パートナー関係維持行動
#パートナーシップ
『パートナーに対する暴力の進化的基盤』 より
2.2. パートナー関係維持行動 (mate retention behavior)
戦略の性差により,異なる適応行動や適応問題とそれによる性的葛藤が生じるが,いずれも自分とパートナーとの排他的・長期的な関係性を形成することが一つの解決策となる。 したがって,男女とも,パートナー関係を維持するための行動をする。これらの行動は,パートナー関係維持行動 (mate retention behavior) としてまとめられている。パートナー関係維持行動は,ネガティブな方略(たとえば,パートナーの支配)やポジティブな方略(たとえば,コミットメントのサイン)まで様々であり,Buss et al. (1997, 2008) では 5 領域に分けられている。
Buss and Shackelford (1997) によるパートナー関係維持行動の 5 領域
パートナーの監視 (Direct Guarding: パートナーの束縛など)
否定的な関わり (Intersexual Negative Inducements: 脅迫など)
肯定的な関わり (Positive Inducements: コミットメントのサインなど)
公への所有のサイン (Public Signs of Possession: 他者に対する交際関係のアピールなど)
ライバルへの否定的関わり (Intrasexual Negative Inducement: 同性への攻撃など)