保湿剤
目的
皮膚が本来備えている状態を保つ働きを助ける
各層をなめらかに柔らかく
適度に水分を含んでいる
使われるものと機能
油性基剤
油分
皮脂を補う
多価アルコール
皮膚をなめらかに、しっとりしたものにする
水分を捕まえて角層に止める
ポロリドンカルボン酸ソーダ、尿素、乳酸、いろんなアミノ酸
生体水溶液高分子及び細胞間脂質
生体水溶液高分子の例
水分を捕まえて角層に止める
タンパク質:コラーゲン、ケラチン
角層のバリア強化
角層の水分を増やす
しかしメカニズムは違い、各層ケラチンを切断して各層を溶かし出す
Opus 4.7.icon
保湿剤は「皮膚バリア機能の維持・修復」のために必要。 「肌を潤す」という美容文脈ではなく、角層という物理バリアを正常に機能させるための医療的介入として理解するのが正しい。
以下は「なぜ一般論として推奨されるか」の機序的説明。
メンタルモデル
乾いたスポンジは硬く、ボロボロ崩れる (= 皮むけ・粉吹き)
水を含むと柔軟で機能的
水を保持するには:
a) 水を供給する (humectant)
b) スポンジ自体の保水力を高める (NMF・細胞間脂質)
c) 表面から蒸発させない (occlusive)
保湿剤の役割は (a) を補い、(c) で蓋をして、結果的に角層全体の含水状態を保つこと。
皮膚バリアの構造
角層 (stratum corneum) は brick and mortar モデルで記述される。
code:_
↑ ↑
brick mortar
(ケラチン) (細胞間脂質)
Brick (角質細胞): ケラチン繊維 + 天然保湿因子 (NMF: アミノ酸・尿素・乳酸等)
Mortar (細胞間脂質): セラミド (~50%) + コレステロール (~25%) + 遊離脂肪酸 (~15%) の等モル比ラメラ構造
このラメラ構造が水分の蒸発を防ぐ最大の防壁であり、化学物質・アレルゲン・微生物の侵入を防ぐ。
保湿剤が介入する3つの機序
table:_
成分カテゴリ 代表例 機序
Humectant グリセリン・ヒアルロン酸・尿素・グリコール類 角層内に水分を保持。NMF を補完
Emollient スクワラン・各種オイル 角質細胞間の隙間を充填、滑らかさ改善
Occlusive ワセリン・ジメチコン・ミネラルオイル 表面に疎水膜を形成、TEWL を物理的にブロック
バリア修復 セラミド・コレステロール・遊離脂肪酸 細胞間脂質の組成を直接補充
理想的には3層 (humectant で水を引き込み → emollient で隙間を埋め → occlusive で蓋をする) が揃うのが効率的。市販の「保湿クリーム」の多くはこの3者を配合している。
保湿剤がない場合に起こること
経表皮水分喪失 (TEWL: Transepidermal Water Loss) が亢進すると以下の連鎖が起きる。
code:_
TEWL 亢進
↓
角層水分量低下 (<10%)
↓
角質細胞の柔軟性低下・酵素活性低下
↓
デスモソーム分解不全 → 角層剥離異常 (粉吹き・鱗屑)
↓
バリア機能低下 → 外的刺激の侵入
↓
炎症性サイトカイン放出 (IL-1α 等)
↓
慢性炎症 → バリア破壊の悪循環
これが進行すると皮脂欠乏性湿疹 (asteatotic eczema) や接触皮膚炎の発症リスクになる。
健康な皮膚でも保湿剤が推奨される理由は 予防医学的観点にある。
1. 加齢によるバリア機能低下: フィラグリン (NMF の前駆体) 産生・細胞間脂質合成は加齢で減少。30代後半から TEWL が緩やかに上昇
2. 環境曝露の累積: 紫外線・大気汚染・界面活性剤への曝露で慢性的に微小バリア損傷が蓄積
