分節遺伝子と区画
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それでは、どのようにして擬体節の境界位置が固定され、幼虫の表皮における最終的な体節が形成されていくのだろうか 転写因子をコードするギャップ遺伝子やペアルール遺伝子とは異なり、分節遺伝子は、タンパク質産物やそれらが働く機構についてはお互いに明瞭な関連性のない、多様な遺伝子のグループ 分節遺伝子は、ペアルール遺伝子の発現に応答して活性化される
それらは14本のストライプとして出現し、1つのストライプは1つの擬体節に対応する
ペアルール遺伝子が発現している間に胞胚葉は細胞科していくため、分節遺伝子は多核性胞胚葉という環境よりはむしろ、細胞化した胞胚葉で機能している engrailed遺伝子はペアルール遺伝子によって活性化される分節遺伝子の1つで、それぞれの擬体節の前方部分に発現している この機能は、長期間にわたって働き続ける
2.23 engrailed遺伝子の発現は、細胞系譜の境界を定め、区画を規定する
engrailed遺伝子は分節化において重要な役割を持っており、ショウジョウバエでは生涯にわたって発現し続ける点が、一時的な活性を持つペアルール遺伝子やギャップ遺伝子とは異なっている engrailed遺伝子の最初の活性は、細胞化の際、前後軸に対して直交する一連の14のストライプとして現れる https://gyazo.com/67099ea399e6066102360f9391eb1d36
胞胚葉の腹側部分(胚帯)が背側方向に伸長した、後期の胚帯伸長期におけるengrailed遺伝子の発現 engrailed遺伝子は、4細胞幅を持つそれぞれの擬体節のうち、前方の1細胞幅で最初に出現する
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ペアルール遺伝子がengrailed遺伝子の活性を調節している証拠として、例えばfushi tarazuに突然変異を持つ胚では、engrailed遺伝子の発現が偶数番目の擬体節で消えることが挙げられる fushi tarazuは通常、偶数番目の擬体節で発現する
細胞系譜で限定された領域
1つの擬体節中の細胞とその子孫細胞は、隣り合った擬体節中の細胞と決して混じり合うことはない
区画は、胚、幼虫、成虫において、区画が設定されたときに存在した細胞の子孫すべてを含み、他の区画に由来する細胞は含まない領域として定義される
区画の存在は細胞系譜を調べることで検出することができる
胚期の早い時期に1細胞を標識し、発生の後期においてもそれらの子孫細胞(クローン)を識別できるようにしておくことで、細胞系譜を追うことができる
細胞系譜を追跡するための方法の1つに、胚のすべての細胞が取り込むことのできる無害な蛍光化合物を卵に注入する方法がある
初期胚において紫外線の細い光線を1細胞だけに照射することで、蛍光化合物を活性化させる
その細胞の子孫は蛍光を発するため、その後も認識することができる
このようなクローン解析を、engrailedの発現解析と共に行うと、擬体節の前方縁にある細胞は、境界の向こう側にある細胞の子孫を含まないことがわかる
このことから、前方縁は、細胞系譜で限定された境界であることがわかる
つまり、境界が形成されると、その後の発生において、境界の一方の側の細胞やその子孫は、もう一方の側に混ざることはできなくなる
擬体節における前方縁での細胞系譜による限定は、幼虫と成虫の体節まで持ち越される
しかし、擬体節の前方部分は体節の後方部分になるので、細胞系譜による限定は、体節の前後領域の間で起こる
このようにして体節は前後の区画に分けられ、このときengrailed遺伝子は後方区画を規定する
1つの区画内の細胞は、最初に共通の遺伝的な調節を受ける
細胞の一群が、それぞれの領域において異なった遺伝子を誘導するシグナルを用いることで、2つの領域集団に分けられていく様子を想像してみよう
もし、もとの細胞の子孫が境界を越えて混じり合わないとしたら、それぞれの領域が区画と成る
