防衞機制
defence mechanism
防衛機制 - Wikipedia
level 1 : 精神病的防衞。自己愛的精神病的防衞
轉換 (conversion) 抑壓 (Verdrängung)された衝動や葛藤が、麻痺や感覺喪失となって表現される。手足が痺れたり、失立失步 (脱力し立ったり步けなくなる)、聲が出なくなる失聲症や視野が狹くなる、嚥下困難、不⻝や嘔吐などの症狀が出る
否認 (Verleugnung) (denial) 不安や苦痛を生み出すやうなある出來事から目をそらし、認めないこと。「抑壓 (Verdrängung)」はその出來事を無意識 (Ubw)的に追ひ拂ふものだが、「否認 (Verleugnung)」は出來事自體が存在しないかのやうな言動をとる。特に「原始的否認」は分裂を強化するやうな性質の否認 (Verleugnung)を指す。理想化や脱價値化は、原始的否認を背景とし、また否認 (Verleugnung)を強化する
代替
歪曲 (distortion) 內面 needs を滿たすやう外部の現實を再構成する
投影 (projection) 自分の內面にある受け入れがたい感情や欲動を、自分のものとして認めず、外部に寫し出すこと。これは明らかな妄想 (迫害されるといふ被害妄想) の形を取る (精神病性妄想)。妄想的投影 (delusional projection)。たとへば「私は彼を憎む」が「彼が私を憎む」になる
分裂 (splitting) 對象や自己に對しての良い image・惡い image を別のものとして隔離すること。「良い」部分が「惡い」部分によって汚染、破壞されるといふ被害的な不安があり、兩者を分裂させ、分けることで良い部分を守らうとする。抑壓 (Verdrängung)が「臭いものにフタをする」のに對し、分裂は「それぞれ別の箱に入れて」しまふ。分裂させた自己の惡い部分は、しばしば相手の中に「投影」される
躁的防衞 (manic defence) 自分の大切な對象を失ったり、傷つけたりしてしまったと感じた時に生じる不安や抑鬱などの不快な感情を意識しなくするために行ふ。「優越感 (征服感)」「支配感」「輕蔑感」の三つの感情に特徵づけられ、自分は萬能であり相手を支配できると思ひ込んだり、逆に相手の價値をおとしめたりする。鬱氣氛を逆轉させた躁の氣氛で抑鬱の痛みを振り拂おうとする
level 2 : 未熟な防衞
行動化 (acting out) 抑壓 (Verdrängung)された衝動や葛藤が問題行動として表出すること。具體的には性的逸脱行動、自傷行爲、自殺企圖、暴言、暴力、過⻝、拒⻝、浪費、萬引き、藥物依存、alcohol 依存などが擧げられる
行動化 - Wikipedia
途絕 (blocking)
病氣不安症 (illness anxiety disorder) 深刻な病氣への過度の心配や思ひ込みの狀態
心氣症 (Hypochondrie) 性基調
取り入れ (攝取。introjection) 投影と逆で、他者の中にある感情や觀念、價値觀などを自分のもののやうに感じたり、受け入れたりすること。特に他者の好ましい部分を取り入れることが多い。發達過程においては道德心や良心の形成に役立つ。しかし度が過ぎると主體性のなさに繫がったり、他人の業績を自分のことと思ひ込んで滿足する (自我擴大)、自他の區別がつきにくい人閒となる。「相手にあやかる」
schizoid 幻想 (schizoid fantasy) 內部や外部への葛藤を解消するため、妄想へと退化する
理想化 (idealization) 自己と對象が「分裂」してゐる狀態で、分裂させた一方を過度に誇大視して「理想化」すること。分裂されたもう一方は「脱價値化」を伴う。高次の「理想化」は、對象の惡い部分を見ないやうにすることで自分の攻撃性を否認 (Verleugnung)し、それに伴ふ罪惡感を取り去るのに對し、「原始的理想化」は、對象の惡い部分に破壞されないやうにその部分を認識しないやうにする
受動的攻撃行動 (passive-aggressive behavior) sabotage など
受動攻撃性人格障礙 (PAPD (passive-aggressive personality disorder))
拒絕性人格障礙 (NPD (negativistic personality disorder))
先延ばし - Wikipedia
投影性同一視 (PI (projective identification))。投影同一視。投影同一化) splitting が働いてゐる中で、自分自身の惡い部分を相手の中に寫し (投影)、相手を支配してゐる、または傷つけてゐると感じること。その時に投影されてゐる側の人閒に、投影された「惡い部分」(憎しみや怒り、輕蔑など) の感情が生まれるといふ現象が起こる
投影性同一視 - Wikipedia
投影 (projection) 自分自身の中にある受け入れがたい不快な感情を、自分以外の他者が持ってゐると知覺すること。例へば、自分が憎んでゐる相手を「憎んでゐる」とは意識できず、相手が自分を憎んでおり攻撃してくるのではないかと思ひ恐れる、自分が性的な欲望を感じてゐる異性に對し、相手が自分に情欲を感じてゐると思い、「誘惑されてゐる」と感じたりする
投影 (心理学) - Wikipedia
退行 (Regression。regression) 耐へ難い事態に直面したとき、現在の自分より幼い時期の發達段階に戾ること。以前の未熟な段階の低次な行動をしたり、未分化な思考や表現樣式となる。不安な時に他人の話を鵜呑みにしやすくなったりするのも退行の一種だが、これは「取り入れ」をよく用いる發達段階に戾ったことでおこる現象である。退行には「病的退行」以外にも「治療的退行」、「創造的退行 (健康的退行)」などがある。病的退行は持續的な機能の低下を起こさせるが、治療的退行は治療を施したことにより表出する、一時的、可逆的な現象である
退行 - Wikipedia
Regression (Psychoanalyse) – Wikipedia
身體化 (somatization) 抑壓 (Verdrängung)された衝動や葛藤が、樣々な身體症狀となって表れること。心氣化
