覺鑁「五輪九字明祕密釋」1143
卒塔婆 (stūpa)。佛塔
五輪
व (va。嚩。バ。毘。ビ) : 離言說
र (ra。囉。ラ。羅。ラ) : 清淨無垢塵。諸過得解脱
ह (ha。訶。カ。吽。ウン) : 因業不可得。離因緣
ख (kha。欠。キャ。欠。ケン) : 等虛空
九字
oṃ amṛta-teje hara hūṃ
オン・アミリタ・テイセイ・カラ・ウーン
歸依・不滅・無量光・不捨・德
オン (uṃ)・ア (a)・ミリ (mṛ)・タ (ta)・テイ (te)・セイ (je)・カ (ha)・ラ (ra)・ウーン (hūṃ)
table:五輪塔
形 色 五大 五行 胎藏大日眞言 五字嚴身觀 印契 五趣 寶珠形。團形 一切色 (虹)。靑 空 木 ख (kha) 頂上。脾臟主口 諸天
半月形 黑 (綠) 風 金 ह (ha) 眉上。腎臟主耳 諸人
三角形。笠形。屋根形 赤 智火 火 र (ra) 心上。心臟主舌 智拳印 (胎藏生) 諸鬼
圓形 白 悲水 水 व (va) 臍中。肺臟主鼻 法界定印 (金剛界) 諸畜
方形 黃 金剛地 土 अ (a) 臍已下。肝臟主眼 諸獄
table:五輪塔
形 金剛界 大悲胎藏生 ? 阿字五轉 十方 季節 轉識得智 半月形 不空成就 天鼓音 釋迦󠄀 證心大涅槃。入涅槃理。涅槃 北 冬 五識→成所作智 三角形 寶生 華開敷 多寶 卽心具萬行。行菩提行。修行 南 夏 末那識→平等性智 圓形 阿彌陀 無量壽 轉法輪智 見心正等覺。證菩提果。菩提 西 秋 意識→妙觀察智 方形 阿閦 寶幢佛 藥師 自心發菩提。發菩提心。發心 東 春 阿賴耶識→大圓鏡智 table:五輪塔
形 輪 密 (虹) 業
寶珠形 大樂輪。頭頂 如 (紫) 識
半月形 受用輪。喉 口 (藍) 口
三角形 法輪。胸 意 (綠) 意
圓形 變化輪。臍 身 (黃) 身
方形 守樂輪。祕密處 密 (赤) 業
裏に金剛界の大日如來の種字である वं (vaṃ。鑁) を書く
胎藏の大日如來の種子はअ (a。阿)
五大と曼荼羅の部との對應がズレてるんだよな…
table:ニンマ派死者の書
五大 部 色 五蘊 五毒
風 羯磨 (不空成就) 綠 行 嫉妬
水 金剛 (阿閦) 白 色 瞋
地 寶 (寶生) 黃 受 我慢
金剛界曼荼羅から見てもズレて當然ではあるけど、「死者の書」の對應はどこから來たんだ? table:ゲルク派死者の書
五大 五蘊 基時の五智 六處 (六根) 五境 (色蘊)
空 識 法界體性智 意 自性分別の心。顯明・空。顯明增輝・甚空。近得・大空。死の光明・一切空 table:サンワ・ニンボ
五大 知性 情動 (五毒) 外的 dkyil-'khor (女性的) 內的 dkyil-'khor (男性的)
空 2. 大圓鏡智 (melong lta-bu'i ye-shes。鏡のやうな原初的知性) 怒り (瞋) 空閒的な廣がり 悟性 風 5. 成所作智 (bya-ba grub-pa'i ys-shes。課題達成する原初的知性) 嫉妬 運動性 動機 火 4. 妙觀察智 (so-sor-rogs-pa'i ye-shes。差異を認識する原初的知性) 執着 (癡) 燃燒力 構造 水 3. 平等性智 (mnyam-nyid ye-shes。同じであることを知る原初的知性) 尊󠄁大さ 事物の凝集力 知覺 地 1. 法界體性智 (chos-dbyings ye-shes。法界を充たす原初的知性) 愚かさ (鈍) 堅固さ 感覺 知性の自己認識
あらゆる存在するもののうちには《ある》といふ同じものが働いてゐる
存在の優先性
存在の三一體
table:三一體
存在 音樂 音樂
ngo-bo (事實性 (facticity)) ドローン (道) 沈默
rang-bzhin (現實化) 旋律 (器) 音
thugs-tje (慈悲。共鳴配慮 (reasoning concern)) 響き (自然) 響き
燈明 (sgron-ma)
遠方に通達する投げ繩としての水の lamp (rgysng-zhags schu'i sgron-ma)
大腦→神經管→眼
トゥ (憤怒) ハ (神) 52 種類
自己生起する智慧の lamp (shes-rab rang-byung sgron-ma)
チャクラ→鼻
空性のティクレ (心滴) の lamp (thig-le stong-pa'i sgron-ma)
心臟→水晶 (カティシェル) 管→眼
純粹な空界 (イン) から放たれる lamp (dbyings rnam-par dag-pa'i sgron-ma)
心臟→眼
