数学書の読みかた
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2022
目次
第1部 基礎編
第1章 数学書はどのようなものか
1-1 数学の学習には3つの段階がある
1-2 数学書のスタイル
1-3 定義はひんぱんに使われる
1-4 数学書は体系を作り上げている
1-6 地の部分は注意して読む
1-7 「なぜこんなことを考えるのか?」 を克服する
1-8 「これはいったい何だ?」 を克服する
第1章を振り返って 大学での数学の学びかた
第2章 数学語を身につける
2-3 「かつ」 と 「または」の否定 ①
2-4 「かつ」 と 「または」の否定 ②
第3章 数学書の読みかたの基本
3-2 定義を覚えるには
3-4 定義を読む練習 ②
3-5 定義を読む練習 ③
3-6 具体例の主題 主張 理由を押さえる
3-7 定義を使って議論する
3-9 仮定と結論を読み取るときの注意 ①
3-10 仮定と結論を読み取るときの注意 ②
3-11 根拠と結論のつながりをひとつひとつ確認する ①
3-12 根拠と結論のつながりをひとつひとつ確認する ②
3-13 数式が意味する主張を検証する
3-14 証明を読み終えたら
3-15 命題は正確にあてはめて使う
3-16 地の部分の読みかた
第3章を振り返って ノートを取る意義
第4章 全称と存在の議論を読みこなす
4-2 全称と存在の否定
4-4 全称命題の証明
4-6 存在命題の証明
4-8 長い証明の読みかた
4-10 「存在→全称」 型命題の証明
4-11 「全称→存在」 型命題の証明
4-12 $ \epsilon-N 論法 ①
4-13 $ \epsilon-N論法 ②
4-14 基本的な推論規則を意識して使う
4-15 $ \epsilon-N論法 ③
4-16 全称と存在の両方を含む命題の否定
第4章を振り返って 「証明のパターン」 について
第2部 実践編
第5章 数学の文章を読みこなす 写像を題材として
5-3 写像が等しいことの定義
5-5 反例を挙げる議論
5-7 「ならば」 の否定
5-9 3つ以上の条件の同値性
第6章 さまざまな論法
6-2 数学的帰納法 ②
6-5 背理法による存在証明
補足
数学書の読みかたの基本
① 定義は設定もあわせて覚える (3-1節)
用語・記号,設定, 内容を押さえる。
② 具体例の主題・主張・理由を押さえる (3-6節)
③ 定義を使って議論する (3-7 節)
④ 命題の仮定と結論をとらえる (3-8節)
⑤ 根拠と結論のつながりをひとつひとつ確認する (3-11節, 3-12節)
「AだからBである」 「よって」 「したがって」 「以上より」 に注意。
⑥ 数式が意味する主張を検証する (3-13節)
関係を表す記号に着目する。
⑦ 命題は正確にあてはめて使う (3-15節)
あてはめ・条件の確認・結論の使用の3段階を踏む。
証明を読み終えたら (3-14節)
(1) 命題の仮定が証明のどこで使われたのかを確認する。
(2) 証明全体の流れを見直す。
長い証明の読みかた ( 4-8節)
(1) 全体を通して読み, それぞれの段落で何を述べているか、 どのような論法が使われているかを押さえる。
(2) ひとつひとつの文を検証しながら最初から最後まで読む。
(3) もう一度通して読んで、 全体の流れをふり返る。
「すべての○○について, △△である」 の証明のパターン (4-4節)
① ○○を勝手に1つ取ってくる。
② 取ってきたものについて△△であることを証明する。
「ある○○について, △△である」 の証明のパターン (4-6節)
① ○○を作る手順を述べる。
② 作ったものについて, たしかに△△であることを証明する。
条件を満たすものが2つあるとして, その2つが実は等しいことを証明する。
条件 A を満たす任意のxについて,命題P(z) は真である。
cは条件を満たす。
よってP(c) は真である。
(1) 証明の全体を読んで, どのような場合に分けているかを列挙する。
(2) あり得るすべての場合が尽くされていることを確認する。
(3) 証明のどの部分でどの場合が扱われているかを押さえる。
(1) 反例として挙げるべきものは何かを確認する。
(2) 挙げられている反例は何であるかを読み取る。
(3) 挙げられたものが反例であることを確認する。
(1) 同値であると主張されている条件を列挙する。
(2) それらの条件の間に、 どのように矢印が設定されているかを押さえる。
(3) 証明のどの部分が,どの矢印の議論になっているかを読み取る。
数学的帰納法による証明の読みかた (6-1 節, 6-2節) (1) 「開始の確認」と「連鎖の確認」 が,それぞれどの部分で行われているかをとらえる。
(2) 「連鎖の確認」 では、帰納法の仮定の内容と, それがどこで使われているかを押さえる。
(1) 主張の否定を確認する。
(2) どのような命題について矛盾が生じたのかを読み取る。
(3) 証明のなかで主張の否定が本質的にどこで使われたのかを押さえる。
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