還元可能性
reducibility
帰着可能性とも言う
多変数述語を、集合と見る視点により、「述語」ではなく「集合」を対象とする
何らかの問題を、チューリングマシンの停止性問題に帰着させることで、その問題の決定不能であることを導ける
2つの集合$ \alpha,\betaの計算不可能性の度合いを比較する
$ \alphaが$ \betaに還元可能であるとき、$ \alpha\le\betaのように表記する
$ \betaが計算可能である仮定すると、$ \alphaも計算可能になる
$ \betaの方が$ \alphaより計算不可能性の度合いが高いmrsekut.icon
難しい方へ還元(帰着)するmrsekut.icon
いくつかの還元の方法
チューリング還元$ \le_T
多対一還元$ \le_m
一対一還元$ \le_1
多項式時間還元$ \le^p_m
還元可能性と算術的階層
チューリング同値は算術的階層の領域を跨いで存在する
ref 多対一還元#5fb7c76a1982700000fbccbf
$ \alpha=haltPairは②の領域
$ \beta=\overline{\mathrm{HaltPair}}は③の領域
多対一同値は算術的階層の領域に閉じている
ref 多対一還元#5fb7cadd1982700000fbcccd
例えば②の中の集合$ \alphaと、③の中の集合$ \betaが$ \alpha\equiv_m\betaとなることはないという主張
#??
「帰着の方向」と、上の定義の「写像の方向」が逆転しているのが、非直感的で最初わかりにくかったmrsekut.icon
$ Aから$ Bへ帰着可能」というときは、$ Bの方が同等以上に難しい
簡単なものから難しいものへ帰着する
今知りたいのは$ B
既知の$ Aからの全域関数を考えることで、$ Bについて間接的に知ることができる
でもこれって全射かどうかは言ってないから、$ Bの方で漏れがあったりしないのか #??
定義的には漏れがあろうが、写像が示せれば$ Aの全てに対しては対応が取れたことになるのでそれで十分なのかなmrsekut.icon
参考
『C言語による計算の理論』 p.124-
https://ja.wikipedia.org/wiki/還元_(計算複雑性理論)