シ (靜寂) ハ (神) 48 種類
坐法 p.190
獅子の坐法 (法身 (dharma-kaya) の坐法)
象の坐法 (報身の坐法)
仙人の坐法 (應身の坐法)
rdzogs chen。大圓滿。大究竟。蘇悉地。大成就。atiyoga。great perfection。great completion 前行
加行
四大元素の音聲の yoga
コルデ・ルシェン (サンサーラとニルヴァーナの境界を見極める yoga。分離)
身口意の三つの門を淨化する yoga
正行
khregs-chod (境界を突破する。破斷)
トゥガル (跳躍)
空を見つめる yoga
金剛連鎻󠄀體 (rdo-rje lu-gu-rgyud)
ヤンティ・ナクポ
闇黑瞑想 (mum-mtsams)
五密 : 密身意口如
身口意の三密に、如密と密密とを置く
三密
身 (kāya)・口 (vāk)・意 (manas)
五業
業業・身業・意業・口業・識業
三業
五大
地・水・火・風・空 (ākāśa)
印契 (mudrā)
智拳印 (vajra mudrā) : 胎藏の大日如來の印
法界定印 (dhyāna mudrā。禪定印) : 金剛界の大日如來の印
五字嚴身觀
五相成身觀
祕密處
仙骨
下丹田
三脈七輪
細微身 (subtle body)
三脈
七輪。輪 (cakra)
頭頂。sahasrāra
紫
眉閒。ājñā-cakra
藍
喉。viśuddha-cakra
靑
胸。anāhata-cakra
綠
臍。maņipūra-cakra
黃
陰部。svādhişţhāna-cakra
橙
會陰。mūlādhāra-cakra
赤
サンデジクスム (三つの密敎)
グヒヤサマージャ (祕密集會)
チャクラサンヴァラ (勝樂尊󠄁)
ヴァジュラバイラヴァ=ヤマーンタカ (金剛畏怖尊󠄁)
三昧 (三摩地)
初加行三摩地 (最初のヨーガ)
本尊󠄁
マンダラ最勝王三摩地 (最高のマンダラの王)
マンダラ全體
羯摩最勝王三摩地 (最高の行爲の王)
發動
樂空無差別
灌頂
瓶灌頂
投花得佛
灌頂
金剛名
祕密灌頂
導師は大印と性的ヨーガを行ずる
白い精液と赤い精液の混合物を受者に飲ませる。受者は大樂を得、語金剛 (正語) となる
般若智灌頂
受者が女性と性的ヨーガを行ずる
五次第 : 分別心→顯明 (ナンワ)→增輝 (チューパ)→近得 (ニェルトプ)→倶生 (サハジャ)
白い精液と赤い精液の混合物を飲む
第四灌頂
以上の灌頂は悟りではなく悟りの練習に過ぎない
「汝は汝自身の父である」
https://gyazo.com/34829060fcd100fa5c8a605feee41107
赤白二渧
二根交會五塵成大佛事
理智不二
理
智
『阿吽字義』
阿 (अ。a)。赤。血。赤肉。母。女。左。海。眞。口を開く。胎藏。西。入門。善。慈。定。止。福。理。生界。月。色。瑜伽。相應。樓閣。虛空藏。愛染。地。最初カンラン。羯羅藍 (kalala)。發心。入我。愛染明王。煩惱卽菩提。表面の阿字。母の婬。衆生の肉。觀音 (觀自在)。魂神。惠那。修生 吽 (हूँ。hūṃ)。白。精液。白骨。父。男。右。山。言。口を塞ぐ。金剛界。東。出門。惡。悲。慧。觀。智。智。佛界。日。心。峰。頂。金剛界。觀音 (觀自在)。不動明王。天。始生アフトン。頞部曇 (arbuda)。菩提。我入。金剛薩埵。生死卽涅槃。裏面の阿字。父の婬。衆生の骨。自在天。魄神。佛身。本有 भ्रूं (bhrūṃ)
←→
父タントラ
ブッダとその性的パートナーが性的ヨーガを實踐して、マンダラを生成する process を追體驗する
ブッダは、あらゆる如來たちにとってあらゆる眞理の源泉である複數の女性たちの性器のなかにをられた
聖なる存在をこの場に生成しよう
祕密集會タントラ (ゲルク派)。幻化網タントラ (ニンマ派)。ヴァジュラバイラヴァ・タントラ
母タントラ
修行者自身の身體を靈的に變容させ、ブッダと合一させる
修行者自身が聖なる存在にならう
ヘーヴァジュラ・タントラ (サキャ派)。チャクラサンヴァラ・タントラ。サンヴァラ・ウダヤ・タントラ (カギュ派)
雙入不二タントラ
カーラチャクラ・タントラ (チョナン派)
次第
生起次第 (生成の process。キェーリム)
究竟次第 (完成の process。ゾクリム)
成就法
サマヤサットヴァ (約束の存在)
自分が一體となりたいと願って思ひ描く存在
ジュニャーマサットヴァ (智的存在)
どこからか顯現する存在
阿字觀
五色阿字
阿字の內に五輪を配する
