軍民融合
軍民融合は中国が近年国家戦略として推進する取組であり、緊急事態を念頭に置いた従来の国防動員体制の整備に加え、緊急事態に限られない平素からの民間資源の軍事利用や、軍事技術の民間転用などを推進するものとされている。
特に、海洋、宇宙、サイバー、人工知能(AI)といった中国にとっての「新興領域」とされる分野における取組が軍民融合の重点分野とされている。
防衛省が、2015年に軍事技術の基礎研究に資金提供する「安全保障技術研究推進制度」をスタートさせたことに対し、学術会議は17年、「学術と軍事が接近しつつある」との懸念を示し、同制度に反対の声明を出しているからだ。 同制度を巡る当時の議論は、AI(人工知能)や情報通信などの先端技術は、軍事用と民生用に分けることには無理があり、最新の科学技術はデュアルユース(軍民両用)化が前提でもある。これ以上、同会議が軍事研究に反対し続けることは、研究者の自由な発想を縛り、日本の科学を低迷させかねないという危惧が出発点であった。