生産性
生産は成果(アウトプット)のこと
定量的に成果が計りやすいタスク(例えば「物を運ぶ」)と、そうでないタスクがある
生産性が簡単に測れるとは限らない
A. 特定タスクに関して生産性が段違いに向上するから
知識労働者にとっては、獲得した知識が収入に及ぼす差がつかなくなる ただし、周辺知識や原理の理解はその後も役に立つ可能性がある
未熟練がだめで高度技能が常に需要バリバリ、というような一般にありがちな偏見が、必ずしも的を射ていないことはわかっておくれ。すべてはひたすら需給によるんだ。
未熟練労働が不足したら、その価格――賃金――は絶対上がる。
将来的に、たとえば便所掃除をしてもいい人の数が圧倒的に減ったら、便所掃除作業の時給はそこらのサラリーマンを遙かに超える。メイド喫茶が今の 10 倍の人気を博すようになったら、女中どもの時給がモルガンスタンレーの高級取りよりはるかに高くなることは十分に考えられる。
バブル期には、コンクリートの型枠職人がビジネスクラスの飛行機で日本各地の現場を行き来していたんだよ。
レムによれば、かつてポーランドでは家政婦がすごい力を持ってたんだってさ。
もちろん、非熟練労働の問題は、まさにだれでもできるということだ。「お金はいくらでも払いますから、うちの便所を是非掃除してやっていただけませんでしょうか」という状況になったら、多くの優秀な官僚や技術者が現職をなげうって便所掃除市場に殺到して、結局その賃金水準は下がってしまうだろう
アダム・スミスは分業の偉大さを述べるのに、ピン作りの例を使った。針金を切る人、その先を削ってとがらせる人、ピンの頭をつける人、検品する人、梱包する人。そうやってプロセスごとに分業化することで生産性が何百倍にも高まるんだ、とかれは『国富論(1776)』で主張した。 技能や熟練水準と生産性とは、実はあんまり関係ない。熟練だからってニーズがあって世間の勝ち組と決まってるだろうか? そんなこともない。あなたが熟練だと思っているものだって、いつ陳腐化するかわからないでしょう。
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