区画内の細胞系譜による限定は、ショウジョウバエ成虫の翅における細胞の振る舞いが良い例となる
細胞系譜による限定を、成虫が持つ構造において区別することは、胚期や幼虫期に比べると容易
成虫は、胚期に区画が最初に決められた後に、多くの細胞分裂が起こっているから
区画は、識別可能な2種類の細胞から構成される遺伝的なモザイクを作製することで可視化できる
X線やレーザー照射による有糸分裂組換えを用いることで、胞胚葉期や幼虫の表皮における個々の細胞に、識別可能な表現型を誘導する それらの振る舞いは、最初の細胞が標識された時期がどの発生段階だったのかに依存する
核分裂している間の初期発生段階に標識された細胞核は、より限定的な運命をたどる それらは、それぞれの体節(ありは翅など)の前方部分か後方部分のどちらかだけで観察可能で、決して体節全体で観察されることはない
成虫原基の細胞は、胞胚葉期のあと、10回程度しか分裂しない
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つまり、実験的に標識したこのような細胞のクローンは小さく、成虫においてさえも細胞系譜による境界を検出するのは簡単なことではない(図2.37上)
標識した細胞は、他の細胞よりも多く細胞分裂する
この方法で作製したクローンは、翅の前方部分か後方部分か、いずれか一方のほとんどを満たすことができ、この境界を細胞が越えないことを明白に示している
つまり、この境界は前後区画を分けている(図2.37中)
正常な翅において、それぞれの区画は、初期に存在した一群の細胞の子孫だけによって構成されている
区画境界は非常に明瞭かつ直線的であり、翅の構造的な特徴と一致しない
これらの実験は、翅のパターンは決して細胞系譜に依存しないことも示している
標識した胚期の細胞1つは、成虫の翅の細胞の20分の1程度を生じさせることができるが、クローンを大きくするためにMinute法を使うと、およそ半分を占めるようになる
それぞれの場合における羽の細胞系譜はかなり異なるが、それにもかかわらず、翅のパターンは完全に正常
ショウジョウバエ成虫の羽の区画パターンでは、成虫原基における初期の指定が持続している
成虫原基を形成するために胚の表皮細胞が割り当てられるとき、それぞれの原基は、その原基が発生した擬体節の区画パターンを保持したままになっている
例えば翅成虫原基は、2つ目の胸部体節に寄与する2つの擬体節間の境界から発生する
このように翅は、前方区画、後方区画、そして翅のおよそ中央にまっすぐ伸びる区画境界(もとは擬体節の境界だったもの)に分けられる
体節の後方区画(擬体節の前方部)としての細胞の指定が最初に起こるのは、擬体節が確立されるときで、その指定はengrailed遺伝子によるもの engrailed遺伝子の発現は、細胞の体節後方のアイデンティティを与えること、そして隣接した細胞が混ざり合わないようにするために細胞表面の機能を変えることの両方に必要
それゆえ、擬体節の境界が形成される
engrailed遺伝子の機能を説明する直接的な証拠は、engrailed突然変異体の翅におけるクローンの振る舞いを観察することから得られる(図2.37下)
正常なengrailed遺伝子の発現がない場合、クローンには体節の前方部、後方部の制限がなく、区画領域が消失する
さらに、engrailed突然変異体では、後方区画が一部、翅の前方区画と似るように変形してしまう
例えば剛毛は通常、翅の前方縁だけで観察されるが、engrailed突然変異体では後方縁にも観察される
engrailed遺伝子は、幼虫期や蛹期を通じて発現し続ける必要があり、成虫においても、体節の後方区画の特徴を維持するために発現し続ける必要がある
セレクター遺伝子の活性は、細胞の特定の運命を決めるのに十分
セレクター遺伝子は、他の遺伝子の活性を調節し、領域に特定のアイデンティティを与えることで、区画という領域の発生を調節することができる
2.24 分節遺伝子は擬体節境界を安定させ、境界において体節をパターン形成するシグナル中心に確立する
