カントールの定理
Cantor's theorem
ある集合の濃度と、その集合の冪集合の濃度は等しいかどうか
定理
任意の集合$ Aに対して、$ Aの冪集合は、$ A自身よりも真に大きい濃度を持つ
有限集合について
有限集合に対しては成り立つのは明らか
なぜなら冪集合濃度は$ 2^{|A|}だから。
無限集合について
方針
写像$ A\to\mathscr{P}(A)を考える
これを満たすようなどんな写像$ fを選んでも全射になりえないことを示せばいい
全射であるならば濃度が$ |A|\ge|\mathscr{P}(A)|だということになる
全射$ fを仮定して、その像に入らないような$ Aの部分集合($ B)の存在を示せばいい
https://gyazo.com/5dd8940f7573e00ad03de77d47e74ba3
証明
$ f:A\to\mathscr{P}(A):a\mapsto \{a\}とすると、これは単射になる
故に$ |A|\le|\mathscr{P}(A)|である
あとは$ |A|\ne|\mathscr{P}(A)|となること、つまり$ A,\mathscr{P}(A)の間に全射が存在しないことを示せばいい
全射$ f:A\to \mathscr{P}(A)があると仮定する
ここで以下のような集合$ Bを定義する
$ B:=\{x\in A|x\not\in f(x)\}
定義からして$ B\sub A。故に$ B\sub\mathscr{P}(A)でもあるmrsekut.icon
この時、$ fは全単射なので、ある$ b\in Aが存在して、$ f(b)=Bとなるはずである
$ b\in Bとすると、$ Bの定義より$ b\not\in f(b)だが、$ f(b)=Bなので$ b\not\in Bとなり矛盾
$ b\not\in Bのとき、$ Bの定義より$ b\in f(b)だが、$ f(b)=Bなので$ b\in Bとなり矛盾
関連
カントールのパラドックス
参考
カントールの定理の証明と対角線論法 | 高校数学の美しい物語
これ読めば十分
対角線論法の示し方も簡潔
https://tnomura9.exblog.jp/24436044/
https://ja.wikipedia.org/wiki/カントールの定理
なんか異常にわかりにくいなmrsekut.icon
日本語が冗長すぎるからかな