トランスジェンダー入門
1 章 トランスジェンダーとは?
従来、FtM や MtF といった表現も使われていたが、これらは医学的な性別移行に重点を置いた表現に由来 が、ノンバイナリーの当事者の中には、自分がトランスジェンダーだとは思っていない人もいる
「身体の性」 と 「心の性」 で説明することの問題
「身体の性」 ではなく 「出生時に割り当てられた性別」 という表現が使われている理由
「身体の性」 と言ったときに、日常的には外性器ではなく、髪の長さや胸の大きさなど、雑多な身体的特徴が使われる
「身体の性」 は、手術などによって変わりうる
「心の性」 と言ったときの弊害
社会的な要素が欠落 : 社会で生きる中で、自分の性別についての認識を確立していくプロセスを考慮できていない
その時々で変化しそうな不安定さがある
割り当てられた性別に関する 2 つの課題
「女/男としてこれから生きなさい」 という課題
トランスジェンダーの人はこちらの課題をクリアできない
「女/男は女らしく/男らしく生きなさい」 という課題
2 章 性別移行
精神的な (性別) 移行
社会的な性別移行
医学的な性別移行
パスと埋没
3 章 差別
職場の差別がきっかけでうつ病を発祥する人が後を絶たない 4 章 医療と健康
病気としての扱いを受けることで、一部のトランスの人は必要な医療的を受けることができたという事実はある 実際には病気ではないから、病理化の歴史には修正が必要だった
トランスジェンダーの脱病理化
一番初めは、強制的にホルモンを投与したり、電気ショックを与えたりして、ジェンダーアイデンティティを無理やり変えさせようとしていた
トランス自体は病気ではないが、快適な身体、自分として生きられる身体を取り戻すために医療的な治療を選択することもある
妊娠は病気ではないが、医療的なサポートが必要である、というのと似ている 闇医療に法の網がかけられ、医師たちが委縮した → 停滞期へ
そのような状況を打破するために、1997 年に初版のガイドラインが策定された
日本のガイドラインと異なり、脱病理化の成果に依拠している
日本では性同一性障害や性別不合の診断が最初に来るが、IC モデルではそれを重視しない
それよりもホルモンを打つとどうなるか、などの説明を重視する
医療における差別
入院時に個室を選択させられ、差額を請求される
5 章 法律
今後は、現状の医学モデルから人権モデルに転換すべき
6 章 フェミニズムと男性学
同時代の黒人女性の多くは労働に従事していた
ノンバイナリーの人たちが団結して社会運動をした歴史は可視化されていない
最優先の要求は、過剰な男女分けをやめてほしいこと