新・数学の学び方
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2015
「数学がわかる」とはどういうことなのか.13人の数学者が実体験をもとに,それぞれの学び方を綴る.1987年刊の『数学の学び方』に新エッセイ5篇を加えた新版.編者のほか,深谷賢治,斎藤毅,河東泰之,宮岡洋一,小林俊行,小松彦三郎,飯高茂,岩堀長慶,田村一郎,服部晶夫,河田敬義,藤田宏の各氏が寄稿.
プロの数学者には明らかであるが,「数学を理解する」ことと証明などが「論理的に 正しいことを確認する」作業の間には大きな差がある.定理の証明の論理の正しさを 時間をかけて確認しても,それはその定理を本当に理解したことにはなっていないの である.
本書の旧版にあたる「数学の学び方」は岩波講座「基礎数学」に添付されて いた講座の編集委員によるエッセイ集であったという事実を考えると,旧版の執筆陣 たちは,本格的な専門書である「基礎数学」の中では説明しづらい「数学を理解する こととはどういうことか?」をエッセイの形で伝えたかったのだと想像する.
田村先生や服部先生のエッセイでは比較的簡単な例を取り上げ,大学で学ぶ数学の一側面を エレガントに解説している.タイトルはそれぞれ「論理を追う前にイメージを持て」 と「数学事始」である.これらのエッセイは初学者が本格的な専門書で数学を学ぶ際 に手助けになるかもしれない
もくじ
数学の帰納的な発展――ガウスの楕円関数論 河田敬義