幼虫のそれぞれの体節は明確に定められた前後パターンを持っており、これは腹部の腹側表皮において容易に観察できる
例えば、それぞれの体節の前方領域は小歯状突起を有しているが、後方部分はむき出し https://gyazo.com/b4f60b69dc3988e874a19ef639347f9f
小歯状突起の列には6つのタイプがあり、はっきりと区別できるパターンを持つ
分節遺伝子の突然変異は、しばしば小歯状突起のパターンを変えてしまうが、このおかげでそれぞれの遺伝子が最初に発見された 例えばwingless遺伝子という分節遺伝子の突然変異では、腹部の腹側全体が小歯状突起に覆われてしまう表現型を示すが、それぞれの体節の後方半分における小歯状突起のパターンは逆転する この突然変異体では、それぞれの体節の前方領域が鏡像のように重複し、後方領域は消失してしまう
幼虫の小歯状突起のパターンは、胚期の擬体節境界の正確な構築と維持に依存する
また、擬体節境界の構築は、隣接する細胞間におけるシグナル回路に依存し、これが隣接する細胞間を境界で区切る
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engrailedは転写因子をコードしているが、一方でWinglessやHedgehogは分泌型のシグナルタンパク質であり、遺伝子発現のパターンを変えるために、細胞表面の受容体タンパク質を介して働く
同様に、脊椎動物を含む、多くの動物にホモログを持つ 我々は既に、それぞれの擬体節の前方境界にengrailedの発現を誘導することによって、ペアルール遺伝子が最初に擬体節を区切る仕組みを見てきた Hedgehogが働く一般的なシグナル経路
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分泌型のWinglessタンパク質はhedgehogとengrailedの発現を維持するための境界を越えるフィードバックシグナルとして働く
これによって区画境界が安定化され、維持される
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Wingless-Hedgehog-Engrailed回路のコンピューターモデルからは、回路の振る舞いを支配している遺伝子の発現レベルの変化などに対してこの回路が非常に強固で、耐久性を持つことが示されている
擬体節境界が構築されてしばらくすると、深い溝がengrailedのストライプの後方縁にでき、それぞれの体節の縁が形成される
これは、engrailedの発現が幼虫の体節の後方区画を決めていることを示している
胚において体節の後方縁ができた結果、初期の擬体節境界が体節の前後区画の間につくった境界と合わせて、連続した腹部上皮は、前方部と後方部の区切りの繰り返しにわけられる
いったん区画境界が定まると、擬体節境界からのシグナルがそれぞれの体節のパターンをつくる
それが最終的には、幼虫で明白になるクチクラパターンを形成するための、上皮細胞の分化につながる 小歯状突起の帯のパターンは、WinglessとHedgehogによるシグナルに応答して規定される
胚発生の後期では、HedgehogシグナルとWinglessシグナルの活性化はもはや互いに依存せず、別々に解析することができる
Winglessタンパク質は、体節の後方区画のパターンを形成するために、区画境界を越えて後方に移動する
また、前方部にも同様に移動し、それらが発現している細胞よりすぐ前方において、体節の前方部分のパターンを形成する
Winglessは後方区画ではより速く分解されてしまうため、移動距離は前方方向よりも後方方向のほうが短くなる
そのため、そのパターン形成での効果は前方区画で広範囲に拡大する
前方区画では、Winglessは小歯状突起の形成に必要な遺伝子を抑制するので、Winglessが発現している細胞列のすぐ前方に位置する細胞は、滑らかなクチクラを生み出す表皮細胞へと分化し、同時に前方部に広がったWinglessシグナルは、その体節における小歯状突起の帯の後方縁を規定する
