ダークパターン
消費者操る「ダークパターン」 国内サイト6割該当:日本経済新聞
ネットユーザー欺く「ダークパターン」、あなたも被害?
“ダークパターンとは、ユーザーを騙して何かを購入させたり、登録させたりするなど、意図しないことを実行させる、Webサイトやアプリで使われているトリックのこと”(筆者訳) ── ハリー・ブリグナル darkpatterns.org
ダークパターンの例
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ダークパターンについて扱っているサイト
【30億円を生み出したセルフオーダーレジ】マクドナルドの成功の裏側をUXデザインの観点から紐解く
マクドナルドは、セルフオーダーレジの導入により約30億円の追加利益を生み出した。 この増益は、主に顧客がセルフオーダーレジを使うことで平均客単価が上昇したためである。マクドナルドのCEOは、セルフオーダーシステムによって顧客が従来よりも多くの商品を注文する傾向があると述べている。(参照元)
この記事では、セルフオーダーレジがどのようにして成功を生み出したのか、UXという観点からユーザー体験の向上と企業の利益の両面から探っていく。 シンプルさ
カスタマイズ性
楽しい操作感
多言語対応
ナッジング
アップセリング
バンドル販売
クロスセリング
ダークパターン
A/Bテスト
結論:UXデザイナーはユーザーの利益と企業の利益のバランスを考えた設計が重要
①ビジネス目標の理解
②長期的価値の創造
③クロスファンクショナルなコラボレーション
ダークパターンだからダメですといってもそれで数字上がっているなら、安全地帯から正論言っている人と思われて、誰も動かせないという状態になってしまう。 UXだけでは足りない何か
意図されたBad UX
車を運転する人なら経験したことがあると思うが、「近づかないと識別できない信号」というのがある。
この手の信号は、近付くまで青なのか赤なのか判別できない。そのため信号の近くになるまで、このまま進むべきか、ブレーキを踏むべきか、とドキドキさせられる。
先日までペーパードライバーだった私は、当初、スムーズな運転を妨げてストレスを感じさせるこの信号を、液晶の表示角度などの計算を誤った設置ミスだと思っていた。
しかしこれは、複雑な交差点などでの交通事故を防ぐために意図的に仕掛けられたもののようである。
いちドライバーとしては、けっして心地よい体験ではない。しかし、社会全体にとっては良い方向に向かうようデザインされた信号といえる。
このような「意図的にユーザー体験を悪化させたデザイン」は、他にも色々存在する。
牛丼チェーンの吉野家の椅子には、背もたれがない。椅子に座って寛げないようにすることで、回転率を上げるための工夫である。 「牛丼チェーン店のイスにはなぜ背もたれがないのか?吉野家がこだわる『お客さんがくつろげない』工夫」
これも「ゆっくりと落ち着いて食事ができる」という観点からすれば、顧客にとって望ましくないデザインである。一方で吉野家にとっては回転率アップという望ましい結果を生む。その点だけを見れば、「企業都合のデザイン」といえるかもしれない。
しかし見方を変えれば、こうした企業努力が「安くて早くて美味い牛丼が食べられる」という根幹の顧客価値に繋がっている。店内において意図的に顧客体験を劣化させているのは、より重要な顧客体験を守るため、ともいえる。(現在の吉野家は、店舗コンセプトの多角化が進んでおり、椅子に背もたれがある店舗も存在する)
また、多くのファストフード店のメニューでは、意図的に見づらいデザインが選択されているようである。
ファストフード店のメニューが“見づらく”作られている、納得の理由
記事によれば、見づらいデザインによって企業側が優先的に買って欲しい商品に顧客を誘導することに成功している、とされている。果たしてこれは、顧客体験という観点では、どう捉えるべきなのか。
自らの意思を持って選びたい顧客にとっては、望ましくないデザイン、体験を阻害されるデザインと言える。企業が収益性を高めるために仕掛けたダークパターンと捉えることもできる。
しかし、すべての顧客がレジを前にして冷静な選択をしたいわけではない。なんとなくの希望しかない状況の中、限られた時間内で意思決定するには、ある程度誘導してくれた方が楽、という人もいる。「選択疲れ」という言葉もあるが、多くの選択肢が提示されて選べることが、顧客やユーザーにとって常に望ましい体験とは限らない。
この見づらいデザインは、自分の意思で選ぶことに拘らない顧客にとっては、体験上の利益(例:選択のショートカット)に寄与するデザインという見方もできる。