ニムエによるイェネファーの伝説
英語:Legend of Yennefer by Nimue
2021年2月9日~2021年5月6日にかけて展開された第4回ジャーニーのストーリー。全12週。 ニムエは「湖の貴婦人」(Lady of the Lake)の異名を持つ女魔術師。Witcher の世界においては後世の歴史研究家のような立場の人物であり、ウィッチャーや《シリ》にまつわる伝説の収集家であった。グウェントやゲーム版の Witcher シリーズで登場する精霊《湖の女神》(こちらも Lady of the Lake)とは別キャラである。 ジャーニーストーリーは《ヴェンガーバーグのイェネファー》の誕生からの足取りを絵で表現したものになっている。この設定は原作小説「ウィッチャーV 湖の貴婦人」において、ニムエが夢占い師のコンドワイラマーズ(グウェントでは「コンドヴィラムールス」と表記)に絵画による夢読みをさせていたことから来ていると思われる。 絵のみの公開を補完するため Team Aretuza のメンバーで Witcher ユニバースに詳しい TheFoxBride が文章を書き、 同じくメンバーで配信者の Lionhart が朗読するファンメイド作品が立ち上がった。 各話概要
※それぞれに、日本語字幕付きのファンメイド朗読作品へのリンクを貼っています
1〜5週目解説:若き日のイェネファー
若き日のイェネファーに関しては長編小説で断片的に挟まれている。イェネファーは人間の父とハーフエルフの母との間に生まれ、背中に奇形があったことから、虐待を受けて育った。やがてアレトゥーザの有力な女魔術師である《ティサイア・ド・ブリエス》に才を見出された。このとき、アレトゥーザで自殺未遂(はっきりとは記述されていない)を起こしている。
このイェネファーの生い立ちに関しては、Netflix版ウィッチャー・シーズン1・第2話「4マルク」第3話「裏切りの月」で描かれている。※ドラマ版ウィッチャーの第1シーズンの時系列は入り組んでいることに注意。例えば、ゲラルト・シリ・イェネファーがそれぞれ別々に描かれているシーンは実際には数十年ほど時を隔てている
6週目解説:最後の願い
日本語訳がされていない短編「Last Wish」で語られる、イェネファーとゲラルトの出会いと運命を決定づけた出来事が扱われている。Netflix版ウィッチャー・シーズン1・第5話「内なる望み」でも描かれている。
ゲラルトがジンに行った「3つ目の願い」の内容は原作でも明かされていない。
Witcher3 のサブクエストで、このときのジンを再び呼び出し、従えさせて「3つ目の願い」を取り消そうとするものがある。
7週目解説:黄金竜を求めて
日本語訳がされていない短編「Sword of Destiny」の一遍「The Bounds of Reason」の内容が扱われている。Netflix版ウィッチャー・シーズン1・第6話「神秘なる生物」でも描かれている。
運命の悪戯でゲラルトとヤスキエル(ダンディリオン)は、ニーダミル王のドラゴン討伐団に加わった。討伐団には王の部隊の他、イェネファー、《デネルのアイク》、《ドラガラ》、クリンフリッド団として知られる武装団、《ヤーペン・ジグリン》らのドワーフ傭兵団がいた。
イェネファーは魔法によって不妊になった身体を治すためにドラゴンを探していた。
ゲラルトは数年前に別れたイェネファーを忘れられずにいた。
ダンディリオンは武勇伝を増やすためにゲラルトについていった。
途中に出てくる「ゼルカニア人たち」というのは、ボルクという名で人間の姿になっていたヴィレントレテンマースに付き従っていた2人の女武人のことである。
「毒に侵されたドラゴン」というのは、羊を食べられる被害に困っていた農夫が毒入り羊を食べさせたことに由来する。このドラゴンは《マイグダブラック》である。
