契約結婚
1981 年時点で、日本はタイと同様に第三世代同居率が多く (4 割超)、単独世帯と夫婦のみで 8 割を超える他の先進国と大きく異なる。 これは社会保障に優先する私的扶養義務を掲げている (877 条) からである。 第三世代同居に高い高齢者自殺率 (東京都内) を考えるべき。 「性の分業」 の改革が重要。 男性も重圧から解放される。 社会保障制度としての家族保護政策が必要。 家族に肩代わりさせてはいけない。 犠牲は女性や子供、高齢者となる。 家族問題は労働問題。 労働環境を変えることが大切。 独り一人がユニークな家族を創ることも重要。 歴史的に家族の必要性は 「子供」 にあった。 夫、妻のみで家庭は安定的ではない。
肉体関係の公認=結婚という観念は、ほぼ完全に消失。 結婚の必要性は、男女間愛情関係の安定性と、子供の育成、経済生活の合理化、「一人前」 の公認などに限定。
この内、男女関係の安定に対して、結婚制度はさほど功を奏しない。
定位家族より生殖家族が主体となった現在では、子どもを育てることは、2つの意味で経済的生活を合理化しない 1. 子どもの扶養感覚の希薄化、
2. 養育費の増大
未婚率の増加と離婚率の増加、そして差別偏見自重の風潮は、「一人前」レッテルを消失させつつある。
3)仮説「出産と育児の問題をのぞけば、旧来の<法的婚姻制度>は無用である」への反論
出産と育児の問題を制度的に整えることが重要課題であり、この問題を放置することによる影響 故に、逆に旧来の結婚制度を維持しようとするのは本末転倒である。
仮に、育児問題を解決しようとするならば、「出産」のための制度案と「育児」のための制度案を婚姻制度とは別の選択肢として(結婚していても選択可能であることはもちろんである)考えられるべき その3 契約結婚論
重要なことは、99 % の人が旧来の結婚形態を臨む状況下であっても、残り 1 % の人が最適な結婚形態を選べないようにしてはならない点である。 契約結婚は、旧来の結婚形態の拡張であり、別の結婚形態ではない。