ふるさと納税は非効率な経済政策
前提知識:ふるさと納税の仕組み
ふるさと納税には地方の宣伝効果が一定程度あるため、その点はふるさと納税独自の魅力といえる。
それ以外については、(適切かどうかの議論は別として技術的には)補助金や減税でもっとシンプルかつ低コストで同等の経済効果を実現することができる。むしろ、ポータルサイトや決済業者という地方創生とは関係の薄い民間企業を徒に利してしまうという問題を改善できるだろう。
しかしその補助金や減税が実現できるか?という点ではどうなんだろう?基素.icon
ふるさと納税の導入で起きたこと
節税手段として機能し、高所得層がその恩恵を得る仕組みとなっている(逆進性) 実質的な意味で農水産業やそれに関連する産業の割合の多い自治体への補助金のような役割を果たしている
ふるさと納税の返礼品は原則として地場産品とするという規制がある中で、雑貨・工芸品や宿泊券等に比べると、生鮮食品や加工食品が返礼品の人気ランキングを独占している(株式会社Insight Tech, 2019)。また、農水産業が盛んな地域はふるさと納税で黒字となるケースが多いことがデータからも確認できる。
支払うほうが選べるので需要があるものに集中する
交付金無しでも既にふるさと納税に関して黒字の自治体に、更に国が交付金を支払っている状況が8割以上存在している
ふるさと納税に関する地方交付税交付金は、流入額と独立に決まってくる(流出額にのみ応じて決まる)ため発生する このような仕組みが、返礼率の上限規制が導入される以前の時期に、返礼率を少しでも高めて流入額を増やそうというインセンティブを各自治体に与えた
都市部から地方への所得移転となっている
地方創生という観点でいえば、思惑通りだということになる。 地方交付税交付金を無視すると、8割程度の自治体(主に地方)がふるさと納税で黒字、残り2割が赤字(主に都市部)ということは、(あくまで単純な平均値での議論となるが)ふるさと納税という枠に限って考えると、赤字自治体1団体あたりで4つの黒字自治体の黒字を支えているという構図になっている。
This paper shows that municipalities compete excessively for donations under a unique program called Furusato Nozei (Tax payment to hometown) in Japan. Under the program, people make donations to their favorite municipalities and municipalities that have received donations give reciprocal gifts in return. This causes governments to compete for donations by setting “return rates” — the value of a gift as a percentage of the donation received. Our estimates show that, in the most likely case, this competition reduces net revenue by at least 7.5% compared to when the municipalities do not compete for donations.
DeepL: 最も可能性の高いケースで、この競争は、自治体が寄付をめぐって競争しない場合と比較して、純収益を少なくとも7.5%減少させることがわかった。
読む前の疑問
「純収益」はトータルか?この政策は地方自治体への所得移転なのだから、政策の良し悪しはこれだと語れないのではないか? 極端例:「東京で100億円の税収があるがその他の自治体は0円」より、「トータル92.5億円の税収だが他の自治体にも行き渡る」方が良い可能性がある
実際には人口密集地域だけに金を投げた方が効率がいい場面が多そうだが(量的な根拠は知らない)...
長い目で見たときにそれがいいのかはわからない
東京に核が落ちたら民族全滅になるかも
民族とかどうでもええわという人もいっぱいいるだろうから視点によって変わる
地方創生が全然うまくいっていなさそうな日本で人口減少もあって地方自治体は東京よりシビアな状況 切り捨てるのがいいことではないってのはみんな思ってるだろう
本稿は、本当に3割という返礼割合の上限が最適なのか、経済学的なフレームワークを用いて検証しようとするものである。 具体的には、納税者のふるさと納税に関する効用関数を設定し、 それに基づいてふるさと納税に関する需要関数のパラメータを構造推定する。 そのうえで、この需要関数をもとに、返礼割合を何割に設定する場合に税収が最大となるのか、 また、税収と納税者余剰*1を合わせた総余剰 を最大とするには返礼割合を何割に設定すればよいのか、 シミュレーションを行う。 政府の収入にマイナス
社会構成の観点でマイナス
3割規制は悪い(パレート最適でない?)ナッシュ均衡に陥るのを食い止めるという点では大きな意味がある https://youtu.be/dYY1y-48ZOI
最初は否定的だったが、納税される側をやって見方が変わった
アメリカの州のようなイメージ
日本で真正面からこれはできない
大きな社会変革ができない
高齢になれば保守的になる
社内調整が上手かなった人が首相になる
自治体の予算は単年度だが、ふるさと納税は比較的自由に使える
全体8300億円
14-15%の人が利用
寄付控除を受けている人740万人
住民税払ってる人は5000万人
堀江のまちづくり
万博&研究所を作ったが夜の遊びはないのでうつ病が増えた
学生結婚で子供が増えた
これは失敗ということでないと思う基素.icon