結晶性知能
キャッテルが提唱(Cattell, 1943; Horn, 1970) 文字や図形を使った関係の操作や推理(情報処理)をすばやく行う力のこと
青年期にピーク
経験を通して獲得された一般的知識や問題解決能力、言語能力 70代まで伸び続けるとされる
19歳から72歳のタイピストを対象とした研究では、単語やアルファベットのタイプは若い人のほうが速いものの、意味のある文章を打つ場合には経験豊かな人の方が速いことが見出されている(Salthouse, 1984)
その後の研究によれば、流動性知能のすべてが青年期以降下がり続けるわけではないことも示されている 帰納的推論など流動性知能の中身によっては、成人期や老年期も比較的安定して保たれているという すべての知能が一律にじわじわと衰えるわけではなく、一部の機能がある時期急に衰えること、一部の機能が衰えたとしても他の機能は維持されていること、中年期から老年期にかけて知能が安定している人と、低下する人の個人差が大きくなってくることなどが明らかにされている(鈴木, 2008)
結晶性知能は年配の方が高くなるというが、この研究自体がコンピュータが一般に普及する前のものmtane0412.icon
経験を通して獲得された知識量が根拠になっているが、知識基盤社会では知識の価値が変化している すぐに陳腐化したり変化したりする
なので必要な知識をすぐに取り出せるような状態が必要
この前提に立つと、もはや年配の人が結晶性知能が伸び続けるというのは現環境でも言えるのか?
もちろん青年期の平均的な人間の能力は低いだろう
年配でもデジタルツールを使いこなしてナレッジ運用できる人はいる
デジタルネイティブは他者の経験を大量に獲得出来る素地があるのに対して、デジタルを使えない典型的な老人は自分の経験からしか学べない 拡張された人類と旧人類の比較になる
デジタル技術が一定だとすると、デジタルネイティブが加齢を重ねていくとやはり年配の方が結晶性知能が高くなるはず
デジタル技術は常に革新を続け、ある年齢層になるとそれについていけなくなるとすると
どこかの時点で、「最先端技術にアクセスできることによる結晶化のスピード」>「加齢による結晶化スピード」ってならないか?