最後のヴィレントレテンマースの語りは、ゲラルトとイェネファーが子を成せないことと、二人が《シリ》という大切な存在に出会うことを示唆している。
8週目解説:ソドンの丘の戦い
「ソドンの丘の戦い(Battle of Sodden Hill)」は、第一次北方戦争のシントラ陥落後、さらに北進したニルフガード帝国を食い止めた戦闘。北方諸国の魔術師が多大な犠牲を払った。原作長編においては過去の出来事として語られることがある。Netflix版ウィッチャーではシーズン1・第8話「運命を超えて」で描かれている。
《ヴィルジフォルツ》はこの時点では北方諸国側の魔術師であり、この戦いにも北方諸国側で参加していた。一方で《エムヒル》とも通じており、戦いの後、休戦を主導した。この後、《ヴィルジフォルツ》は本格的にニルフガード陣営として動くことになる。
9・10週目解説:シリの修行からサネッド島の反乱まで
シリは第一次北方戦争において、シントラが陥落した際に紆余曲折を経てゲラルトに救出され、ケィア・モルヘンに移った。そこでウィッチャーとしての修行を受けた。しかし、怪物退治の専門家でしかないウィッチャーたちに、王女であり古き血脈を受け継ぐシリを育てられるわけもなく、《トリス》が手伝いにやってきた。その後、《ネネッケ》のいるメリテレ寺院で淑女としての教育を受けることになる。メリテレ寺院のシリにイェネファーが会いにいき、自ら魔法を教えることにして連れていく。ここまでが原作長編一作目「エルフの血脈」の内容。
イェネファーはシリをアレトゥーザで学ばせようとしていた。当時、アレトゥーザでは会合のため魔術師やゲラルト、ディクストラらのキーマンたちが一堂に会していた。ここでニルフガードに通じる魔術師と北方諸国の魔術師が争い始めることになる。シリはトランス状態になり北方諸国内の権力争いやニルフガードの暗躍などを語り出すと、それをきっかけに戦闘が始まる。事態は第二次北方戦争に発展する。ここまでが原作長編二作目「屈辱の刻」の前半の内容。 「リス団」というのはスコイア=テルの別名。《フランチェスカ・フィンダベア》はサネッド島の反乱の首謀者であった。彼女とスコイア=テルはニルフガードと通じていた。
聴衆が笑った「イェネファーは小さな像に変えられた説」が原作通りの展開。
11週目解説:スティガ城での尋問
原作長編四作目「ツバメの塔」において、ヴィルジフォルツに捕らえられたイェネファーが「共感走査」という魔法によって、ゲラルトの居場所を教えてしまうくだりが描かれている。ヴィルジフォルツがときに「brotherhood」とつぶやいたものを「友愛」と訳したが、 「Brotherhood of Sorcerers(魔法院)」のことだったかもしれない。
この場面には、《ヴィルジフォルツ》とその部下《リエンス》の他、「長身のハーフエルフ」こと《シーヒル》がいる。このときの情報を元に《シーヒル》がゲラルトを始末しに向かった。
12週目解説:リヴィアに散る
原作長編五作目「湖の貴婦人」の最終幕が描かれている。すべてを終わらせ、リヴィアに戻ったイェネファー、ゲラルト、シリは酒場で暴動に巻き込まれた。虐殺事件にまで発展したこの暴動で、ゲラルトが瀕死の重傷を負い、イェネファーはゲラルトを救おうとして力を使い果たした。
ニムエの解説はここで終わっているが、原作ではこの後《イフアラクラックス》が現れ、シリに力を貸しイェネファーとゲラルトを救う。そしてシリが二人を霧深きエスカロット湖のどこかに送り届け、二人は平穏に暮らしたことになっている。
ゲームでの Witcher はこの出来事の2年後(1270年)からの続編となっている。シリを追うワイルドハントが手がかりとして静かに暮らしていた二人を拉致。イェネファーの命と引き換えに、ゲラルトはワイルドハントの戦士にさせられた。やがて、記憶を失った状態でケィア・モルヘンにゲラルトが戻ってくる。ここからゲーム版の第一作目「The Witcher」の物語が始まる。