小野善康「貨幣經濟の動學理論: ケインズの復權」1992/3/10
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flow | stock
時點閒の選好 (時閒選好率$ \rho) によって調整される 時閒選好率としての利子率 ($ \pi曲線) ≒ IS 曲線 flow の財市場の調整
資產$ aがいくら增えても資產 (富) 自體から得られる效用が正$ \lim_{a\to\infty}u(a)>0
時點內の選好 (所得-消費と資產の限界代替率) によって調整される
流動性選好率としての利子率 ($ ℓ曲線) ≒ LM 曲線 貨幣の stock 市場の調整
小野善康、橋本賢一「不況の經濟理論」2012
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所得 = 消費$ c+貯蓄 (資產$ a)
消費$ c←時閒選好率$ \rho+物價上昇率$ \pi 今の消費を我慢することによる不滿分をちょうど補ふだけの將來の消費增分。
消費$ cは物價の絕對水準$ P(圓) と物價の變化率$ \pi(%) によって變化する
物價の絕對水準$ Pが低ければ金融資產の實質量 ($ mと$ a) が大きくなるから、貯蓄意欲$ \gamma+\deltaが下がって、消費を刺激する。
inflation (物價の變化率$ \piが正) なら金融資產は目減りしていくため消費意欲$ \rho+\piが高まり、deflation なら金融資產のの實質價値が上がっていくため、消費意欲を抑へてしまふ。
資產$ a←資產 premium$ \delta(a,c)
資產 premium$ \delta(a,c)
資產と消費の限界代替率$ \frac{{\rm d}資產額}{{\rm d}消費額}=-\frac{\frac{\partial 效用(資產額,消費額)}{\partial 消費額}}{\frac{\partial 效用(資產額,消費額)}{\partial 資產額}}
資產を一定期閒 1 圓多く保有することで生まれる附加的な滿足度と同等の滿足度を、モノの消費を今增やすことによって得るには、どのくらいの額が必要か。
資產$ a=收益資產$ b+貨幣$ m
收益資產$ b←收益率$ R
收益率$ R
貨幣が大量にある經濟では、利子率はゼロになる。
貨幣$ m←流動性 premium$ \gamma(m,c)
流動性 premium$ \gamma(m,c)
貨幣と消費の限界代替率$ \frac{{\rm d}貨幣額}{{\rm d}消費額}=-\frac{\frac{\partial 效用(貨幣額,消費額)}{\partial 消費額}}{\frac{\partial 效用(貨幣額,消費額)}{\partial 貨幣額}}
貨幣を 1 圓多く持つことによる取引の便利さからの滿足度と同じ水準の滿足度を消費によって得るには、消費をいくら增やせばよいか。
貨幣量$ mが增えるにしたがって流動性 premium$ \gammaは低下し、ある程度以上になればゼロになってしまふ。
消費量$ cが增えていけば、取引のためにより多くの貨幣が必要になるため、貨幣の持つ流動性の便益$ \gammaは上がっていく。
※premium
基本方程式$ \gamma(m,c)+\delta(a,c)=\rho+\pi
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名目利子率$ Rと流動性 premium$ \gamma(m,c)が等しい$ R=\gamma(m,c)狀況へ均衡する
$ m=\frac{M^s}p
$ \pi:=\alpha\cdot\left(\frac{y-y^f}{y^f}\right)=\alpha\cdot\left(\frac{c+i+g}{y^f}-1\right)
價格調整速度$ \alpha
物價調整の效率性。市場が整備されてゐるほど大きい。
超過需要率$ \frac{y-y^f}{y^f}
モノの總需要$ y
閉鎖經濟では$ y=c+i+g
人々の消費$ c
企業の投資$ i
