具体と抽象
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細谷功 著
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https://zine.qiita.com/original/2018-book-mailmagazine/
この記事で知った
「具体はわかりやすい,抽象はわかりにくい」抽象が悪者扱いされているが,抽象こそイノベーションに必要な技術
抽象化とは枝葉を切り捨てて幹を見ること
抽象化の性質
抽象化の構造が階層的になっていることで,抽象化の威力が増す.
階層の上位が持っている性質を下位の階層がそのまま引き継ぐから(逆はそうではない)
OOPでいうところの継承
抽象度のレベルが違うとかみ合わない
本質を捉える
本質を捉えるとは
いかに表面事象から抽象度の高いメッセージを導き出すかということ
自由度
抽象とは,「解釈の自由度が高い」ことを意味する
受け取る人によって好きなように解釈ができる
人に仕事を頼んだり頼まれたりするときにも,その人の好む「自由度の大きさ」を考慮する必要がある
「こんな感じで適当にやっておいて」と言われて,「いい加減な『丸投げ』だ」と不快に思う人は具体レベルのみに生きる「低い自由度を好む人」です.こういうタイプの人に自由度の高い仕事の依頼をしたあとに「たとえばこんな形で」と具体的なイメージの例を伝えてしまうと,それを「たとえば」にならず,文字通り「そのまま」やってしまいます.「たとえば」によって抽象度を下げて上位の概念を伝えようとしている意図が全く伝わらないからです.
逆に自由度の高い依頼を チャンスと捉え,「好きなようにやっていいんですね?」とやる気になる人が「具体<->抽象」の往復の世界に生きる「高い自由度を好む人」です.
価値観
table:自由度
上流 下流
抽象度が高い 具体性高い
全体把握が必須 部分への分割可能
個人の勝負 組織の勝負
少人数で対応 多人数で対応
創造性重視 効率化重視
多数決は効果なし 多数決が効果あり
多数決
上流では個性が重視され,「いかにとがらせるか?」が重要なため,多数決による意思決定はなじみません.多数の人間が関われば関わるほど「無難」になっていくからです.
下流の仕事は誰でもスムーズに行くように体系化,標準化する必要がある
上流下流どちらかがよいではない
どちらの価値観を快適に感じるかで適した仕事がわかる.仕事の特性によって適材適所である必要がある
抽象度の高い仕事は赤ペン添削できない
白紙から考え直し
質と量
「良い法則」の1つの絶対的な条件は「適用できる範囲が広い」ということ
「1を聞いて10を知る」 < 「1を聞いて100を知る」
二者択一と二項対立
二者択一は具体レベル
抽象度を上げると二項対立に帰着する
ベクトル ~哲学,理念,コンセプトの役割とは~
アナロジー~パクリとアイデアの違い~
アナロジーとは
類推のこと
異なる世界と世界の間に類似点を見つけて理解
新しいアイデアを発想する思考法
「抽象レベルのまね」
パクリは抽象度の低い直接的に類似性のあるものを盗むこと
抽象度の高い,関係性や構造は合法的に盗み放題であるし,誰も盗みと気づかない
身の回りの「一見遠い世界のもの」をいかに抽象レベルで結び付けられるかが創造的な発想力の根本
階層
抽象化して話せる人は,「要するに何なのか?」をまとめて話すことができます.膨大な情報を目にしても,つねにそれらの個別事象の間から「構造」を抽出し,なんらかの「メッセージ」を読み取ろうとすることを考えているからです.
たとえば,500ページの資料を指定された時間で説明するとき
30秒:骨子だけ
3分:骨子と3つのポイントを
30分:詳細までじっくりと
究極の抽象化はタイトル付けですね?
バイアス~本末転倒が起こるメカニズム~
理想と現実~実行に必要なのは何か~
抽象化はマジックミラー
抽象を使っている人は具体を使える
具体を使っている人は抽象を扱えない
よくわからないものとして切り捨てる傾向
一度抽象を使うとなしには戻れない
相手と状況に応じて使い分けよ
抽象的だからわかりにくい
これはクローズアップされがち
具体的すぎてわかりにくいこともある
共通と相違~抽象化を妨げるものはなにか~
高い抽象レベルを持っている人ほど,一見異なる事象が「同じ」に見え,抽象度が低い視点の人ほどすべてが「違って」見えます.
抽象化を妨げるもの
自分だけが特別である
自分の仕事や業界が特殊である
他人の成功例や失敗例を見ても「あれは自分とは違うから」と考えがちで,他人に自分の話を一般化されることを嫌う傾向があるらしい
どうすれば抽象化思考をうながすことができるのか
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