『ブルデュー『ディスタンクシオン』講義』
https://gyazo.com/d24219785ef52161c329d7955beda6d7
2020/11/27
文章がめちゃくちゃ読みやすくて助かるmrsekut.icon
本の冒頭に、趣味と階級を図示したものが載っているmrsekut.icon
〈導入講義〉平等神話は終わった -- 格差の時代に『ディスタンクシオン』を読む
バブルで格差が開き、バブル後それが和らぎつつも定着した
近年の日本の格差社会
経済格差、教育格差、地域格差
第1講 趣味とは闘争である --〈文化貴族の肩書と血統〉
一見、身分や職業に囚われず自由に選択できるように思えるが、
実際は家庭環境や所属する集団の属性と切り離すことが出来ないものである
ブルデューは趣味について、アンケート調査を行った
学歴と趣味の相関が見られた
ブルデューは、一般に上品で高尚とされるものを「正統的」と呼んだ
例えば、クラシックや純文学が正当的
低学歴は「つまらない」と評価した
小便器の作品
芸術作品を楽しむためには、(時間的な/金銭的な)余裕が必要
学校で習わない分野ほど差が出る (芸術など)
趣味は社会的位置を他から区別する原理として機能する 家庭と学校は文化資本の主要な形成の場である
ただし、家庭の方は、ごく幼い時期から得られる体験的習得であるため有利さが大きい
食べ物の好き嫌いなどが顕著
例えば、同じぐらいの学歴でも、家系が良いほうが評価良いがち
学校は、(家庭と比べて)遅くから始まる、系統的で加速された習得形態
第2講 あなたの場所はどこか?--〈社会空間とその変貌〉
以下の2つの指標で、個人が差異化され、社会空間の中の位置を占める 資本構造(↑の両者の割合)
これをマトリックスにした図が口絵に載っている
差異、関係性が大事なのであって、実体性が大事なわけではない
社会的位置空間と生活様式空間を1対1に結びつけてはいけない
事務員(黒字)の近くに、ビール(赤字)があるからといって、事務員がビールばっか飲んでることを意味しない
ブルデューが示した図がわかり易すぎるからこその警告という感じかmrsekut.icon
容易に実体性を主に解釈できてしまうので。
3次元目として「時間に沿った変化」を導入
上図のマトリックスをどのように遷移するかという軌道
垂直移動と横断移動
完全に図が前提になっている用語名
まあマトリクスにしてるなら、x軸/y軸方向の移動を定義するのは当然かmrsekut.icon
時間に沿った変化にも2種類ある
個人が成長などをした移動
同じ職業内での資本の時間移動はどうなんだろう?mrsekut.icon
プログラマの中で上に上がる感じ
社会的位置空間も生活様式空間も時代によって変容がある
ハイソだと思われてたものが一般人も触れられるようになるとか
差異が欲望を生産し、欲望が差異を生産する(卓越化)
資格のインフレ
今は4年制大学を卒業しても「すごい」とはならない
第3講 強力な生成母胎 --〈ハビトゥスと生活様式空間〉
ハビトゥスの説明が分かりづらすぎるmrsekut.icon 転移可能なハビトゥスのところの例がわかりやすい
業務で好奇心を発揮する人は、ゲームでも勝利への意欲が強い傾向がある、とか
わかりやすいのは良いが、ブルデューの論に呑まれないように注意しないとなmrsekut.icon
この眼鏡で世界を見て本当に良いのか
ハビトゥス(habitus)と習慣(habitude)の違い
習慣は反復的なもの
ハビトゥスは強力な生成母体
動的な側面を持ち合わせた構造主義という表現わかりやすいmrsekut.icon
身体的所作や外見への階級の露呈
食事のマナー、スーツ、作業服、
化粧の有無
農家は化粧しない人が多いとか
どのスポーツをするかという選択自体にもハビトゥスは関与しているし、
そのスポーツの向き合い方についてもハビトゥスが関与する
健康になるためにテスにする、友達を作るためにテニスする、ではぜんぜん違う
といった意見を読書会で聞いた
この読み方したことなかった、なるほどmrsekut.icon
第4講 象徴闘争というゲーム――〈場の力学〉
2つの「所有化」
物質的所有化
