パスタを茹でる
塩分濃度1.3~1.5%
多分これだと味が濃いのでソースで調整の必要ある
パスタの量は80g程度
塩を入れなくて良い
塩を入れるのは、グルテンの繋がりを強くして弾力を出すため 現在の市販パスタは製麺技術の発達によって、塩を入れてもいれなくても弾力にほぼ違いは出ない
高級パスタはソースが絡む
高級パスタの美味しさとはどんなものなのか、イタリアンのシェフに聞いてみると「ソース絡みは、しっかり絡むタイプのパスタだと思います。」とのこと。
そこで、ゆであがった普通のパスタと高級パスタに米粒がどれだけくっつくかでその絡み具合を比較してみます。ゆでたパスタを長さ10cmにカットして実験です。普通のパスタをお米の中に入れ、すくい上げると2.1グラムの米粒がくっつきました。続いて、高級パスタで実験してみると、くっついた量は4割も多い3グラム!なぜその違いが生まれたのか?
表面荒さの問題
パスタは練った小麦粉を小さな穴から押し出すことで作られます。普通のパスタは安定して大量に生産するために、その出口が滑りのよいテフロンで加工されています。しかし、伝統的な機械で作られる高級パスタは滑りの悪いブロンズを使用。
普通のパスタの表面を顕微鏡で見てみるとつるつるであるのに対し、高級パスタの表面はザラザラ。これが、ソースが絡む秘密なんです
蒸す場合はデンプンが流れ出ても最終的にパスタの表面につくのでくっつく力が増したのです
謎の大学教授
かつてパスタメーカーの研究室で働いていたというパスタのエキスパートでもある大学教授。先生によると科学的にいうと食塩は入れなくていいとのこと。
0.6%程度の塩分濃度では違いはない
そこで熱湯の入った2つの鍋を用意。片方の鍋にパスタのパッケージ通り1リットルあたり塩を小さじ1杯入れます。
約0.6%
パスタを投入しパッケージ通りに8分茹でました。ゆであがったところで麺をあげ市販のソースをかけて食べてみます。
味見の結果、2つの味はほぼ一緒でした。
マイクロスコープを使い40倍に拡大してみると、中心部分の影はほどよい歯ごたえを作る、アルデンテを示しているのですが、どちらもほとんど違いがありませんでした。
噛み切るのに必要な力を計る装置にかけてみると、小さじ1杯の塩を入れたパスタと何もいれずに茹でたパスタとでは、ほとんど歯ごたえが同じという結果に!
先生によると「プロのシェフやイタリア本場では塩を入れる。ただし入れる量が違う。」とのこと。プロは一般的に言われている量の3倍も塩を投入するというのです。
そこで、再びパスタを茹で、塩を入れずに茹でた麺と比較します。噛み切るのに必要な力を計る測定器で計測してみると…なんと塩を入れないパスタに対し、小さじ3杯で茹でたパスタは歯ごたえが2割も増加したんです。
1.8%
「食塩が茹でている最中に麺の中のグルテンというタンパク質に作用しグルテン同士が結合する手が増えた。結合の手が増えた為にパスタに強いコシが生まれた。水1Lあたりに小さじ1杯程度の食塩だと結合の手が増えなかったのだと考えられる」
麺が塩辛くなるので、ソースで味を調整する必要がある
実際に大量の塩を入れて茹でるプロの料理人はどうしているのか聞いてみると「濃い塩味でパスタは茹でます。ただ、最終的に僕らはソース自体の塩分を調整して仕上げるので特に問題はない」とのこと。