winglessの機能が喪失している突然変異体では、正常なときには滑らかなクチクラの領域に小歯状突起が形成されてしまう
後方区画はHedgehogの作用に対して反応しないので、Hedgehogシグナルは、それが実際に発現している後方体節区画におけるパターン形成は行わない
HedgehogシグナルはWinglessの働きを維持するために前方部へ移動し、また、後方では次の体節の前方区画のパターン形成を助けている
複雑な相互作用によって、HedgehogとWinglessによるシグナルは、重なり合わない狭いストライプでの多くの遺伝子の発現を誘導する
それにより、幼虫の体節の滑らかなクチクラパターンと小歯状突起の特定の列でのパターンが指定される
区画境界内のパターン形成は、ショウジョウバエ成虫の腹部体節の表皮においても観察される
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それぞれの体節における表皮は、いくつかのタイプに分けられる
少なくとも前方区画においては5つ、後方区画においては3つ
それらは色素沈着の有無や、剛毛や毛の位置によって識別することができる
2.25 昆虫の表皮細胞は、上皮平面において前後方向に個々に極性化する
各体節での昆虫表皮は、異なる種類の表皮細胞へと帯状にパターン形成されるだけでなく、各細胞は前後方向に極性化する これは、ショウジョウバエ成虫腹部の毛や剛毛がすべて後方を向くことに反映される
多くの種類の細胞は極性を持ち、これは単純に言えば、細胞の一方の端はもう一方の端とは構造的・機能的に異なることを意味する
極性化は、例えば科学誘引因子の濃度勾配に対する反応において明確に観察することができ、このとき、細胞の前方端は後方端と大きく異る 平面内細胞極性は、薄い上皮の層で構成されるショウジョウバエの翅で明確に見ることができる
翅上皮細胞はすべて毛を有しているが、それらの毛はからだがから離れるように細胞末端(細胞の遠位(distal))に形成され、全てからだから離れる方向を向く 眼の個々の単位(個眼)は、眼全体を半分に分ける中央の線から離れる方向を向いている 脊椎動物では、平面内極性の例には、内耳の不動毛や魚類の鱗がある 平面内細胞極性はまた、球状のアフリカツメガエル胞胚がより長い原腸胚に変化する際の、原腸形成における組織伸長のような、形態形成での細胞運動においても重要 平面内細胞極性の確立メカニズムはまだ完全には理解されていない
現在の仮説では、全体的な極性方向を決定する、組織全体に及ぶ情報勾配の存在が提唱されている
一方で、細胞の両端間や、隣接する細胞間での局所的なシグナルが、個々の細胞極性を設定すると考えられている
例えば、成虫腹部表皮の場合では、区画境界に生じるシグナル勾配が、体節のパターン形成同様に、平面内細胞極性の確立にも役割を果たしていると考えられる
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この昆虫では、ショウジョウバエのように毛がそれぞれの体節を覆っており、それらはすべて後方を向いている
ナガカメムシの自然界の一部の個体には、体節境界に間隙が存在する
これにより、方向が変化したかなり正確な毛のパターンが生じ、間隙の周辺では多くの毛が逆方向を向く
もし各体節内の勾配の傾斜が毛に方向性を与えるとすれば、体節境界の間隙は勾配の局所的な変化を生じさせ、正常な体節境界での濃度の急激な変化はなだらかになり、逆方向に向かう局所的な勾配を形成することになる
これにより、逆方向を向いた毛がこの領域に生じる
同様の極性の逆転を生じさせる突然変異は、ショウジョウバエの腹部表皮の細胞のクローンとして誘導するこおが可能で、区画内に設定された情報の勾配の破壊による結果として、同様に説明することができる 平面内細胞極性に不可欠な遺伝子は、長距離勾配の設定に関与するタンパク質や、それを解釈して個々の細胞極性を決定するシグナル伝達系とともに、ショウジョウバエや他の生物において同定されている
