目的を不満の解消だと仮定してみよう
2017-08-09
戦略コンサルタントで未踏クリエータの久池井 淳さんと話していて「目的とは不満の解消である」という言葉が面白かったのでメモ。目的が明確に言語化されていない時、多くの目的は不満の解消であるのだから、今言語化されていない目的もまずは不満の解消であると仮定してはどうか、という話です。 目的は、高尚なタテマエになりがちなバイアスがある。一方で不満は感情的で下品だと考えられがちで、言及を避けたり目をそらしたりするバイアスがある。コンサルティングの現場で、顧客が語る目的だけを見ていたのでは、それがタテマエだった場合にうまくいかない。そこで「嫌なこと・困ってることを教えて」「私はそれを解消するために来ました」ということで不満感情をくみ取り、それをロジックに変換していくことで感情ではなく理性で扱えるように変換していく。これが問題解決の動機付けになるとのこと。 「目的の明確化」が大事とはよく言われることです。その「目的」とはなんであるのか掘り下げて考えてみよう。 目的を達成した時には、達成しなかった時と比べて何らかの変化があるはずです。変化があるということは、その前と後があるはずです。
こうやって分けて考えることで、明確に言語化できてない「目的」の明確化・言語化がやりやすくなります。
一方「目的は明確なのにやる気が出ない」という時、その「目的」がタテマエ化してないか疑うとよさそうです。 ついついその「目的」の達成が良いことだったり、MUSTだったりと考えてしまいがちです。
そこであえて天邪鬼が「『前』のままでいいじゃん」「『後』なんて本当は必要じゃないじゃん」「『変化』を起こすために労力を掛けるの馬鹿らしくない?」と聞いてきたとしましょう。なるほど、その通りだな、と納得できるなら、その「目的」はそもそも必要なかったのです。逆に「いやいや、そんなわけないでしょ、なぜなら~」と理由が出てくるのなら、その言葉が目的をさらに明確にすることに役立つはずです。
https://gyazo.com/7175d1e47adbff848b576f3cf91ffd3c
(脚注: これは変化の前に注目する手法だが、逆に「その変化が起こったら、次に何が起こるのでしょう?」と先に進めていく手法も使われる。)
(脚注: 厳密に言えば、目的には変化だけではなく「現状を維持したい」というタイプもあります。現状を維持したいという目的に対する不満は、変化するリスクがあることです。)