正統性
「正統性は、正しさの究極の規準とは何かをめぐる概念である。これを、ある正しさの規準を所与としたうえで、そこからあることがらを正しいと決定できるかどうかをめぐる、正当性(justification)とは区別しなければならない。正統性は、より根源的である。そもそも正しさの規準がどのように与えられるかと考え、それをさかのぼってみると、循環してしまうか、さもなければ、有限な手続きの後にそれ以上さかのぼれない、正しさの最終的な根拠に帰着してしまうかであることに気がつくであろう。この正しさの最終的な根拠(規準)のことを、権威(authority)という。権威それ自身の正しさは、当然であるが、証明(正当化)できない。それは、端的に正しい」(橋爪[2002:628]) 「ある特定の支配関係や制度、社会関係、あるいはその行為が、被支配者サイドにとっても十分に納得しうる理由にもとづき維持されている場合、つまり十分に正当化(justify)可能なとき、支配者や上位者(の行為)は正統性を持つ、とされる。支配者個人やその行為のみならず、制度や組織そのものが正統性を持つ、ということもある。支配関係を典型とする非対象的な社会関係を維持するうえで不可欠の資源、もしくは属性である」(北田[2006:516])
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@yuiseki_: マックス・ウェーバー以後の社会学(エスノメソドロジーや社会構成主義の系譜)でも正統性概念の社会的構成に関する研究があったようなおぼろげな記憶があるけどググってもドンピシャのやつが出てこないので偽の記憶かもしれない