政府需要$ g
開放經濟では、$ 經常收支=rb^*+y-(c+g+i)=0である故に$ y=c+i+g-rb^*
所得收支$ rb^*
對外純資產$ b^*からの利子や配當の受け拂ひ
對外純資產$ b^*
對外資產の實質利子 (收益) 率$ r
貿易收支$ y-(c+i+g)
$ 輸出-輸入
國民所得$ rb^*+y
總需要$ c+i+g
生產能力$ y^f
日本全體で働きたいと思ってゐる人々の勞働力 (= 勞働供給) をすべて使って生產することのできるモノの總量
實現できる生產量は人々が買ふモノの總量 (= 總需要) までだから、總需要が勞働需要を決める
因果關係
政府がモノを購入すれば (政府需要$ g)、總需要$ yが增えて物價變化率$ \piが上がり、基本方程式の右邊に與へられる消費意欲を刺激する。しかし、政府が一律給付金など、實需を伴はない支出をしても、モノの需給に直接影響を與へないため、消費・貯蓄の決定は影響を受けない。
企業が效率化したり、投資を增やして生產設備を擴充したりすれば、生產能力$ y^fが擴大して物價變化率が下がり、右邊が減少して消費意欲が下がる。
勞働市場の自由化やハローワークの充實、物・service 市場の整備は、價格調整速度$ \alphaが上昇し、物價や賃金が需給狀況に應じてすばやく變化するやうになるから、inflation の場合にはinflation 率が、deflation の場合には deflation 率が上がって、基本方程式の右邊に示される消費意欲に影響を與へる。
日本銀行が貨幣供給を增やして市中に流せば (金融緩和)、家計の保有する實質貨幣$ mも實質金融資產$ aも增える。同樣の效果は、需要不足によって物價が下がる場合にも生まれる。物價が低下すれば、金額表示の名目貨幣量が同じでも貨幣の實質量は增える。また、債券價格や株價が上がった場合にも、實質金融資產$ aが增える。實質貨幣$ mが增えれば、取引への必要性 (流動性選好) が下がってくるとともに、資產の總量$ aも增えるから、資產をさらに增やしたいといふ欲望 (資產選好) も減ってくる。そのため、流動性 premium$ \gamma(m,c)と資產 premium$ \delta(a,c)はいづれも低下する。收益資產が增えると、取引の便利さとは無關係だが、資產をさらに增やしたいといふ欲望は下がるから、資產 premium$ \delta(a,c)だけが下がる。いづれの場合にも、この 2 つの合計$ \gamma+\deltaで測られる貯蓄意欲 (左邊) は低下し、右邊の消費意欲を下囘るため、人々は貯蓄を減らして消費を增やす。 魅力的な新商品が生まれれば、實質金融資產には直接影響を與へないが、人々にカネを貯めずにすぐ買ひたいと思はせるから、資產 premium$ \delta(a,c)が減少して左邊の貯蓄意欲が下がり、右邊に示される消費意欲を下囘って、消費が刺激される。
生產效率化や作業の省力化を圖って cost を下げ、同じ仕事が以前より少ない人數でできるやうになれば、勞働生產性も上がって賃金も上昇するし、企業の競爭力も改善して利益も上がる。しかし、このやうな好循環が企業內だけにとどまらず、經濟全體に廣がるためには、省力化によって當該企業で餘った勞働力が他の產業や企業で吸收され、新たな仕事に從事できてゐなければならない。
成長社會 | 成熟社會
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成長社會$ y=y^f
消費選好優位
消費選好
好きなときに好きなモノと交換できるといふ機能への需要
貨幣への欲望が取引の便利さといふ流動性への選好だけにとどまてゐる限り、欲望の範圍は日常のモノの取引に必要な量に限られてゐるはず
同時點內でのさまざまなモノへの割り振り→micro 經濟學
今か將來かの割り振り→macro 經濟學
開放經濟での消費決定$ rb^*+y^f=c+i+g
カネの動きはモノの動きを反映する
金融政策が效く
總需要$ yが常に生產能力$ y^fに見合ふ値に調整される。その結果、生產能力が經濟活動 level を決める