2.26 ボディプランのパターン形成に異なる機構を用いる昆虫もいる
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多核性胞胚葉におけるペアルール遺伝子のストライプ状の発現様式や、原腸形成直後に全体節が出現することに示されるように、ショウジョウバエは、すべての体節が発生の一時期にほぼ同時に決定される進化した昆虫群に属する このような発生様式は、胞胚葉が将来の胚の全長に相当している
短胚型発生では、胞胚葉は短く、前部の体節のみを形成する
後方の体節は、胞胚葉期と原腸形成が完了した後、成長とともに追加される
発生初期におけるこのような差異にもかかわらず、胚帯が完成する時期には、長胚型昆虫と短胚型昆虫の胚は似通って見える
したがって、この時期は、すべての昆虫の胚発生に共通のステージ
ここで、長胚型および短胚型昆虫のボディプランの指定には、どの過程が共通しているのだろうかという疑問が生じる 明らかな一つの違いは、ショウジョウバエの長胚帯におけるボディプランのパターン形成が細胞境界が形成される前に行われるのに対し、短胚型昆虫のボディプランのほとんどは、成長中に後部体節が形成される時期である、より後期に決定されるということ
この時期、胚は多細胞性
それでは、ここでには同じ遺伝子が関与しているのだろうか
同じ遺伝子と発生過程がコクヌストモドキおよびショウジョウバエのパターン形成を担っているという、非常によい証拠が存在する
例えば、コクヌストモドキの胞胚葉期の胚でギャップ遺伝子Krüppelは、ショウジョウバエのように中央部ではなく、後端で発現している https://gyazo.com/2914ccde12c94da6b97a50996fb01b60
したがって、この2種類の昆虫でKrüppelは、からだの同じ部分を指定しているようだ
同様に、胞胚葉期におけるペアルール遺伝子に関しては、後部でのカップ状の発現と2本の繰り返しのストライプ状の発現のみが存在し、ショウジョウバエの7本のストライプ上の発現とは異なっている
他の昆虫ではそれほど多くの遺伝子が詳細に解析されているわけではないが、少なくとも1つの遺伝子、engrailedは、多くの昆虫において体節の後部領域で発現していることが知られている
しかし発生の後期にはバッタの神経系発生に関与し、伸長する胚帯の後端部にも発現する
初期発生の相違がさらに劇的な昆虫も存在する
ある寄生性のハチでは、卵は小さく、細胞でできた球を生産するような卵割を行い、その後それらはばらばらになる それぞれの小さな細胞塊(400にも達する)は、別々の胚に発生することができる
このハチの発生は見かけ上は体軸の確立のために母性情報に依存することはなく、この観点からは哺乳類の初期胚の発生に類似している
まとめ
分節遺伝子は擬体節のパターン形成に関与している
もっとも初期に活性化する遺伝子のひとつはengrailedであり、それぞれの擬体節の前方境界に発現し、体節の後方区画になる細胞群の輪郭を決定する
engrailedはセレクター遺伝子でもあり、細胞群に長期間にわたる領域アイデンティティを与える
engrailedの発現は細胞系譜により限定される
すなわち、engrailedを発現する細胞は体節の広報区画を規定し、細胞は後方区画を越えて前方区画に入ることは決して無い
engrailedはペアルール遺伝子によって活性化され、分節遺伝子winglessおよびhedgehogによって発現が維持され、区画境界が安定化される
区画境界は、体節内のパターンと細胞極性の指定に関与する
他の昆虫における研究もまた、境界によって区切られているそれぞれの体節内に別々の位置情報の勾配が形成され、この勾配が体節をパターン形成していることを示唆している
成虫の表皮細胞は極性化されている
ハエの成虫のからだと翅の毛は体軸に沿って方向づけられており、これは平面内細胞極性を生じる機構によるものショウジョウバエとは異なり、細胞性胞胚葉期より後の成長によって後部の体節が付加される短胚型発生を行う昆虫も存在する