『博士の愛した数式』
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table:書誌情報
あらすじ.icon家政婦の「私」が、前向性健忘症で記憶が80分しかもたない「博士」のもとで働いた思い出を語る話。 なんか泣けるやつでしょ？ と斜に構えて読み出してすぐ泣いた。ちょろすぎである。 「私」の語りに時々、終わってしまった話だと分かる言い回しが混ざるからずるい。
きらきらした美しい描写でもないのに、宝物のような大事な思い出なんだなと分かる。
思いのほか数学の話、というか、数学のおもしろさと美しさの話をしていた。 博士がいたから「私」やルート君は新しい（数学の）世界を知れたわけで、博士はかなりすごいことをしている。
博士本人はそのことを覚えていられず、過去の世界に閉じ込められたままなのがせつない。
ありったけのプロ野球カードを開封するくだり、ガチャを回しまくって無になるやつだな……。 コレクターじゃない自分とは無縁だと思っていたが、まさか「分かる」日が来るとは。