君主道徳と奴隷道徳
ニーチェ(1844-1900)による哲学概念。人の考え方を2種類に分類したもの。 良いものは有用なもの、悪いものは有害なもの
「統治者は悪である」「統治される自分たちは善である」が暗黙の前提として導入される
その正当化に「多数派が善である」が使われる
統治者は被統治者に比べて少ないので、悪である
統治者は力を持ち、被統治者は持たない。なので力は悪である
統治者は金を持ち、被統治者は持たない。なので金は悪である
君主を奴隷と同じ立場にする
多数派が善であるから、投票と多数決に基づく民主主義は善である 初期の貴族制は戦争の時に最前線で戦う責任と引き換えに、自分にとって良いものを良いとする君主道徳がよしとされたものだった。軍隊の近代化により、貴族が最前線で戦わなくなり、正当化の根拠が失われた。1789-1799のフランス革命で絶対王政が打倒されて共和制(民主主義)になる(まあ10年でナポレオン独裁制にとってかわられるけど) 君主道徳
目的の実現に有益か?
有益なものが良い、有害なものが悪い
奴隷道徳
多数派が良い
君主などの統治者は少ないので悪い
統治される自分たちは多数派なので良い