希望的觀測 (wishful thinking)
level 3 : 神經症的防衞
統制 (controlling) 周圍環境における出來事や對象を、過度に管理・統制しようとする
置き換へ (displacement。置換) 欲求を本來のものとは別の對象に置き換へることで充足すること
転位行動 - Wikipedia
解離 (dissociation。乖離) 苦惱を避けるために、自分の personality の一部を一時的だが徹底的に一部變更すること。遁走など
外在化 (externalization)
靜止 (inhibition)
知性化 (intellectualization) 孤立の形をとる。感情や痛みを難解な專門用語を延々と語るなどして觀念化し、情緖から切り離す機制
隔離 (isolation) 思考と感情、または感情と行動が切り離されていること。「本音と建前」。觀念とそれに伴ふ感情とを分離するが、觀念は意識において保持し、感情は抑壓 (Verdrängung)することなどである。おかしな行爲だと自分では氣づいてゐるがその行爲が止められない、ある種の強迫行爲と關はってゐると考えられてゐる
合理化 (rationalization) 滿たされなかった欲求に對して、理論化して考へることにより自分を納得させること。Aesop 寓話『すっぱい葡萄』が例として有名。狐は木になる葡萄を取らうとするが、上の葡萄が屆かないため、「屆かない位置にあるのはすっぱい葡萄」だと口實をつける
反動形成 (reaction formation) 受け入れがたい衝動、觀念が抑壓 (Verdrängung)され、無意識 (Ubw)的なものとなり、意識や行動 level では正反對のものに置き換はること。本心と裏腹なことを言ったり、その思ひと正反對の行動をとる。憎んでゐるのに愛してゐると思ひ込んだり、愛他主義の背後に實は利己心があったりと、性格として固定されることも多い
抑壓 (Verdrängung) (repression) 實現困難な欲求や苦痛な體驗などを無意識 (Ubw)の中に封じ込め忘れようとすることである。その內容には觀念、感情、思考、空想、記憶が含まれる。Sigmund Freud はこの「抑壓 (Verdrängung)」が最も基本的な防衞機制と考へた。特に心的外傷體驗 (trauma 體驗。外傷 (Trauma)) や、性的な欲求などの倫理的に禁止された欲求が抑壓 (Verdrängung)されると考へられてゐる。 否認 (Verleugnung)との違ひは、否認 (Verleugnung)は實現困難な欲求や苦痛な體驗を一時的に忘れるだけで、他人に指摘されるとその事に氣附く。しかし抑壓 (Verdrängung)は意識より深い心の深部 (前意識や無意識 (Ubw)) にまで押し込められてしまふ。そのため基本的には思ひ出せなくなってしまふ。思ひ出すには努力が必要であり、それほど惡い觀念でなければ簡單に思ひ出せるが (前意識からの思ひ出し)、強い抑壓 (Verdrängung)は無意識 (Ubw)にまで押しやられてゐるので思ひ出すのは困難である。その代表例としては赤ちゃんの頃の記憶などがある
性的特徵化 (sexalization)
打ち消し (undoing) 罪惡感や恥の感情を呼び起こす行爲をした後で、それを打ち消すやうな類似の、またはそれとは逆の行動を取ること。分離と共に用いられることが多い
社會的な上向き・下向きの比較
逃避 (withdrawal)
level 4 : 成熟した防衞
受容 (acceptance)
愛他主義 (altruism) たとへ自分が不利益を被っても、他人に代はって建設的な助けをする
先取り (anticipation) 將來の苦痛を豫想する
禁欲主義 (asceticism)
勇氣 (courage)
感情の自己 control
感情的 resilience (彈力性)
許し (forgiveness)
感謝 (gratitude)
謙虛 (humility)
humor
同一視 (identification) 自分にない名聲や權威に自分を近づけることによって自分を高めようとすること。他者の狀況などを自分のことのやうに思ひ、感じ考え行動すること。この同一視は他人から他人へ傳染する
慈悲
mindfulness
節制 (moderation)
忍耐 (patience)
尊󠄁敬 (respect)
昇華 (catharsis) (sublimation) 反社會的な欲求や感情を、社會に文化的に還元出來得るやうな價値ある行動へと置き換へること。例へば、性的欲求を詩や小說に表現することなどである
抑制 (suppression) 意識的な衝動を、意識的もしくはほぼ意識的に延期する
寬容 (tolerance)
防衛機制 - 脳科学辞典
抑壓 (repression)
反動形成 (reaction formation)
退行 (regression)
隔離 (分離。isolation)
打ち消し (undoing)
投影 (projection)
取り入れ (introjection)
衝動の自己への向き換へ (turning the impulse against the self)
轉倒 (reversal into opposite)
昇華 (catharsis) (sublimation)
治療過程の諸現象
轉移 (Übertragung)
Übertragung (Psychoanalyse) – Wikipedia
Transference - Wikipedia
精神分析学 - Wikipedia#転移
防衛機制 - Wikipedia#転移
$ \ne転移 (医学) - Wikipedia (metastasis)
逆轉移 (counter-transference)
抵抗
退行 (regression)
原始的防衞機制
分裂
否認 (Verleugnung)
投影性同一視
原始的理想化
躁的防衞
Anna Freud "The Ego and the Machanisms of Defense" 1936
自我と防衛機制 - Wikipedia
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