脳といしき
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シリーズ : Newton ライト
メモ
意識とは?
意識について、その定義も明確には決まっていない
対象に意識があるかどうか判断できるのか?
脳科学者は、ヒトには意識があると考えている
意識のハード・プロブレム : 物質である脳から、どのように個人的、主観的な意識経験が生まれるのか?
クオリアの問題でもある
ヒトの意識は脳で生み出されると考えられている
脳とは?
ニューロンに電気的な信号が伝わると、軸索ではイオンが流入して局所的に電流が発生
ニューロンの軸索を伝わってきた電気信号は、シナプスを介して次のニューロンの樹状突起に伝えられる
電気信号が直接シナプスを超えるわけではない
1. 軸索の末端まで電気信号が伝わる
2. ニューロンは神経伝達物質と呼ばれる化学物質が入ったシナプス小胞を軸索末端の表面に運ぶ
3. 小胞の中の神経伝達物質をシナプス間隙に放出
4. この神経伝達物質が次のニューロンの樹状突起にある受容体に結合することで信号が伝わる
意識はどこで生まれるのか?
脳の中で意識とのかかわりが深いと考えられているのは大脳皮質
脳はさまざまな領域で役割分担して情報を処理 : 脳の機能局在と呼ばれる
ニューロンでの信号のやり取りが意識を生み出していると考えられている
眠っているとき意識はある?
睡眠の行動学的な定義には、「意識がない」 というものが含まれている
行動の際に必ずしも意識は必要ない : 夢遊病
レム睡眠中は脳の多くの場所が活発に活動する
前頭前野の一部などの思考や判断にかかわる部分は機能が低下
感覚系からの入力も視床でブロックされる
脳波
片山容一博士は、意識を 「覚醒している」 という意味と 「各感覚を統合して正常な認識ができる」 という部分に分けて考える
昏睡状態は覚醒しておらず、当然意識はないと考えられる
植物状態は、「覚醒している」 という意味では意識はあるとも言えるが、感覚を統合して正常な認識をするという意味での意識はない……かもしれない
2006 年、植物状態の患者でも意識はある可能性がある研究結果が示された
植物状態の患者に話しかけると、同じことを言われた健常者と同じように脳が働いていた
脳の活動を fMRI で調べた
意識と無意識の関係
脳の視覚野は左脳と右脳の両方にあり、それぞれ視野の右半分と左半分を担当
例えば左脳の視覚野を損傷すると、右半分の視野が失われる (半盲の状態)
だが、意識としては見えてないものの場所を高い確率で指し示せる人もいる : 盲視 (見えていないのに見えている)
視覚情報の処理に別ルートがあり、それが無意識のうちに見えている状態を生み出している模様
意識にのぼる視野の処理 : 目の網膜 → 視床 → 視覚野 → 意識にのぼる
別ルート : 網膜 → 中脳の上丘
脳の活動のうち、意識にのぼるのは一部でしかないことを示す例
nobuoka.icon 『〈わたし〉 はどこにあるのか: ガザニガ脳科学講義』 でもそういうことが言われてるな
意識的な行動など存在しない?
下條潜在脳機能プロジェクト
CM が意志決定に与える影響
意識は、自分の行動を決定する自由意志と関係が深いと思われる
CM が意志決定に影響を与えるとき、脳の被殻という部分が関係
物の価値判断をつかさどる場所
経頭蓋磁気刺激により右前頭背外側部の機能を抑制すると、値段設定が不正確に
自由意志に関する論争を巻き起こした実験 : 1983 年、アメリカの生理学者ベンジャミン・リベットによるもの
ヒトが動作をしようとする 「意識的な意思決定」 以前に、「準備電位 (Rediness Potential)」 と呼ばれる無意識的な電気信号が立ち上がることを、脳科学的実験により確認
nobuoka.icon 「「自由意志」 は存在する (ただし、ほんの 0.2 秒間だけ) : 研究結果」 によると、さらにその後の研究で、「生体的な脳の決定の後、我々の意思によりそれを拒否することは可能」 ということが示されたらしい
視覚と意識の関係
意識がニューロンの活動によって生み出されるならば、意識に対応するニューロンの活動があるはず : NCC
両眼視野闘争という現象が意識解明のヒントになるかもしれない
見えるもの (= 意識にのぼるもの) が切り替わる瞬間が、まさに意識が切り替わる瞬間
この現象を活用して、ヒトの顔に対する NCC は紡錘状回の一部 (FFA)、場所を感じさせる光景 (建物) に対する NCC は海馬傍回の一部 (PPA) であろうということがわかってきた
ロボットに意識は宿る?
國吉康夫博士によると、意識が生まれるには身体を通して周囲の環境と相互作用しながら脳が発達していくことが不可欠
赤ちゃんロボットのシミュレーション : 寝返りやはいはいをするプログラムを組み込んでいなくても、自発的にそれが行われる (様々な感覚と運動が身体を通して相互に影響しあい、全体的な行動が発生し、自発的に維持されるのではないか)
人工知能に意識は作れる?
統合情報理論
現在の人工知能には意識はないと考えられている : 情報は部分的にしか統合されていないため
人工知能に意識をつくるには、情報生成理論という理論が新たに必要になると考えられている