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table:五色阿字
形 阿字 方位
寶珠形 第五畫 東
半月形 第四畫 南
三角形 第三畫 北
圓形 第二畫 中央
方形 第一畫 西
阿字五轉 (五位)
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ア。發心。羯羅藍 (kalala)。受胎後七日閒
アン。證菩提。頞部曇 (arbuda)。受胎から二七日 (一四日)
アー。修行。閉尸 (ヘイシ)。受胎から三七日 (二一日)
アク。入涅槃。健南 (ケンナン)。受胎から四七日 (二八日)。五輪塔
アーク。方便爲究竟。鉢羅奢佉 (ハラキャシャ)。受胎から五七日 (三五日)。赤子
金剛割五鈷杵
三鈷 + 二鈷
二鈷。女。蓮花杵
三鈷。男。金剛杵
人形杵
金銅製
銅造鍍金
やわ肌の如き質感 / 金銅の堅さ
雙立三鈷杵
髑髏本尊󠄁
尸林の宗敎 (cult of cemetery)
肉が朽ちても殘る骨 (舎利) は、まだ生きてゐる
六粒の人黃を含む頭頂。頭頂の骨を集めて作る
仁寛の舎利
護國思想
性と呪殺
中有
殯
三魂七魄
三魂
去って六道をさまよふ
七魄
現世に留まって遺骸 (髑髏) に住みついて鬼神となる
五次第
八十自性の分別の心
眞っ白に現れる心。顯明 (ナンワ)。空
眞っ赤に輝く心。顯明增輝 (チューパ)。甚空。極空
眞っ黑に近づく心。近得 (ニェルトプ)。大空
頭頂からの白い精液と、臍からの赤い經血とが、胸の不滅の滴に僅かに觸れる
死の光明。倶生 (サハジャ)。一切空。入定 (トゥクタム)
雙身の象頭身。歡喜天 (聖天)
荼枳尼
空行母 (カンドゥマ)
兩頭愛染明王像
愛染明王と不動明王の合體
愛染曼荼羅
愛染明王と大勝金剛の合體
yoga (瑜伽)。相應。つりあふ。ふさはしい
雙入 (yugananddha。雙連)
相卽相入
不二冥合
上方正報 / 下方依報
二重法界 : 本有 / 修生
修生始學門。メルクマール b
本有本覺門。メルクマール a
玄旨歸命壇
玄旨壇 + 歸命壇
父母交接和合する時、その際に心臟の鼓動を生命の證として聞くことができるのは、肉體の中ではなく宇宙 (天空) にうかぶ北斗七星の中においてである
「斗」字の橫の三點は女性・平面・三諦、縱の一點は男性・立體・一心
一心三觀
三諦と一心とは中央で交はる
摩多羅神
凡聖不二。生佛一如
觀心主義
衆生はそのままのありやうといふ立場に立って、覺りの性 (本覺) を直觀し、自己の宗敎體驗を絕對視することによりどころを見出す
男女和合は往生の一形態 (樣式美) であったと考へられる。がゆえにこのやうな和合のカップルは形式的には「かたち」として一對の姿をとりながらも、現實には煩惱 (愛染) の世界にさまよひ出でては男女別々に依存しあふのである。そのやうな場合は、はからずも男と女は先 (行くさき、未知の世界) に迷路の存在を豫想してゐる。つまりこの迷路の中に、男女の正と業にかかはる因果が宿命として介在してゐるのに氣づく。
symbolism で代替する。image の中で process する
內護摩 / 外護摩
空海がたとへその婦人を見て欲情を覺えたところで、かれの思想でいへば恥ずべきことではなかったであらう。
婦人をみて欲情することを恥じず、むしろその欲情を瞬時に內護摩できないことを空海は恥じるといふ思想にまで、このときすでに達してゐたであらう。
考へてみれば、兩部の大日を肉體の男女に當てはめることそれ自體が、不淨の行なのである。しかし生身のわれわれ人閒が密敎の法を修める際に、惡見邪見がこの肉體に附隨することはさけて通れないことでもある。さういふ考へ方をもつ人は、いづれ諸天の罰を受けるしかない、といってゐる。
眞言行者が嚴しい修行 (苦行) を達成するにあたって、肉體を信ずれば信ずるほど性欲と意欲 (行を完遂したいといふ) は相反して、その差はひろがってしまふに違ひない。
「佛になりたい」、「卽身成佛」を完成したい、「佛に同化・融合」したいといふ願望は、形而上の卓上の論議ではなく、つきつめればつきつめるほど、人閒の生命感の中では繪に描いて、「このやうな姿になる」といふ實寫を描いて見せたはずである。「佛になる」ことを一つの境地の具現としてとらへた、繪にかいた餠ではない、繪にかいた現實「そこに在る佛の姿」の表現を成した姿・形であったに相違ない、と私は立川流をとらへる。生きてゐる人閒にとって、何よりも重要なことは、生命の中で事實をあいまいにせず、繪に描いたらかうなる、といふ感覺で推し量った解釋、これが立川流の本體ではなからうか。