生產能力が小さい經濟では總需要は不足しないため、經濟活動は生產能力が決める
成長經濟では、生產能力$ y^fが實際の經濟活動となるため、企業は效率化を圖り、家計は貯蓄に励んで餘った生產物を投資に囘すことが經濟成長につながる。
不況
生產能力の低迷するため。
技術水準の低さ、非效率な生產活動、勞働者や經營者の能力や意欲の缺如などによる
財市場や勞働市場の非效率性や硬直性により、物價や賃金が圓滑に調整されず、實質金融資產量がなかなか適正水準にならずに總需要が不足したり、需要情報の不備でモノや勞働が充分に取引できなかったりするため。
new Keynesian 理論
search・matching 理論
inflation targeting 理論
企業金融や家計金融 (銀行ローン、住宅ローン、消費者金融など) に缺陷があり、將來の返濟能力など、借り手の信用度に過度の不安があるために、投資資金や消費資金が必要な人々に囘らず、投資や消費が抑へられるため。
企業金融の信用制約
ベンチャー企業・ゾンビ企業
家計信用情報の不備
成熟社會$ y<y^f
時閒を超えた購買力の保藏手段
使ひ道の決定を先延ばしすることができる
必需な消費は滿たされる。それ以上の消費には cost がかかる
消費をするのに調査、硏究、訓練が必要になって、消費といふ行爲が面倒になる
カネさえ持ってゐれば、使ひたいときに自由に使ふことができる。この自由といふ便利さを得るのにコストはかからず、さらにカネをたくさん持ってゐるほどいくらでも廣がる。他方、必要以上に增やそうとすると苦痛になる。
豐かになるはど貯蓄意欲が高まる
資產格差が擴大する
富のポンプ
誰を支へる爲の「生產能力が充分」であるのか
生產能力が低く、1 人當たりの平均資產量も少ない成長經濟であっても、資產が少數の人々に集中し、格差が廣がっていくにつれて、成熟經濟のやうな總需要不足と長期經濟停滯が起こる
消費選好と比べて資產選好が强ければ、カネの無駄遣ひに對する國民の心理的抵抗は強い。
金融資本は消費の抽象的な可能性を確保する
GDP の數倍といった量の金融資產擴大に應じた總需要の增大があるなら、經濟全體の生產能力をフル稼働させても、とても總需要を滿たすことはできないので、金融資產の信用は崩壞する。しかし、人々の金融資產への信用が搖るぎないものであり、資產選好によって、カネを使ふよりも保有することに喜びを見出だすなら、モノと交換できるはずといふ信用だけで膨張してきた金融資產は、實際には、ほんの一部しかモノの購入に囘されない。さうであれば、金融資產にそれだけの價値がないことが永久に露見しないため、皆が殺到してモノに交換しようとすることもなく、金融資產の信用は維持されてバブルは崩壞しない。 自由からの逃走
總需要が不足する
資產を持ってゐる豐かな人々は資產相應の消費をせず、他方、貧しい人々は貧しさゆえに消費が充分にできない。そのため、總需要が不足して不況になる。
變化した基本方程式$ \bar\delta(c)=\rho+\alpha\cdot\left(\frac{y-y^f}{y^f}\right)
ゼロ金利$ R=\gamma(m,c)=0になる
流動性 premium は、貨幣$ mの膨張に伴ってゼロになってしまふ
資產 premium$ \delta(a,c)は下限$ \bar\delta(c)に張り附き、資產$ aによっては變化しなくなる
資產 premium$ \delta(a,c)は資產$ aが增えていっても、さらに資產を貯めたいといふ意欲が殘るため、正の値のまま
新消費函數$ c(y;y^f)
消費$ cは、物價の絕對水準$ P(圓) に依存せず物價變化率$ \piによって決められ、つまり總需要$ yと生產能力$ y^fの不一致の程度だけに依存するやうになる
≠ケインズの舊消費函數$ c(y-t+s)
可處分所得$ y-t+s
所得$ y
稅金$ t
給付金$ s
$ y=c(y;y^f)+g+i_0
生產能力を擴大しても意味がないため、企業は現在の生產設備の補修や更新以上の投資をすることはない。投資$ iは減價償卻分に對應する一定値$ i_0である
開放經濟での消費決定$ y=c(y;y^f)+g+i_0-rb^*
