プリヴィズ
pre visualization
パンフレットでも鶴巻さんが言及していたけど、シンエヴァだとプリヴィズがメインなんですよね
#プロフェッショナル仕事の流儀
#シン・エヴァンゲリオン劇場版
#庵野秀明
https://pbs.twimg.com/media/ExFCOcTVgAAU0TB.jpg
ひょっとすると古い物知り世代がかえって誤解してるかもですが、アクターさんに演じてもらってるのはモーションキャプチャーでキャラを動かすためではありません。セットごとお話通りにキャラ配置、状況を3Dに取り込むことで3D空間内で仮想カメラを動かしアングルを探す、絵コンテ製作に相当する試み。 今回はバーチャルカメラで撮ったさまざまなアングルのモーションキャプチャーデータも用いています。本編の前半パートには最初に絵コンテがなく、プリヴィズを組んでから、それを元にコンテを作る作業に入っていきました。
このプリヴィズの中にはモーションキャプチャーを使った簡易なCGや、iPhoneで撮った写真や動画など色々な素材を使っています。
素材の数は写真だけでも何万枚とあるので探すのも整理するのも大変です。多くのアニメや実写ではオールラッシュ後に変更点を各部署に伝えますが、『エヴァ』は原則オールラッシュは行われないので、その作業をほぼ毎日行っていました。
人を楽に動かせるから構図の試行錯誤が早い?
単純な動きなら紙上でできそうで、
カメラワークとかダイナミックな試行錯誤が早そう
@yosizo: シンエヴァのアングル検討用のプリヴィズ、シン・ゴジラでも実写CGを作る前に制作が早いアニメCG会社に簡易版を発注して、1シーンに各種アングルを作らせて検討してから白組が重いデータで制作した。今回は、EDロールにプリヴィズ用カメラマンどころか声優まで一杯出ていて劇場で見て目眩がした(^ ^; https://pbs.twimg.com/media/ExGdu_HUYAIywEF.jpg
さらにこの動画に「動く絵コンテ」プリヴィズが加えられていく。実際の地図データなどを取り込んで背景を構築、その前にゴジラや自衛隊のメカ、背景のビルや家々など、おおまかなパーツを並べて、3DCGで構成された仮想の特撮ステージを作り上げるのである。この空間でヴァーチャルカメラを使って監督自らが細密に位置決めをしたという。たとえ色や音がなくても、そこには監督自身が設計した、ほぼ完成した「画」が存在していたのである。
このプリヴィズはVFXだけでなく、本編の会議シーンなどにも適用され、事前に会議室のセットを取り寄せ、綿密な撮影プランが練られたそうである。
このプリヴィズを実際の撮影やVFXに置き換えていけば、よいわけなのだが、事はそれほど簡単にはいかなかったようだ。
クオリティアップを目指すのが、クリエイターの信条であろう。だが、チェックの際の庵野監督(庵野秀明)の言葉は厳しく「プリヴィズどおりにやってください」の一点張りだったそうである。様々なパートの方にお話を伺ったが、この「プリヴィズどおり」は必ずと言っていいほど出てくるワードだった。 よかれと思って追加した効果は全否定。しかもミリ単位の位置ズレ、秒単位のタイミングのズレも見逃さなかったというのだから、恐ろしい。
仕舞いには「自分の表現したいものははすでに結実しているのだから、間に合わないのであればプリヴィズのまま公開してもいい」と言い出す始末だったという。
庵野さんは絵コンテ書いてない?
@yosizo: シンエヴァ制作のアングル確認で使われたプリヴィズだが、CGでなければ時間制約のあるタレント撮影の多いCM業界では随分以前からビデオコンテと言う簡易の想定動画で演出検討やクライアントへのプレゼンが行われ、この永谷園お茶漬けCMもそのお陰で制作陣がそのまま出演(^ ^; https://pbs.twimg.com/media/ExIdQvvVoAQnRFt.jpg
動きのあるところは手書きのほうが自由度が高いと言う主張
シンゴジラの特典映像がすごくて、大量のプリヴィズ映像も収録されてたんだけど、このやり方をアニメにも持ち込んだのかなーと思いながら昨日のプロフェッショナルを見ていました。
「そもそも3DCGのカットは『素材があれば編集で』というわけにはいかないです。でも、絵コンテで作ってしまうと、絵コンテのイメージを作り込むことになってしまって、想像外のものが出てこなくなり、そのうえ現実世界との乖離が拡大する方向になってしまう。『シン・ゴジラ』は脳内のイメージで映像を作りたくなかったんです。『シン・ゴジラ』は、現実空間にある風景を切り取っていく映画を目指したかった。だから、最初に、現実に存在するものを3D空間に作り、その中でバーチャルカメラを使って、ゴジラをどこからどう切り取るかを考えました。または実際の風景を撮影して、この実景の中にゴジラがいたらいい絵になるかプリヴィズで初期に確認する。だから頭の中のイメージを優先させて描く形の絵コンテは必要なかったんです」(神山健治との対談より。『映画は撮ったことがない ディレクターズ・カット版』(神山健治、講談社)所収)
「アニメーションって、頭の中にあるイメージをどうやって映像にするかという作業だから、最初にこういう映像を作りたいっていうのが、まず絵コンテという形で目に見えるようになる。でも逆に、自分がイメージしていないものを作りたいと思ったら、絵コンテが邪魔なんです」
「宮崎さんの絵コンテがああいうスタイルなのは、頭の中にあるイメージと寸分違わないものを画面にしたいからなんです。だから、絵コンテというものをすごく大事にしている」 「(引用者注:自分は)イメージどおりにしかならないのは、物足りないんですよね。特に絵コンテを自分で描いちゃうと、自分がイメージした以上のものにはなかなかならないです。(中略)そのカットが必要な情報としては、最初に自分がイメージした以上のものは入ってこない。自分のイメージって、大体絵コンテを描く前に頭の中にできちゃうんですよね。そうすると、自分で絵コンテを描いても、想像の範疇をまったく超えないものがそこにあるだけなので」