『一般意志2.0』
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2011/11/22
人間は社会を作った。なぜか。
第1章
群れの知恵
wisdom of crowds
2章
3章
分割結社の禁止の話
個人間ではコミュニケーションは不要、など
4章
一般意志による政治のあり方が、現実的な政治とかなりかけ離れているという主張
国家的であること
official
共通であること
common
開かれていること
open
政治には公共性が必要
政治と公共性は、そのコミュニケーションの分厚さで基礎づけられる
とことん話し合う必要がある
5章
一般意志2.0について
ルソー時代の一般意志を一般意志1.0とし、現代において再解釈する
一般意志の具体物
Googleの検索結果
体系化する主体はGoogleではない
かなりバイアスはあるがmrsekut.icon
Twitter
一般意志とはデータベースのことだ
総記録社会
6章
「情報量の減少」にこそ価値がある
現代はそもそも情報量が多すぎるので、それを絞ることの方に価値がある
Googleの検索結果など
サービスは、しばしば選択肢が増えるほど価値が高まると考えてしまいがちだが、考え方が逆
私的な関心の上に成り立つコミュニケーションに、他者が侵入すること
自分が共感できるような人としか取らない閉鎖的なコミュニケーションをするが、そこに他者が侵入することがある
それのことを心の動揺と呼んでいる
心の動揺を引き起こすためのアーキテクチャ
7章
情報技術を駆使して無意識を探る政治をする
無意識
フロイトが起源
無意識には「否定」がない
ルソー
人間も動物も憐れみの感情を持っている
ゆえに、幸せな孤独を捨てて群れて生きてしまう
8章
「公」と「私」の対立を乗り越える、「共」のプラットフォーム
全体意志と特殊意志の対立を乗り越える、一般意志のプラットフォーム
それを認識し、統合するものが「国家」
小さな細胞を集めても身体はできても人間はできないのと同じように、個人を集めても社会はできても国家はできない
情報技術に覆われた現代社会は、「自分自身を認識する」ために、
国家とデータベースという2つの手段を持っている
データベースは無意識的に社会の現実を記録している
人間が意識と無意識から成っているように、国家もまた意識と無意識から成っているという主張
国家2.0の一般意志は、
一般意志1.0と、一般意志2.0に分裂している
9章
一般意志や無意識は「モノ」
物理現象
それに対する抵抗がそもそも無意味
一人の人間を「選良」と「大衆」に分けることはできない
あるときは選良になり、あるときは大衆になる
前者は専門分野など
欲望は理性で抑えつけられない
「大衆の欲望」が一般意志
これを啓蒙などによって抑えつけることは容易ではない
したがって筆者は、一般意志を、説得すべき大衆の意志というよりも、むしろ匿名的で集団的な「モノ」として、物理環境や財政と同じような物質的な制約条件として捉えるほうがよいと考えるのである。
哲学的な基礎が欠けている
にもかかわらず多くの人を焚きつけるのは、理性ではなく欲望、無意識に根ざしているから
大衆のつぶやきなどを分析して政治家に見せるなど
10章
いったんまとめ
社会契約論をまとめると
市民の行動の履歴をインターネットを利用して徹底的に集め、その分析結果に従って統治を行えばいい
煩わしい選挙活動や手続きは必要ない
熟議が不要と言っているわけではない
熟議とDBで補い合う
議会や委員会の模様を中継し、ネット上で公開し、視聴者は各々が思ったことを呟く
視聴者は議論に参加するわけではないので直接民主主義とは異なる
議論に参加するのは、民意を付託された議員
それをリアルタイムで分析し、可視化することで政策審議の行方に影響を及ぼす
まさにニコニコ生放送のようなもの
今現在の社会の政治の困難は、結局は欲望の欠如に集約されるのではないか
11章
ニコニコ生放送のような形態を取ることで、発言者は無意識にコメントに寄り添ってしまう
のが良い
集合知は情報の収集や誤りの修正には力を発揮するが、零からの創造には向いていない
12章
13章
人間が社会を作るのは、
憐れみ、とか、同胞の苦しみを見るのを避ける生来の嫌悪感から自分の幸福を追求する熱意を緩和するという原理、のような感情が人間を突き動かしてきたから。
理性によってのみ自己保存していたのであれば、ずっと以前に人間は存在しなくなっていたであろう
論理の限界
論理で世界を捉えられるほど人間は賢くない
議論できない人間が存在する
彼らとも共存しないといけない
14章
熟議は人を共同体に閉じ込める
SNSは憐れみをつなぐサービス
Twitterは人々を島宇宙に閉じ込める
ただ、RTのような島宇宙を横断する機能もある
人々の価値観は多様すぎるので、それらを包括する一つの国家は無理なので。
15章
未来の話
動物的な生の安全は国家が保証し、人間的な生の自由は市場が提供する