カネの動きがモノの動きを反映しなくなる
生產能力が大きくなりすぎると、資產選好によって消費が伸びず總需要不足が起こる。このとき經濟活動は、生產能力ではなく總需要が決める。 「生產力が餘ってゐる」といふより、資產を擴大する事に過剩な生產力が割り振られてゐる (人手不足 (←→失業)) と考へるべきだらう
株式市場の本來の役割とは、廣く一般から豐富な投資資金を集めて、大きな收益をを生む能力があると豫想される企業に、將來の收益見込みに應じて資金を提供し、自由に生產活動が行へるやうにすることである。ところが、生產能力が擴大して豐かな成熟經濟になり、人々の資產選好が膨張すると、株式市場は、有望な企業に充分な投資資金調達の機會を與へるといふ本來の役割とは無關係に、ギャンブルとしての欲望、單に金を稼ぎたいといふ欲望を滿たす service 提供の場と化す。その結果、企業收益の將來性を見ずに、人氣といふことのみが獨自の價値を持って、株價を膨張させるやうになる。 成熟經濟では、すべての企業が利益を增やそうとして效率化 (process innovation) を圖れば、生產能力が上がり、人餘りが擴大して deflation が惡化し、不況が深刻化する。
成熟經濟では總需要は限られてゐるため、すべての企業が同じやうに效率化・省力化を圖れば、各企業の相對的な競爭力は變はらず、個々の企業のシェアも販賣量も伸びることはない。その結果、經濟全體で效率化した分だけ勞働力が餘って失業が增え、deflation が惡化して消費が減り、最終的にすべての企業の賣り上げも減って、景氣は惡化する。
一人當たりの生產性 (額) は實體經濟に影響しない
失業を減らす→少ない總需要を多人數で分け合ふ (日本)
失業の許容する→生產性の高い人で總需要を獨占する (フランス)
收奪的 innovation
成熟經濟では、特定の新製品への消費意欲は高まるが、その分だけカネの魅力も高まって資產 premium を押し上げるため、消費全般への購買意欲は下がってしまふ。そのため、好調な新製品販賣の蔭で既存の製品が賣れなくなり、景氣全般はよくならない。
包攝的 innovation
革新の程度が大きく、新製品の登場によって生活樣式が大幅に變化し、總需要不足が解消されて供給不足が起こるほどであれば、經濟を成長段階に引きもどすことになり、生產能力の擴充がそのまま經濟成長につながる。さらに、その規模が大きければ大きいほど當初のモノ不足も大規模になり、經濟が成長段階にとどまる期閒が長引いて、好況と高度經濟成長が續く。しかし、それらの生產能力が整ひ、新製品が人々に充分に普及すれば、結局は成熟段階に入って、經濟は再び長期の總需要不足による不況に惱むことになる。
家計がカネの儉約に走っても、それはカネを貯めることそのものが目的であり、將來消費を增やそうと思ってゐるわけではない。そのため、消費が減るだけで投資は增えず、總需要$ yがますます減って生產能力との gap$ y-y^fが廣がり、deflation が惡化して、人々の消費意欲をますます削いでしまふ。
財政支出
政府需要
モノや人への需要を作り出す
政府がモノを購入したり人を雇ったりするので、總需要が增えて生產能力との gap が埋まり、賃金や物價の下落傾向が緩和される。消費者にとってみれば、それは消費を我慢して金融資產を保持することのメリットを引き下げる效果を持つから、人々の消費を促し、總需要を押し上げる。
消費が低迷して生產能力が餘ってゐる成熟經濟では、民閒の生產活動を犠牲にしなくても、餘剩生產能力を使って社會インフラや公共 service を提供することができる。
政府需要$ gが民閒生產物と代替的$ \bar\delta(c+g)=\rho+\alpha\cdot\left(\frac{(c+g)+i_0}{y^f}-1\right)
政府需要$ gが民閒生產物と無關係$ \bar\delta(c)=\rho+\alpha\cdot\left(\frac{(c+g)+i_0}{y^f}-1\right)
$ gが增えれば純粹に消費 (右邊) が增大する
環境政策
