言語を生みだす本能
和訳 1995
内容説明
母語が思考を枠づける、とするサピア、ウォーフの言語決定論(引用者注:サピア・ウォーフの仮説)を実証的にしりぞけ、言語本能説の前提として、人は普遍的な心的言語で思考することをまず洞察する。さらに、文法のスーパールールが生得であること、その基本原理を幼児は母語に応用して言葉を獲得することを、最新の発達心理学等から確認する。Noam Chomsky理論をこえて、人がものを考え、言葉を習得し、話し、理解するとき、心の中で何が起きているかを解き明かす、アメリカで大きな反響をよんだベストセラー。 目次
1 技能を獲得する本能―言語本能
2 おしゃべり―ヒトのあるところ、必ず複雑な文法あり
3 思考の言葉―心的言語
4 言語の仕組み―生得のスーパールール
5 言葉、言葉、言葉
6 サウンド・オブ・サイレンス
7 トーキングヘッズ―文を理解する心的プログラム
下巻
すべての子どもは、文法の基本原理を生まれつき持ちあわせて誕生するが、3歳までにどのように天才的に言葉を習得するのか。脳内のどこかに文法の遺伝子を見出せるのか。人類史上、言語はなぜ、いかに発生、進化したのか。スラングや方言などは、言語の堕落を招くのか。世界をリードする少壮の心理言語学者が、言語本能論に基づき、言葉についてのさまざまな疑問に明快に答える。
バベルの塔―言語の系図
しゃべりながら生まれた赤ちゃん、天国を語る―母語を習得するプロセス
言語器官と文法遺伝子―脳のなかにさぐる
ビッグバン―言語本能の進化
言語指南役たち―規範的ルールの誤り
心の構図