吉島家住宅の消失部分復元と展示施設の設計
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日本における民家建築の最高峰とも言われる重要文化財「吉島家住宅」は、約半分が失われた状態にあり、現在は市営の駐車場となっている。そこには現存する建築とはまったく異なる空間が存在していた。
失われた部分について、現存する資料(吉島氏による配置図やスケッチ、テキストなど)を基に推定して復元図を作成し、その空間について分析を行う。不明な部分については吉島氏への聞き取りなども行う。
さらに、現在駐車場となっているエリアに、展示を中心とした施設を設計する。
現当主、吉島忠男による失われた空間の記述
棟高は本屋より約2メートル高く約10メートルの高さがあった。線で構成された小屋の立体格子、面で覆う屋根裏、白い量塊の土蔵群、土蔵と土蔵の間のスリットから細い光線が落ち、せり上がった棟の高い部分は奥まってうす暗く、樹木のように林立する小屋束と土蔵の間隙には昼間でも物の怪が宿っているようで、子供心にはまさに鬼の棲み家のような恐ろしげな空間であった。(中略)作業所の土間には酒造りの頃の室の跡が塹壕のように掘られ、酒の絞り台が絞首台のように掘り割りを跨いでいた。陰惨ではあるが、線と面と塊、あちこちにできた偶然の空間の連続、うす暗さ、土蔵間のスリットの迷路、一筋の光、今思えばなんともダイナミックな内部空間であった。(「重要文化財吉島家住宅」より)
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日本における民家建築の最高峰とも言われる重要文化財「吉島家住宅」は、約半分が失われた状態にあり、現在は市営の駐車場となっている。そこには現存する建築とはまったく異なる空間が存在していた。
失われた部分について、現存する資料(吉島氏による配置図やスケッチ、テキストなど)を基に推定して復元図を作成し、その空間について分析を行う。不明な部分については吉島氏への聞き取りなども行う。
さらに、現在駐車場となっているエリアに、展示を中心とした施設を設計する。