成長經濟では、環境對策に勞働力を囘せば、モノの生產に投入する勞働力や資本を減らすしかないため、モノの生產が減り、消費できる量が減ってしまふ。また、廃棄物處理による直接的な環境の改善だけでなく、處理に人手や資本を取られることによるモノの生產減少によって、廃棄物の排出自體が減るといふ閒接效果も生まれる。
經濟活動と環境との trade off
成熟經濟では、環境の改善は民閒で生產される製品の代替品ではなく、生產性を引き上げるものでもなく、純粹に生活の質を引き上げるもの
廢棄物を處理する雇傭が創出される。消費を擴大させる
移轉支出
政府は何も買はず、直接お金を人々に渡す
お金を渡すだけで新たな需要を作らないため、物價變化率にはまったく影響を與へない。總需要にも何の效果もなく、そのため消費にも景氣にもいっさい影響を與へない。
景氣刺激のために民閒にお金を配るなら、對象は資產の少ない貧しい人たちに限定すべきである。
再分配をすれば、總需要が擴大するから經濟全體での總生產も擴大し、貧困層だけでなく富裕層の所得も增加させる
資產のある人への增稅も減稅も消費に影響せず景氣に影響しない
成熟經濟では、經濟を成長段階に戾してしなむやうな極端な大增稅を行はない限り、增稅による景氣へのマイナス效果はない。
貿易
金融緩和
成長經濟においては、金融緩和によって爲替操作をしようとすると圓安になるが、その分は物價上昇で相殺され、實質的な效果を持たない。
成熟經濟では、金融緩和は物價にも經常收支にも何の影響も與へず、圓安壓力も生まれない。
海外からの特需は、直接的には日本製品の賣り上げを伸ばして雇傭を增やす。しかし、それによって經常收支の黑字が擴大するため、圓高が起こって日本製品の國際競爭力は落ちてくる。特に日本製品と代替可能な外國製品が豐富にあるなら、國際價格にわずかな差があっても、世界の需要は日本から離れてしまふ。この需要減少は、海外特需分を相殺して經常收支がもとの水準を恢復するまで續き、そこで圓安が止まる。
日本製品が外國製品とは代替の效かないものであれば、海外特需によって經常收支が黑字化し圓高が進んでも、なかなか輸出は減らず、一方、輸入額は圓表示で安くなるため、經常黑字はなかなか下がらない。そのため圓高は、海外特需による需要擴大效果を相殺する水準を越えてさらに進んでしまふから、特需以前より不況を惡化させる結果となる。
內需を增やして經常收支を惡化させれば、圓安が起こって、內需だけでなく外需も增える。
日本が成熟經濟であれば、外國製品の生產が上昇し、競合する日本製品の國際競爭力が落ちれば經常收支が惡化して圓安を招く。圓安は日本製品の國際價格を下げ、それが競合する外國製品の價格と同じ水準にまでなれば、日本製品はもとの輸出量を恢復することができる。しかし、圓安によって日本製品の外貨建て價格は下がってゐるから、外貨建ての輸出賣上高が減り、他方で輸入品の外貨建て價格はそのままであるから、日本の經常收支はまだ赤字である。そのため圓安がさらに進行し、日本製品の國際競爭力が以前よりも增して、生產も雇傭も增え、deflation gap が縮小する。その結果、消費が刺激されて總需要が伸び、雇傭も國內総總生產もさらに增える。
日本が成熟段階にあって總需要不足に陥ってゐれば、日本製品で代替できない外國製品の生產性が上昇すれば、日本製品に比べた相對價格が下がるから、以前と同じ量を輸入しても支拂額が下がって、日本の經常收支黑字が擴大する。その結果、圓高になって日本製品は國際シェアを失ひ、日本國內の雇傭も減って deflation gap が擴大する。それが deflation を惡化させて消費を抑へ、總需要も減って deflation 不況が深刻化してしまふ。
生產が海外移轉してゐれば、製品生產が國內外で代替可能でなくなる
經濟援助
成熟段階にある先進國は、對外援助によって資產を減らすから、海外からの利子・配當收入が減って經常收支が惡化し、通貨安になる。このことが自國製品の國際競爭力を改善してシェアを伸ばし、雇傭を改善するから、deflation が緩和され消費が增えて景氣は上向く。他方、消費意欲の强い成長經濟である被援助國は、より多くの資產を保有する (あるいは、對外債務が減る) ことになるから、より多くのモノが消費できるやうになって、人々の生活は豐かになる。