よく考えるためのシステム
Scrapboxで人類が一つ前に進むと普通に思ってるしバンバン流行ってほしい
の補足
じゃあ「議論に向くもの」ってなんだろう?
どうして?
Scrapboxを使うと自分の考えの断片(書き散らしたメモ)の関係性をそのまま提示できる
過去の考えを目にする機会が多く、考えが整理しやすい
何度も同じことを考える切っ掛けが生まれるので、問題の理解度が上がり、よりよい問題解決ができるかもしれない
非同期に議論ができるので議論スピードが上がる
コミュニケーションは難しすぎる。議論はもっと難しい
人間は自然言語でコミュニケーションをするが、曖昧性や言葉の捉え方の齟齬によって、どうしても、意思疎通に誤解が生じる
正解するカドの2-3話あたりでも異世界から来た生命体が言葉を選ぶシーンが登場していたが、アレ これが、伝えることの難しさ
また、情報を受ける側に立つと、言葉を自分の理解の範疇で解釈しようとして、それが発信側の意図とずれていると誤解が発生する。これは日頃同じ言葉で話している場合を除き、本当に良く起きる。
(コミュニケーションになれた人は、誤解があることを前提に会話をする。相手が何を言っているのか想像する)
これが、情報を受け取ることの難しさ
議論にはこの2つの難しさがある。慣れている人はこれを着実にこなす議論のスキルを持っている。
議論のプロでない私たちでも着実に議論ができる方法がScrapbox
一方で、全員が深い議論のスキルを持っているわけではない。でも議論はしなければならないことがある。
大抵の場合、かなりの時間をかけて相互理解するか、失敗する
共同作業における意思決定は、作業時間のかなりの割合(基素.iconの体感で20-30%)を持っていく
時間がかかるのはいい。大事だから
でも、なるべく効率よく、齟齬なくやりたいし、なるべくうまく問題をやっつける決定をしたい
そんなとき、相手の頭の中が可視化されていると、相手がどのように考えているのかがわかりやすい。
これを実現できる可能性を秘めているのがScrapbox
Scrapboxはリンク構造で頭の中を書き出すことのできる機能を持っている
Scrapboxは、立ち止まって深く考えるために使える
リンク構造で頭の中を書き出すとはどういうことか?
上で「正解するカド」を引き合いに出したが、見ていない人はわからない
なので引き合いに出すのは本来はあまり良くない
このようなよくわからない単語を前にすると
ググるか意味を類推する
でも多くの人はググらない
そもそも、ググったところでわからない可能性がある。発言している人(いまなら基素.icon)がどう捉えているのかわからないと理解ができないからだ
というような問題があるが、Scrapboxでは基素.iconが過去に書いた正解するカドのエントリにすぐ飛べる。さらに、そこに関連するものが全て出る。 別の例
そこから基素.iconが何を考えているのかが一望できる。
Scrapboxを使っていくと、書き手は自分の思考を簡単に繋ぐことができる。読み手は「相手の言葉が何を言っているのか」を理解しやすい。
また、書く側は、何度も過去のメモを見返すことになるので説明が洗練していき、正確に考えていることを伝えやすい。
情報を伝えることの難しさの緩和
さらに、相手の言い漏らしを類推しやすくなるので、相手の議論を拾いやすくなる。
情報を受け取ることの難しさの緩和
これらはどちらも、リンク構造とその見せ方によって解決している
書き手から見ると
自分にとって重要な概念は、手を変え品を変えいろいろなところで使う
表現するうちに、何度も過去のメモを見るので洗練できる
(リンクでほぼ無意識のうちにこれらがつながる)
読み手からみると
頭の中の構造をのぞいているように見える
課題としては、どこから読めばいいのかわからないこともある。使う側の工夫は必要かもしれない。
なお、立ち止まって考えることは結構難しいらしく、基素.iconの経験上、ブログやWikiではこれはできなかった。
意識して自分が考えたことを整理しておかないと、こういうことはできない
過去にどこで何を考えていたか思い出せない
新しい記事の内容を書くたびに、過去にあるそれに関連する記事にリンクを張り直すのは現実的ではない
Scrapboxでは、新しい記事nから古い記事oにリンクすれば、oのリンクからnを辿れる
この記事から正解するカドにリンクを張っているので、この記事への逆方向のリンクも自動的に作られている 寡聞にして、立ち止まって考えることのできる仕組みがうまく実装されたツールをScrapbox以外に基素.iconは知らない。
このため、Scrapboxが人類の議論のやり方を一歩前進させると本気で思っている。
Scrapboxで議論を発酵させて、全体最適を見つけよう
議論には目的がある。最も多いのが、なんらかのアクションを決定するためのものだと思う。
そういうときには、多くの意見を統合して全体最適の解を見つけたい
物事は基本的に単一の軸で評価すると局所最適になる。このため、多くの制約を課した上での全体最適をしたい
でも、実際には声の大きい人、あるいは手数の多い人の意見が(それが筋悪でも)採用されがち
それだけ労力をかけているんだから採用されがちなのは当然、という見方もできるけど
全体最適への道は、対象への深い理解が欠かせない。
複数の問題に対して最適な行動をとるのだから、理解が必要になる
Scrapboxでは、議論をいろいろな視点で切り取るのが得意。全体最適を見つけていきましょう。
例えば次の記事はまさにそんな事例
Scrapboxで議論を発酵させて、多くの問題を一気に解決する構造を見出していることがわかる
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