一段階メタな民主主義
一段階メタな民主主義
nishio シュンペーターいわく民主主義の特性は競争性であり、選択肢が複数あることによる競争と質による選別である。複数の選択肢を競わせる手段の実装例の一つが選挙である。この「手段」に別の選択肢を作って競争と質による選別を行うと、一段階メタな民主主義が成立する。 nishio つまり「選挙」を代替する別の手段が作られる。選挙が満たしているニーズは、人々の意見をデータとして集めて政策に反映すること。なので、人々が「自分の意見が政策に反映された」と思うシステムを作れば競争が成立する。インターネットを使うことで紙と箱の投票よりはマシなものができるだろう。 nishio そうなった場合に、紙と箱の投票よりも、デジタルの意見表明システムの方を好む人が多くなれば「こちらの方がより民主的である」と人々が考えるようになり「正統性」が生まれる。投票は古い時代の不完全なシステムであるとみなされるようになり、投票をやめることが「より民主的」となる。 nishio 「投票」の形を保ったままで手段だけデジタルに置き換える「デジタル投票」は、仕事のやり方を変えないでDXで仕事を効率化しようとする企業とかと同じ。「そのやり方が非効率だから別のやり方に変えよう」に納得して変える組織と変えない組織がある。それらの間で競争が起きれば良い。 イーサリアムはオープンソースであるため、望めば誰でも「フォーク」することができる。このようなソーシャル・イノベーションは、代表選挙による正統性から解放された形で、ガバナンスを正統化する。 nishio フォークが容易であるか困難であるかが重要なファクターになる。容易なところからフォークが行われ、選挙によらないデジタル民主主義が導入されていく。