会話を掘り下げるテクニック
誰かにインタビューを教えるとき、Why5とか気軽に言っちゃうんだけど、対話の中からWhyを掘り下げていくの、実は結構テクニックがいることなのかもしれない、というのが最近の気付きです。
こないだ海外のリサーチャーと話をしていたときに「Why5って日本発祥だと聞いた。日本人は会話を掘り下げることが得意なんだろ?」って話になったけど、多分それはトヨタの話であって、多くの人は多分そうじゃない気がしますね。
nishio:
これっていくつか理由があって「why」の質問がそもそも4通りくらいの意味がある曖昧な質問だったりとか、質問を叱責と勘違いするとか、過去の行動の理由を後付けで創作しちゃうとか、色々不都合なことがあるのだよね kur:
whyってそのまま聞くと、叱責と勘違いされるとか、意図が伝わらないとかあるので、聞き方は色々変えたりするんですけど、その前提の上で5whyができない人は、「何を聞けば良いのかわからない」というのと「どう聞けば良いのかわからない」という2つの問題がありそうだな、と思いました。
nishio:
その「5whyができないひと」は「他人にwhyの質問をして言語化を促すことができない人」という理解であってますか?だとすると「質問者よりもシステムについて詳しいはずのクライアントですら言語化できてない問題について、適切な質問をして言語化を促す」って能力が必要で、できる人の方がレアでは…
kur:
ええええ、そんな難しいことですかね・・・?先生とかに質問するのと同じで、話を聞いても自分がよくわかってないところを聞くだけだと思うんですけど・・・
nishio:
できない人が普通で、質問ができる人が何か普通の人と異なる属性やスキル、知識を持っているとするなら、その属性やスキル、知識とは一体なんだろう、というのが気になりました。
(この質問を雑に要約すると「なぜできる人はできるのか?」になると気づいた)
kur:
それに、何がわからないのかわからないのであれば、それを聞けばいいと思うんですよね。相手は専門家なのだからわからなくても恥じることはなくて「それってもう少しわかりやすく説明して頂くことできますか?」とか聞けばいいんだし。
nishio:
「うまく質問ができる人」である木浦さんが主観的に「わからないところを質問するだけ」と感じてて、一方で「うまく質問ができない人」Xが存在するのであれば、木浦さんにとって簡単である行動をXさんにとって難しくしてる要因が何かあるはずだと思うんです。
kur:
何かあるんだろうと思うけど、何なのかまではちょっとわからないですね・・・。なんだろう・・・。
nishio:
たとえば自己肯定感が低いと「自分にはあなたの言っていることが理解できない」って表明することに苦痛を感じやすいとか?
kur:
それはあるかもしれませんねー。でも、僕が教えてきた範囲では、場数を踏んでもどうにもならないって人は全然居ないので、練習でなんとかなるところでもあると思うんですよね。
harajune:
聞いてみたけど知見が深まらなかったとかはありそうだけど、聞けないのはノウハウの問題ではなさそうな感じが。
「それはなんでですか」みたいな雑な質問くらいは投げられても良さそうな気はするけども。
kur:
多分みんな、間違ったこと聞いちゃいけないって思ってるのよね。慣れていくとその辺が麻痺してくる気がする。
nishio:
「間違った質問をしても問題がなかった」とか「意図と違う解釈をしたけど結果として予期せずいいものが得られた」みたいな経験を積むことが必要?