スピーカー・ユニットの制振手法
調査中
#日記 #2025年 #2月24日 2025年2月-24 18:22
#自作スピーカー
FR085CU02を、コイズミ無線の9mm厚の1L箱に納めたときに、ユニット背面の磁石も固定すると解像度が増すことに気付いたので、先行事例を調べてみた。
オーディフィルさんのブログによれば、パイオニアはミッドシップマウント(1980年頃〜2000年頃)と呼ばれるユニット固定方式を採用してユニット後部(重心?)を固定していたが、2000年以降は用いなくなったようだ。現在でも、TRIANGLEのスピーカーにはユニット後部の制振機構が採用されているが、固定方法には、様々なバリエーションがあり、その狙いも異なるようだ。
エンクロージャの強度などとの兼ね合いで採用効果が変わると思われる。どういう場合に、どのような方式が有効なのかを見極めて用いる必要がある。しかし、分解能や情報量などを計測する手法は明らかになっていない(私が知らないだけかも)ので、有効範囲を示す技術情報は見当たらない。
私は、小さな箱・ユニットで、TRIANGLEの方式について、簡単な実験をしておこうと思う。エンクロージャ内部にフレームを入れて、ユニットやダクトを固定する。ユニットを固定するために、フレームとユニットの間にアダプタを取り付ける。アダプタの設置位置をかえて、ユニット固定の有無を切り替えられるようにした同一内容積のエンクロージャを使って、音質に対するユニット固定効果を調べる。準備に手間がかかるが、内部フレーム作りなどは、今後の役に立つだろう。バッフルを厚くしたエンクロージャとも比較したい。
「スピーカーユニットの固定方法(05)」(オーディフィル公式ブログ)
パイオニアのミッドシップマウント(1980年頃〜2000年頃)などに言及あり。パイオニアは2000年以降、採用せず。
板厚が薄い場合に効果ある? フロントバッフルその他板材を厚くした場合とも比較したいところ
TRIANGLEの DVAS SYSTEM
エンクロージャ内部の補強フレームとドライバの後部の間に高密度EVAフォームガスケットを設置し、ドライバを制振する。
吉田苑にあった日本語でのDVAS紹介
denonのSC-Cc101/303は、板を押しあてて固定
https://audio-heritage.jp/DENON/speaker/sc-cx101.html
関連手法として、外部の振動をユニットへ伝えないようにする、という上記とは真逆(?)の発想に基づく工夫として、フローティングマウントとデッドマスの組み合わせた手法もある。
薩摩島津のフローティングマウントとデッドマス
ユニットそのものの振動を抑えつつ、かつ、箱の共振や定在波などの外部の振動の影響も抑えつつ、というのは、実現するのは大変そうである。コンパクトなユニットであれば、ユニットに重りをつけるデッドマスがもっとも簡便だ。
あとは、上述のTRIANGLEのDVASのEVAフォームガスケットのようなポリマー素材で制振する方法。振動吸収性能だけでなく、耐久性や、耐熱性も必要なのだが、入手しやすい素材はないだろうか。遮音シートは、適度に柔らかく、重ね貼りをして厚みを変えられるので、扱いやすそうだし、EVAや塩ビ素材のものであれは80度(継続利用なら50度?)くらいまでは耐えるので、(熱耐性のない)ネオジム磁石が使われるような小口径フルレンジに押し当てても大丈夫だと思われる。私はEVA素材のジョイントマットなどを試してみようかな。内部フレームを加えて、箱を補強する練習を兼ねて。(あ、でも私は塩ビ素材の遮音シート持っているので、それを使い切らなくては。)
フローティングマウントではなく、ユニットをがっちり固定するのであれば、フロントバッフルの強度を高めるのが最も費用対効果が高い、つまり、フロントバッフルの板厚を増やし、適合するガスケットを選ぶのがもっともお手軽なユニット制振手法だと思う。