e.g. 絵画を手に入れる
象徴的所有化
e.g. ピアノを弾けるようになる
芸術作品を所有化する利益とは
卓越化利益
正当性の利益
他から卓越化された存在であると見られる
本質主義
文化的財
生産の場(人)と消費の場(人)の間の機能的・構造的相同性
文化資本から受ける影響が大きい
ハビトゥスの親和力
恋愛、結婚でもそう
両家の釣り合いを考える
対象を所有化する、対象に所有化される
生産の場、消費の場、それ自体も変容している
象徴闘争が起こる
自分の価値観を正当化した押し付け
e.g. 学歴が一番大事
より高みを目指す
受験の例みたいに
第5講 贅沢は敵ではない --〈卓越化の感覚―支配階級〉
支配階級の配置構造を決定する3つの因子
正統的能力
文化資本に依存
図のx軸上の対立
美的・倫理的性向
ブルジョワ階級にどれぐらい前から所属していたか(時間)に依存
新参者(成り上がり)か古参(文化貴族)か
中間文化に対する性向
ブルジョワ趣味とインテリ趣味の対立
↑これら3つの因子が卓越化の感覚をどのように組織しているか
対立
ブルジョワ
自由業、工業実業家、上級管理職
イキるために観劇
ブルジョワ趣味
フランス料理
多くの人が支持しそう
中間文化に近い
インテリ
教授、芸術家
観劇は日常
インテリ趣味
中間文化から離れたもの
独創的で異国風の料理
中間文化ってなに?
大衆文化と違うんだ
同じ「美術館に行く」という行動でも動機が異なる
通人の自尊心
第6講 上でもなく、下でもなく――〈文化的善意―中間階級〉
上の階級に対する憧れがある
文化的善意
中間階級が上を目指す
上位の文化の判断の模倣によって卓越化の錯覚を得る
10分de読めるみたいな(?)
原文読めない人向けのディスタンクシオン
中間層は子供が少なめ
教育に金をかけたいので
多世代に渡る戦略
プチブル趣味のヴァリアント
プチブル階級の3つの集団
下降プチブル
職人
老害みたいな?
実働プチブル
一般管理職、事務員、小学校教員
上昇志向、禁欲的厳格主義
新興プチブル
カタカナ職業, ブロガー, ユーチューバー, エンジニア
武装した上昇志向
第7講 気取りすぎてはいけない――〈必要なものの選択―庶民階級〉
機能主義、実用主義
オレじゃん
極端な例がコスパ厨、ミニマリストとかか
卓越化の放棄
他人に向けられると「出る杭は打たれる」っぽい、同調圧力
これ庶民特注の話なのか?コミュニティだいたいそうじゃないのmrsekut.icon
性差
経済的剥奪と文化的剥奪
同調圧力があると、そこから卓越したくなりそうなものだなmrsekut.icon
第8講 あなた自身の意見はあるか?――〈文化と政治〉
無回答率
質問の仕方によって、男女や学歴で無回答率が変わる
自分で変える人、委任する人
政治的な問題に関するアンケートへの回答の原理
階級のエートス
階級からくる、無意識的
体系的な政治的方針
支持政党の路線への適合性
アンケートの中に該当する選択肢がない
意見の剥奪と流用
アンケートに関係なく、通常の文章の読解に対しても言える気もするmrsekut.icon
〈総括講義〉もっと怒りを!――〈階級と分類〉
ハビトゥス的な価値観を、行為の生産者でもあり、行為の分類もする 主体にも客体にもなる
人々は(特に被支配的な位置にある 人々は)「分布構造が自分に割り当てているものを自らに割り当て、自分に拒否されてい るものを拒否し(「それはわれわれ向きではない」)、自分に与えられているものだけで満 足し、自分の抱く期待を自分に与えられている機会に釣り合わせ、既成秩序が彼らを定義 している通りに自己を規定し、自分自身にたいして下す決定のうちに社会構造が彼らにた いして下している決定を再現」する傾向がある
分かるンゴねえmrsekut.icon
境界感覚
帰属判断
階級闘争
象徴闘争
分類闘争
〈補講〉差別化の構造――日本で『ディスタンクシオン』を読む(ピエール・ブルデュー)
実態論敵思考様式
ある時点において、その集団占めている位置に、その趣味がたまたま割り振られたに過ぎない
ディスタンクシオンは差異による特性
言葉は平易っぽいのに全然頭に入ってこないmrsekut.icon
あとがき
事項索引/主要人名索引