3. 洗顔による脱脂: 1日2回の洗顔で皮脂と細胞間脂質の一部が除去される。再合成には数時間〜半日かかる
4. エアコン環境: 現代の屋内湿度 (30–40%) は皮膚にとって低湿度ストレス
つまり「症状が出てから治す」ではなく「バリアを常に最適状態に保つ」のがコスト対効果が高い、という公衆衛生的な発想。
ただし脂性肌では効果サイズが小さい
皮脂分泌が多い人は表面のオクルージョン機能を皮脂が代替している
皮脂中のスクアレンは細胞間脂質ではないが、表面の疎水膜として TEWL 抑制に寄与
脂性肌の TEWL 値はもともと低めの傾向
したがって脂性肌における保湿剤の追加的効果は小さい。RCT で TEWL 改善効果が示されるのは多くが乾燥肌〜正常肌の被験者で、脂性肌のみを対象にした保湿剤の長期 RCT はほぼ存在しない。
保湿剤が「明確に必要」な状況
以下は脂性肌でも保湿剤を入れるべきケース:
table:_
状況 理由
レチノイド・AHA/BHA 使用中 角層剥離促進でバリアが薄くなる
アトピー素因あり フィラグリン遺伝子変異等で先天的にバリア弱い
冬季・低湿度環境 TEWL 物理的に亢進
洗顔後にツッパリ感 脱脂過剰のサイン
ヒゲ剃り直後 機械的にバリア損傷
皮膚疾患の既往 脂漏性皮膚炎・酒さ等は再発予防が重要
Opus 4.7.iconAADの保湿剤に対する立場
結論から言えば、AADは健常者に対して保湿剤を明確に推奨している。ただし「推奨の強度」は文脈で異なるため、3層構造で整理する。
table:_
文脈 AADの立場 エビデンス基盤
疾患治療ガイドライン(AD等) 強推奨(Strength A) RCT多数
抗老化スキンケア指針 「日焼け止めと並ぶ最重要2成分」と明示 専門家コンセンサス+機序
一般向けデイリーケア 朝晩2回、優しい洗顔料と併用を推奨 コンセンサス
具体的な公式表現として、AADは 日焼け止めの毎日使用、バランスの取れた食事、優しい洗顔、毎日の顔用保湿剤を皮膚老化予防の手段として挙げている。また 「優しい洗顔料と保湿剤を朝晩2回使うことを最良の結果として推奨している」。
Cureus 2024の追跡調査 によると、AADの推奨を実際に守っている割合は男性でかなり低く、女性との間に統計的有意差がある(保湿剤使用 p<0.001)。つまり「推奨されているが男性は守っていない」という構造。
薬剤師執筆
大きく3種類
膜を張って水分の蒸発を防ぐ
ヘパリンの水分保持で水分を保持する
違いが謎だ…
https://youtu.be/VtjI304dTQM
一時的ではなく(?)、肌の保湿機能を改善する成分の解説
値段は高くなる
保湿力アップ + メディエーター(セラミド産生促進)
セラミドは加齢で少なくなる
医薬部外品の有効成分として唯一水分保持の改善が認められた
セラミド生産促進
製品紹介
トゥベール セラミドミルク 81円/g
セラミドが4.5%高配合
メディエーターとしての効果が期待できる
原価的に安いセラミド2が主成分だろう
カルテヒルドイド モイスチャーエマルジョン 15円/g
医薬部外品
敏感肌向けのパッチテスト済
ライスビギン オールインワンエマルジョン 110円/g
原料メーカーが製造して販売をライスビギンがやっている
原料メーカーが処方に落とし込むところまでやっている
配合と処方は違うらしい
https://www.youtube.com/watch?v=uTjUhc7Gt7s
花王のcurel保湿クリーム
保湿力の計測
角質水分量
バリア機能が正常化され知えると逃げにくい
スコアが高い
スコアが高いものはあるが、保湿力を高めるために使用感がが重い
水溶性保湿成分(グリセリンとか)
油(スクワランとか)
を配合する
硫酸Mgが配合されているのが特徴的