モスバーガー
ぼくはホッした。モスバーガーを食べ終わったからだ。たまに紙の底に残ったデロデロまで残さずなめる人がいるけど、それがぼくだ。
もうこれで、ぼくの口の周りがこんなにも汚れてしまうことは、次にモスバーガーを食べる来月までない。ぼくは毎月、極限まで食費を切り詰める自分へのご褒美に、これでなんかうまいもん食べなよ、と千円札を渡すことにしているのだ。お釣りはもらえることになっている。
ぼくは口の周りを各テーブルに備え付けてある紙ナプキン五枚を投入して完膚なきまでにふき取ると、味のモスバーガーさんオリジナルのオニオンリングに手を伸ばした。ぼくは、バーガーを食い終わるまでオニオンリングやポテトに手をつけないことにしている。そのあと、時間をかけて本を読むからだ。ちなみに今日の本は柴崎友香の『ショートカット』、それがおさまっているブックカバーは、合宿先のテーブルに敷いてあるような透明な固めのビニールで出来ていて、本とカバーの間には自分で雑誌を切り貼りして作った見せ紙が入っている。この見せ紙は2007年上半期にぼくがした全仕事の中で最も重要とされている。 オニオンリングを右手に持ったまま、紙ナプキンをさらに二枚使用してテーブルを入念に拭いた。これで完璧だ。
ぼくはオニオンリングをかじった。ひと口かじっただけなのに、衣のほとんどが手の中にあるのに、ぼくの口の中には全オニオンが入っていた。ぼくは、いつものことさ、とアイスティーをすすった。
そんな田舎の読書環境として個人的にはまぁまぁアクセス可能である悪くないものとしては、モスバーガーがある気がしている。 コーヒーのおかわり100円も始めてくれたし、まぁまぁ空いている事も多く、人が居てもそんなうるさくない事が多い(ファミレスやマクドと比べて)。 モスバーガーが田舎の住環境の恵まれてない人に提供している社会的価値はとても高い気がしている。 今の伊豆の住居でも、岡山の頃の住居でも、モスバーガーをよく使っていた。徳島でもまぁまぁ使ってた気がする。 今の住居を選んだ理由にも、悪くない感じのモスバーガーがまぁまぁの距離にある、というのは理由の一つ。 田舎でまぁまぁ使える読書環境には、図書館もあると思う。 ただこれは地域差が大きくて、あんまり普遍的では無い。 田舎の図書館はめっさガラガラな所がある。 ただアクセスが良いかは地域による。 車社会でありながら町中で車やバイクのアクセスが悪いと、あまり使う気にならない。 また、椅子や机がほとんどなかったり、いつも埋まってる図書館もある。 あと夜が早い所が多くて、夜の読書環境には使えない所が多い。 夜落ち着いて本を読んだり計算をしたりする場所がある、って大切だと思う。 これはどこの地域でも普遍的にアクセス出来ると良いのになぁ。 そんな訳でモスバーガーの社会的意義は高いと思っている。頑張れモスバーガー。 カロリー高くないおやつを増やしてくれるともっといいぞ!