ポケモン同人誌事件(1999)
1999年に任天堂の「ポケモン」のイメージを壊す内容を書いた同人誌を通信販売していた作者が、著作権法違反で逮捕された事件。 警告なしにいきなり逮捕勾留されているのが特徴的
警察は暴力団案件だと勘違いしたらしい
任天堂が該当の同人誌を直接見つけたというわけでなく、一般人から内容がひどい同人誌があると情報提供があってから警察に届けを出した。結果として作者は略式起訴をされて罰金(民事訴訟ではないので賠償金ではない)を科された。また同人誌を印刷した印刷会社の社長も、著作権違反ほう助の容疑で書類送検されたがこちらは不起訴になった。
概要:ゲーム「ポケットモンスター」のパロディ同人誌を出していた福岡の同人作家が、著作権法違反(複製権の侵害)容疑で突然逮捕され、二二日間(二三日間との情報もあるが、本人が二二日間と言っているので、おそらくそちらが正しい)にわたって拘留。略式起訴(※)され一〇万円の罰金刑がくだされた。またこの本が頒布された同人誌即売会「ガタケット」の代表者も事情聴取を受け、この本を印刷した印刷会社が幇助罪の疑いで書類送検されたが、逮捕起訴には至らなかった。 法律関係について一言だけ言っておきたいのは、デュープロセスが本当に守られたのか? という点については、今回の事件は多分に疑念が残る。正直言って、警察の対応はかなり異例である。組織犯罪と思って振り上げた拳を、いかに体裁を整えて引っ込めるかで、苦労している感は否めない。ところが、この部分についての議論はかなり抜け落ちているように思う。
さて、よく見かける間違いや未確定情報は以下の四つ。※四つ目は2021年7月20日に追記
・18禁同人誌だった(逮捕された本人が否定)
・中学生(18歳未満の者)が買ってそれを親が見つけて任天堂へ(出展が不明な未確認情報)
・任天堂が見せしめに告訴した(当時流れた推測。完全否定は出来ないが反証に成り得る証言がある)
・「子供向け作品のエロ同人だったから逮捕された」(実際は様々な要因が絡んだ、特殊な事情での逮捕でした。詳しくは本文参照の事。なお当時もそれ以降もポケモンのエロ同人は他にも多数あったが、この件以降に逮捕者は出ていない。)
(最近「逮捕されたが不起訴になった」と言うのも有りましたが、「略式起訴」されて罰金刑が言い渡されているので、それも間違い)