下條潜在脳機能プロジェクト
https://www.jst.go.jp/erato/research_area/completed/sib_PJ.html
神経科学の最後の謎である 「意識」、「情動」、「意思」 は計測方法や仮説と研究方法を繋ぐ哲学の欠如などのために未解決のまま残されていた。 しかし、近年 PET や fMRI をはじめとする脳機能イメージング法の急速な発達により、心理認知機能の主観的/機能的な側面、神経生理メカニズム、計算アルゴリズムの三者を直接対応付ける学際的アプローチが可能となりつつあった。 このような状況変化により、本プロジェクトでは目標を潜在的あるいは無意識下における脳機能を認知心理学的観点から理解し、「意識」、「情動」、「意思」 との関係を明らかにすることとした。
そこで本プロジェクトでは意思決定研究、潜在聴覚研究、潜在感覚運動研究、嗜癖行動研究の四グループおよびその他の共同研究を通し、脳の広範囲な機能を多角的に潜在脳機能の関連で見直し、高次脳機能に及ぼす役割、メカニズムを明らかにしてきた。 さらに、研究過程におけるさまざまな知見を潜在能力の開発法、医療、アート/エンターテインメント支援システムの開発などにつなげていく萌芽とすることができた。