいが、起伏がない。
恋愛描写が大事なジャンルで、感情の盛り上がらない文章を読むのは辛い。
政略結婚ものにオメガバース要素を入れたらどうなるかを詰めれば筆致に合いそうだが、細かい設定はあまり気にせず話が進むので、そういう話はメインディッシュではないのだろう。
急に一段落だけ一人称視点になり、次の段落では三人称に戻ってることがある。独特な癖(?)だ。
上下巻に分かれているが、下巻は短い。一体なぜ二冊になったんだ。
全編描写に無駄がない。冒頭の客に出すには若干不自然な缶詰のフルーツにも理由があるとは。
タイムリープの理屈が危機に瀕した意識が安全を求めて過去未来にに飛ぶのは面白い。 表紙にいる女の子がまさかまともな応答をほとんどしないとは思わんかった。
シャボン玉作って遊ぶところから最後の展開はドキドキしてよかった。
が、焔と幽があそこまでバトルしたがったのかは正直よくわからん。焔はまあそういう子だけど……。
生きて地球儀に行くのがなんでそんなに悪いことになってるのかもわからん。
欺瞞的な教えが一般猫にとってどう救いになってるかが分からんかった。
死んだ猫の魂は地球儀に行くことと、生きて地球儀に行けることは両立できる気がする。
生きて地球儀に行っても別に魂に会えたりはしないよ、でいいのでは。
二次創作小説で使われていたけど、見覚えのないやり方で首を捻っていたのだった。
読点との使い分けが謎。法則性が分からない。
1994年の『寒冷前線コンダクター』では使われているが、続刊ではなりを潜めている。
第一部を締めくくる『リサイタル狂騒曲』が1995年。1年で書き方の作法がそんなに変わるだろうか。
挿絵があるが、本文中のリンクから末尾の挿絵ギャラリーに遷移する仕様になっている。 挿絵へのリンクをあらわす文字列が「>>>❤」なのは、いいんだか悪いんだか分からん。
どシリアスな場面でも突如画面にハートが飛び込んでくる。ハラハラしなくて済むのは助かる。
中華ファンタジー。
攻めから受けへの執着心が強い。セリフがモブおじさんと紙一重になる瞬間があってハラハラした。 社会的には子供扱いになるので、年齢制限をクリアしながら背徳感を出せる。 意地の悪い異母弟がいて、そちらはもちろん成人しているのもよい。
崖上からの投石も普通に殺すつもりだったんかい! いかにも現実的じゃなさそうだったのに……。
こんな不確実なやり方で殺害を依頼する方もする方だし了解する方もする方だよ。
1巻相当の内容はコミカライズで読んだ気がするしええじゃろう。
アルセーヌ・ルパンの助手的な立ち位置。オペラ座の怪人っぽさは正直そんなにないがいいコンビ。 爛れた顔の右側を仮面で覆っているが、仮面がなくても髪で隠せる。何なら髪で隠した状態でも人前に出られる。
今後も一緒に行動するのか、でもそしたらオペラ座の怪人じゃない気もするのでどうなんでしょうね。
ルパンに盗まれて協力することになったわけだし、一回途中で逃げてるし解散しちゃうのだろうか。
……ルビーのついでと言っていたけど、ついでにしてはやたら怪人の下調べしてない?
ファントムは犯行現場を見るまでルパンが盗みに来ると知らなかった雰囲気だから(知ってれば普段通り観劇しないだろう)、ファントムに予告状の類は送られていない。
盗みに入るルパンがファントムのことを調べること自体はおかしくないが、ルビーを阻む障害として見ているなら予告状の一通くらい送りそう。
最初からファントム本人を盗むつもりだったら、本人について調べるけど予告状は送らないのも、オペラ座の様子が普段通りだったのも割と納得できなくもない。
オペラ座側としては怪人盗みますって言われてもどうしようもないし……。
問題はサラッとついでっぽく言ってるルパンがなんか怖くなること。
でも最終的に合流してまあ酒でも飲もう……となっていて、なんかそのまま付き合い続けそうでもある。
20年もオペラ座に居座っており、人外排斥の過激派が粛清の対象にしているらしい。
20年も怪人がいるのに営業続けてるオペラ座、商魂逞しすぎる。
怪人も集客コンテンツになってない? 壁新聞とかに今日の怪人コーナーがありそう。
現時点でファントムはそこまで妙なことしないように見えるので余計にそう思う。
殺しが嫌いなルパンがスカウトしたってことは、殺人もほとんどしていないのでは。
ファントムのことをルパンが「恥ずかしがり屋」と評しているのがなんだか良い。
ファントムはルパンのことをわがままな王子様かなんかだと思ってるふしがあるのも面白い。
特に序盤の書きぶりがBL小説の導入か何か? と疑うほどだったので犯人の動機が暴露されるくだりで勝手に居心地を悪くしていた。 シリーズものだと知らずに読んだ。めちゃくちゃ面白かった。
「鏡の中は日曜日」がメインで「樒」と「榁」は小噺なのだが、「鏡の中は日曜日」を読み終わって、後の二つをどんな気持ちで読めばいいのか分からなくなった。おかげで中々読み進められなかった。
水城優臣と鮎井郁介の(左右は問わないのでこういう書き方になる)BL二次創作書いたら鮎井が発狂しそうでウケる。「女」を取れば完全無欠の名探偵が残るなんて甘いんだよな。我々は火のない所に煙を立てていくぞ。
NDC分類だとこれ小説扱いなのか……。確かに思っていたより物語仕立てではあった。