ハーフアワー・テーマトーク(HHTT)
定期的(毎週または毎月)に、指定したテーマ(ネタ)での対話を全社的に行わせる取り組み。
Half-Hour Themed Talk.
概要
ハーフアワーつまりは30分でテーマトークを行う
定期的に行う。週に一度、または月に一度
1on1みたいに定期的にやる、かつ全社員に義務化するようなイメージですsta.icon
ひとりのマネージャーが統括する単位のチームやグループで行う(これを便宜上ユニット)
おそらく2~10人くらいになるはずです。目安として30分の対話で全員が喋れるくらいの人数が良いです。できれば4人以下sta.icon
テーマトークのネタ(テーマ)と進め方は、TTPOが整備する
TTPO:
Themed Talk Program Office
オープンソースを統括する全社的組織をOSPOといいますが、そのテーマトーク版です
各ユニットは毎週(毎月)、TTPOが出すネタと進め方に從ってテーマトークを行う
対話に集中するため、TTPOの側で共通化するわけですsta.icon
ネタの決め方は様々(後述)
想定は大企業
従業員3桁以下の中小企業その他組織でも良いですが、HHTTを維持するだけのコストを払えるかが想定となります。つまりTTPOを立ち上げ、維持できるかという話です。おそらく中小規模では難しいでしょうから、ここでは大企業を想定させていただきますsta.icon
ただし、今後このジャンルが開拓されてくると、テーマトーク・エンジニアリングが確立され、もちろんテーマトーク・エンジニアが興るでしょう。こうなると中小企業レベルならひとりTTPOができるはずですsta.icon
嬉しさ
社員全員のリテラシーを上げることができる
ユニット内のグルーミングを促進できる
ネタ決めの戦略例
プルラリティ的な決め方
インターナル・インターネット(Internal Internet)を使って、全社員からネタを集める&投票させて、最も票数の多いネタから取り組む
トップメッセージから分解する決め方
トップメッセージなど会社トップのメッセージに含まれている言葉を一つずつ深堀りしていく
例: 今週はDX、来週はVUCA、再来週は生成AI、その次はESGなど
幅広く採用する vs 重点テーマを深堀りする
前者の場合、仕事術から生成AIまで様々なテーマを扱うことになるでしょう。一方、後者の場合、たとえばダイバーシティを優先して、ダイバーシティに関するネタがしばらく続くといったことが起こり得るでしょうsta.icon
開発秘話
社員のリテラシーの底上げは重要です
なぜなら会社を変革、あるいはそこまで行かずとも改善していけるかどうかは、マジョリティである現場の社員たち(状況によっては中間管理職陣やバックオフィス陣などのこともある)次第だからです。この人達が協力するか、少なくとも形骸化させることなく続けてくれねば成せません。そして、続かない主因の一つは、単にリテラシーが足りないことです。リテラシーがないと、理解や実践のコストが跳ね上がります。日頃から忙しいこの人達が、その中で続けられるかというと、ノーなのです。基礎的な知識や素養が足りない。基礎がないのだから、できなくて当然。
これを解決するためには、リテラシーを上げるしかありません。私はテーマトークの営みに注目しました。テーマトークは、元はダイヤル・サービスが始めた「相談者-専門家が電話で特定テーマについて相談する時間」でしたが、今では単に「特定のネタで対話する営み」として幅広く使われています。全社員向け教育の一環として使われることがあります、たとえば会社のビジョンをテーマにしてユニットで勉強&対話させる、などです――が、私はこれはもっと一般化できると思いました。つまり、定期的にトークするという1on1的な性質を残しつつ、テーマを可変にすれば、様々なリテラシーを差し込めるのではないかと。
そのために、まずはガバナンスのための中央組織を定義しました。こういうときはOSPOという便利な先駆的概念があるので、これを使ってXXPOとします(よく使います)。今回はもちろんTTPOです。これは言い換えれば、専用の部門を立ち上げることと同義であり、それなりの投資を要します(トランスフォーマトリー(Transformatory)ですね)。
ここまで来たら、あとは名前です。語感の良さから、あえて30分をHalf Hourと名付けて、HHTTとしました。同じアルファベットが続くのでキャッチーで、覚えやすいはずです。良い名前をつけることは、知的生成者の責務の一つです。