自己呈示
自己呈示(Goffman, 1959)
相手が自分に対してある特定の印象を抱くように、本来とは異なる自分の姿を伝えること
ありのままの自分を伝える自己開示と区別せよ
自分にとって有利な状況を作り出そうとするため
あえて否定的な印象を相手に抱かせることで有利な状況をつくろうとすることもある
恐ろしい人、かわいそうな人など
自己呈示は成功すれば様々な利益を得られるが、本来の自分を表出するものではない以上、常に失敗の危険性がある
自己呈示の方略
table: 表7-1 自己呈示方略の分類(Jones & Pittman, 1982)
自己呈示の戦術 求められる帰属 失敗した場合の帰属 相手に喚起される感情 典型的な行為
取り入り 好感が持てる 追従者・卑屈・同調者 好意 自己描写・意見同調・親切な好意・お世辞
示範 価値ある・立派な 偽善者・信心ぶった 罪悪感・恥 自己否定・援助・献身的努力
威嚇 危険な うるさい・無能・迫力なし 恐怖 脅し・怒り
哀願 かわいそう・不幸 なまけ者・要求者 養育・介護 自己非難・援助の懇願
自己呈示の3つの機能(Leary & Kowalski, 1990)
社会関係における報酬の獲得と損失の回避
e.g. 上司に取り入ることで好感を持たれ、昇進が早まる
自尊感情の維持・高揚(→6. 自己概念と自尊感情)
e.g. 自己宣伝をすることで周囲から能力があると思われれば、尊敬され、自尊感情が向上する
望ましいアイデンティティの確立
当初は、望ましいイメージの演出のために、本来の姿ではない自己を表出していたとしても、それが次第に自分のアイデンティティになっていくことがある